10日に公式サイトで、冬ライブ中止やラジオ番組の終了を一斉に発表し、ファンの間で大騒動を巻き起こしていた声優で歌手の田村ゆかりが13日、自身の公式サイトでキングレコードとの専属契約が3月20日に契約満了となることを報告。さらに、サイト内のブログで、「これは私が自分らしくあるために、たくさん悩んで、いっぱい考えて出した答えです」と自らの言葉で報告し、キングレコードやファンへの感謝を率直なタッチでしたためている。

 田村は『いつも支えてくれている皆さんへ。』と題したエントリーを更新。「突然の発表で驚かせてしまってごめんなさい。そして、心配してくれてありがとうございます。見るの怖いなぁ・・って思いながらも、ツイッターなど見させていただいています」と現在の心境を率直に伝え、「これは私が自分らしくあるために、たくさん悩んで、いっぱい考えて出した答えです」と、キングレコードとの専属契約の満了を改めて報告した。

 さらに、「ここで、新しい場所をお知らせ出来れば、みなさんに安心していただけるのだと思います。ですが、まだお知らせできない私のふがいなさを許して下さい」と詫びた。

 田村はキングレコードへの感謝を綴る。「今まで大切に育てて下さったキングレコードさんには本当に感謝しています。以前のメーカーさんから移籍をする際に、『ゆかりは絶対にラジオを続けた方がええんや』と、キング内で、なんの実績もない私がラジオを継続できるよう、走り回って下さったのは、当時プロデューサーだった三嶋さんでした」と奔走してくれたことを強調し、「地上波のラジオで番組を持つのは、とても大変なことです。実績0の私なんかの為に、色んな方に頭を下げて番組が続けられるようにしてくれたんです」と感謝した。

 そして、自らがパーソナリティを務めるラジオ番組『田村ゆかりのいたずら黒うさぎ』のエピソードを紹介。2013年4月に放送開始以来、「はじめは、いつもの人見知りでツンツンおどおどしていましたが、スタッフのみなさんのおかげで、自由に楽しく番組を続けることができました。30分番組では珍しく、2本録りではなく毎週1本ずつ録音。別に2本録りでもいいんだけど、なんとなく。毎週の方が、みんなの顔が見える気がして」と収録における自らのこだわりを紹介。

 さらに、「ハガキの文字を見たら『あの人だ』って思い浮かぶ。消印を見たら『あの人かな?』って思える。そんなあたたかい空間が大好きでした」とファンとの交流を楽しみ、「他の番組にくらべたら、うちの番組はスペシャルな事は少なかったけど、それでも、毎週かならず声を届けることが出来る。私は、それだけで、十分だったんです」と打ち明けた。

 田村はファンへの感謝をしたためた。「ずっと聴いてくれてありがとう。久しぶりに聴いたよって方も、昔聴いてたって方も。あなたの、大切な時間を預けてくれてありがとう。いつか時間がたった時に『あんな事あったなぁ』って ふと、思い出してくれたら、とても嬉しいです」とメッセージを寄せた。

 さらに、田村は歌を歌い続けることはなお続くことを強調。過去には辛い時期があったものの、「当時のメーカーの方に『この子のCDをもっとださないと!絶対伸びるから!』と後押しして下さったのも三嶋さんでした」と再び感謝をこめる。「その強い言葉があったから続ける事が出来ました。他メーカーの私にアニメの主人公とタイアップを持ってきてくれたり、『どうして、ここまでしてくれるのだろう?』と不思議に思っていました」とした。

 三嶋氏のサポートに対し、“自分だから歌える歌がある”との思いを感じながら歌手活動を続けてきたとし、プライベートの相談にも親身に相談してくれた恩義をこめてエピソードを紹介。「夜中に長電話なんて当たり前。『俺は担当したアーティストは全ての事を最優先で面倒みるんだ!シモの世話だってする覚悟や!』なんて冗談で言ってくれるくらい(笑) あ、もちろん、これは本当に冗談ですよ!変な誤解しないでくださいね」と愛嬌をこめ、田村の自由な歌唱を″キングレコードゆかり組″のディレクター陣が「ただただ『ゆかりさんの為に』とがんばってくれていました」と感謝した。

 契約終了となったことを「私のわがまま」と綴る田村。「三嶋さんはそっと背中を押して下さいました。言いたいことはたくさんあったでしょう。だけど、恩知らずの私に何も言わず『わかった』と言ってくれました」という。意見の食い違いなども出てきていた中で、「それでも、多くを語らず背中を押してくれました。お嫁に行く娘にするように。話し合いの時に、意地を張っていた私は、三嶋さんにきちんと伝えられなかった言葉があります。そして、三嶋さんと最後にあった時の顔が悲しい顔だったのが心残りです」としみじみと綴った。

 そして、「歌い続けて、もっと人間的に成長して必ず恩返ししたいです。40という人生の節目の無謀な決断を許してくれてありがとうございます。正直、不安だらけです。自分に何が出来るのか、まだ必要とされているのか。『みんながいないと生きてる価値がない』嘘ではありません。本当の気持ちです」と心の声を文面にこめ、一人ひとりの支えが価値を作り出すことを綴った。

 キングレコードに在籍した9年間は「楽しかった事がいっぱいです」と田村。「みんなみんな。大切な想い出。大切な宝物」とし、「これからも。私が私らしくあるために前向きにがんばっています。私が『前向きに』とか言うと嘘っぽいかな?だけど、ここに書いてることは、全部、私の本当の気持ちです。たくさんの感謝と、少しの勇気をもって歩いていきます」とこれからへ向けての抱負を綴った。

 自分はネガティブと自嘲気味に綴りつつも、「こんな私だけど、側にいてくれると嬉しいです。これからも、たくさんの想い出を一緒に作っていけたら嬉しいです。そして、最後にあの時伝えられなかった『ありがとう』の花束をいつか届けさせてもらえるように見守っていて下さい。私の大切なみなさんへ。愛をこめて」と気持ちのこもった文面で締めくくっている。

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