気負いなく楽しく作れた SCANDAL、節目のアルバム「YELLOW」
INTERVIEW

気負いなく楽しく作れた SCANDAL、節目のアルバム「YELLOW」


記者:村上順一

撮影:

掲載:16年03月03日

読了時間:約18分

免許を取るとドライブソングを作りたくなる

映画『猫なんかよんでもこない。』の舞台挨拶に出席したSCANDAL。左からHARUNA、RINA、TOMOMI、MAMI(撮影・小池直也)

映画『猫なんかよんでもこない。』の舞台挨拶に出席したSCANDAL

――「Mornig sun」は映画『猫なんかよんでもこない。』の主題歌ですが、映画を観てから制作されたのですか。

RINA ワールドツアーで日本をまわっている時にこのお話を頂いたんです。映画のサンプルを観ながら私が耳に残ったセリフだったり、目に残ったシーンというのを箇条書きで書き出して、それを歌詞のヒントにしていきました。映画は、陽だまりのような暖かさがあって、いろんなパートナーとの関係性を描いていて愛情のある映画なんです。そのやさしさや柔らかさを楽曲にも入れたくて、今一度パートナーとの関係性を見直して大切に生きられるような楽曲に仕上がっています。

――「Mornig sun」は詞が先で、その後にメロディを付けたのでしょうか。

RINA これはほぼ同時といっても良いくらいですね。

MAMI RINAの中でこの映画に対してのイメージが出来上がっていたので、曲を送って数時間で返ってきました。すごくスピーディーでしたね。

――映画は1月30日に公開となりましたが反応などは聴きましたか。

RINA 映画と合わせて聴くとまた印象が違うという声だったり、キャストの皆さんと舞台挨拶もさせて頂いたんですけど、演者の方たちに感想を聴く機会はなかなかないんですよね。そういう機会も与えてもらって「暖かさと日曜日のまどろみが思い浮かぶような曲で気に入っています」という声も頂いて、本当に一緒に作れて良かったなと思いました。

――「Sunday Drive」はTOMOMIさんがドライブしている時に出来た歌詞ですか。

TOMOMI 免許を取るとドライブソングを作りたくなるんですよ(笑)。「運転しながらこういうリズムが聴きたいな」というのを想像しながら“未来日記”みたいな感じで歌詞を書いていきました。

――HARUNAさんは武道館のMCで免許を取得することを今年の目標に掲げていましたが、この曲を聴いても免許を取りたいと思った?

HARUNA そういうわけではないんですけど(笑)。今、自動車学校(教習所)には通っています。なんとか4月から始まるツアーまでには取りたいなと思っていて、出来るだけ朝早く起きて休日も返上して通っています。

――車に乗れるようになると出来る楽曲も変わってきそうですね。

TOMOMI 車中で制作する人も中にはいるみたいですね。自分たちの制作はどう変わっていくのかわからないですけど。

いずれは新曲でも英詞にチャレンジしてみたい

彼女達のパフォーマンスに会場が揺れた

日本武道館公演のもよう

――ワールドツアーをおこなってきたことが『YELLOW』には反映されていますか。

MAMI そうですね。ワールドツアーの経験は大きかったです! でも海外の影響はありつつ、日本に帰ってきたときに、四季があることや日本語の美しさなど、改めて日本の良さを感じたんです。それらを上手くミックス出来たらいいなと思って作曲をおこなったので、洋楽と邦楽、両方のエッセンスを感じてもらえるかなとは思います。

――特に海外の要素が強く入り込んだ曲はありますか。

MAMI ワールドツアーのあとにトルコで『ABU TVソング・フェスティバル 2015』という音楽祭があって、日本代表として出させてもらったんですよ。その時に、トルコのヨーロッパとアジアの文化が混じり合った不思議な感じは、とても良い“違和感”だったんです。それを「形に出来ないかな」と思って制作したのが「ヘブンな気分」なんです。フレーズや音色に関しては、エスニックなフレーズを交えつつファズ(編注=歪みエフェクター)でギター歪ませて「汚い音がいい」といった感じの楽曲なんです。トルコで得た違和感が曲になっていますね。

――「ヘブンな気分」を作る時に参考にしていたアーティストや楽曲などありましたか。

RINA この曲の時はジャンル的にはグランジを聴いてましたね。ニルヴァーナやマッドハニー辺りを聴いてました。Dメロ前なんか思いっきりニルヴァーナを参考にしたし、乾いた歪みで、細くて汚いというサウンドになりました。

――この曲の作詞はRINAさんですが、どのような気持ちで書かれたのでしょうか。

RINA 実在するロックスターの良いところをミックスしていて、最強のロックスターをイメージしました。そのロックスターをフロアでお酒を飲みながら眺めているリスナー目線の歌詞ですね。

――以前インタビューで話されていたイギリスでのライブシチュエーションが思い浮かんだ?

RINA 正にシチュエーション的にはイギリスでやったライブハウスのイメージで、後ろのバーカウンターでお酒飲みながらライブを観ているイメージですね。お酒を片手にお客さんの出入りがあるというのをあまり日本では体験しないので、それがカッコイイなという印象が残っていたんだと思います。

――「Your song -English ver.-」がボーナストラックとして収録されていますが、この楽曲が選ばれた理由は?

HARUNA ワールドツアーでもずっとやっていた曲で、日本でも海外でもスゴく人気がある曲なんです。もともと海外を意識して作った楽曲でNHKの「J-MELO」という番組の企画で、海外の方からのメッセージをもらって作った1曲だったので、この曲を英語で歌えたら海外に行った時にもっと繋がれるんじゃないかなと思って収録しました。

MAMI

日本武道館公演でのMAMI

――英語の作詞はどのようにおこなったのでしょうか。

RINA 『HELLO WORLD』に収録されているオリジナルの日本語詞は4人で作ってあって、それを今回のEnglish ver.のためにアメリカ人の友達に翻訳してもらったんです。レコーディングの時もその友達にスタジオに立ち会ってもらって、発音のチェックもしてもらいました。

――今後は英詞の楽曲も増えそうですか。

HARUNA 今回はもともとあった楽曲だったのですが、いずれは新曲でも英詞でチャレンジしてみたいですね。

――先ほど発音のチェックもしてもらったとのことですが、英詞で歌うのは難しかったですか。

HARUNA そうですね。耳に聴こえてこない音を発音しなければいけなくて、「そんなこと言ってる?」みたいなことが結構ありましたね。

TOMOMI Yesterdayのフレーズで手こずってたよね。

MAMI Rの発音が日本人には馴染みがないんですよね。でもそういう手こずったポイントもありましたけど、意外とスムーズに進んでいきました。日本語とは違うリズムのハマり方をするので、その曲になかった新しいハマり方をするとスゴく気持ち良かったですね。

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