今年で結成10周年を迎えるガールズロックバンドのSCANDALが、3月2日に通算7枚目のオリジナルアルバム『YELLOW』をリリースする。昨年は9カ国41公演を巡る自身初の単独世界ツアーを成功させ、国内では4年ぶりの日本武道館で2DAYS公演もおこなった。女性バンドブーム再来の火つけ役を担い、女性ギタリスト、いわゆる“ギタ女”にも大きな影響を与えた。彼女達自身もこの10年間で進化している。黎明期は提供曲も多かったが、創作にも携わるようになり、今作では初の収録曲全て自身が作詞作曲。その多くは日常生活のなかで自然に生まれ、なかには初のインスト曲もある。また、レコーディングに新たな手法を取り入れるなど音質へのこだわりもみせた。節目の年の最初にリリースする今作。作品に込めた想いなどを聞いた。
ファンキーなアルバム、直感で『YELLOW』
――ニューアルバム『YELLOW』は、前作『HELLO WORLD』よりも、更に1本芯が通ったサウンドになったのではないかと思いますが、それは作詞作曲を全て自身達で行ったことが大きいですか。
RINA 作る前から作詞作曲を全て自分たちでやろうと思っていたわけではなくて、前作から1年とちょっとの間、日常的にそれぞれ曲作りをおこなって、それらをまとめられた時期が、ちょうどリリースタイミングだったんです。気負いなく楽しく作れた1枚ですね。
――『YELLOW』の楽曲で一番最初に作った曲と最後に作った曲は?
RINA 2014年6月に作った「ちいさなほのお」が一番最初ですね。最後に作ったのは、1曲目に収録されているインストの「Room No.7」です。
――インストの収録は初めてかと思いますが「Room No.7」を入れた意図は?
MAMI 「アルバムのプロローグを作りたいね」という話をしていて、最後の最後までどういう形にしようか悩んでいたんです。最初は、HARUNAの弾き語りとか「Room No.7」のような「フルバンドで演奏じゃなくてもいいんじゃない」ということを話していたんです。でも、アルバムのツアー(編注=4月スタートの『YELLOW』ツアー)がライブハウスになったので、そこでバンド演奏でやれる曲があっても良いのではないかという話になったんです。そこからスタジオに入ってみんなで作っていきました。
――「Room No.7」はリフから作っていったのですか。
MAMI 私がイメージしたリフがあって、そこから膨らましていったんです。フレーズとかリズムパターンは割と決まっていたんですけど、楽曲構成に結構悩みましたね。悩んだ末に「一番最初のが良いんじゃない?」となって最初の構成に戻ったんですよね。
――「Room No.7」のNo.7は7枚目のオリジナルアルバムという意味だと思うのですが、その前にRoomと入れたのにはどのような意図があるのですか。
HARUNA もともと『YELLOW』というタイトルを付ける前に、仮のタイトルがあったんです。アルバムの楽曲が「サニーサイドな曲が多いなぁ」ということで『Sunny-Side ~』というタイトルを付けようかなという話をしていて、いろいろ考えていたんです。そのなかで、『Sunny-Side Motel』というのがしっくりきていて、その時に作った楽曲だったのでMotelということから「Room No.7」と付けたんです。紆余曲折してタイトルは『YELLOW』になったんですけど、仮タイトルからの名残りですね。
――『YELLOW』にはどのような意味が込められているのでしょうか。
HARUNA 『YELLOW』という言葉に深い意味があるわけではなく、アルバムのサウンド感から付けました。ファンキーなアルバムが出来たので直感で『YELLOW』という言葉が出てきたんですよ。「Room No.7」も前のタイトルからの連想ですが、変えようという話にはならなくてそのまま残りました。