熱演する

初のワンマンを成功させたLe Lien

 【ライブレポート】現役女子高生四人組ガールズバンド「Le Lien」(ルリアン)が11日、東京・原宿ASTRO HALL(アストロ・ホール)で初のワンマンライブを行った。各自、ソロでのカバーや、アコースティックセットでの演奏など多彩に盛り込み、全17曲を熱演した。まだ肌寒い日のなか、会場は、満員に詰めかけた“ファミーユ”と呼ばれるファンの熱気に包まれた。

 この日は祝日。原宿の明治通りには、ショッピングなどを楽しむ人々で賑わっていた。その喧騒の中、大都会の大通りには、一際、目を引く行列ができていた。高校生と思われる、制服姿の女子たちや、学ランを着ているが、明らかに中年に見える男性などが、寒空の下、臨時に立てられたフェンスの内側で規則正しく並んでいる。

 その行列の先には、アストロ・ホールへと続く、地下に下る階段がある。狭い階段を下りていくとホールが広がる。この頃はまだ人もまばらだが、次第にファミーユによって埋め尽くされていく。やがてスタッフの声が場内に響き渡る。「後ろの方が入れませんので、もう少し前に詰めてください」。その声に促され、前方へ移動するファミーユは、これから始まるルリアンの初ワンマンに、心躍らせる様な笑顔で前に移動していた。

 暗いステージに照明が灯り、ファミーユの拍手と声援の中、スターダストプロモーション初のガールズバンド、ルリアンのメンバー、Karin(Ba)、Hikari(Dr)、Shione(Vo&Gt)、Minami(Key)がステージに現れた。

 各々が定位置に着き、すぐに一曲目、「Be My Boyfriend!」が始まった。疾走感溢れるギターサウンドに、切ない片想いの歌詞が載ったロックチューンだ。Shioneが「行くぞー」と叫び、Karinが「盛り上がって行くよー」とコール。ファミーユの歓声が飛び交う中、二曲目「Every time〜きらいのはんたい。〜」へ。終盤ではShioneがサウンドモニターの上に乗りギターソロを奏で、いきなりアクセル全開で、とても初ワンマンとは思えない、堂々としたパフォーマンスを見せた。

アコースティックでしっとりと

アコギで披露

アコギで披露

 「ついに始まりました、ワンマン!」とShioneが挨拶、そしてメンバー紹介へ。「まだ早いのか、早くないのかはファミーユに判断して頂いて…」と、先程の攻めのパフォーマンスが嘘のように謙虚なShioneのMCを遮り、リーダーのMinamiがどうやらお約束らしい、「男ぉ、盛り上がっているかぁ!?」との掛け声をかける。男性ファミーユが「おー!」と野太い歓声を返し、「女ぁ、盛り上がっているかぁ!?」の掛け声に女性ファミーユが「わぁー!」と黄色い歓声で応えた。

 ヒートアップしたファミーユから「Let's go ルリアン」コールが湧き上がる中、三曲目「がんばり Doki」と四曲目「Brand New Beat」を畳み掛ける様に披露。続けざまに私立恵比寿中学の「大人はわかってくれない」をカバーした。

 ここで衣装チェンジの為、KarinとMinamiが舞台袖にはけ、ShioneとHikariによるファミーユとの掛け合いが始まった。一番遠の地から来た人は、という二人の問いになんと韓国から来たという答えが。そして、今回初めてルリアンを観に来た人という問いに、多数が手を挙げ、着実にファミーユの輪が広がっているという実感を持てたようだ。

 そうこうしていると、絆祭とプリントされた、黒いルリアンTシャツに、ピンクの太いラインの入った黒いジャージに着替えた、KarinとMinamiが登場。これから何をやるでしょうか、とファミーユに問いかける。プロレスやバク転などアクロバティックな答えが出る中、ShioneとHikariがアコースティックギターと、カホン(編注=ペルー発祥の打楽器)を携え、同じ格好で戻ってきた。

 サポートギターとしてトミー氏を迎え、Shioneが初めて作詞した思い入れのある楽曲「きずな坂」をアコースティックバージョンで披露。Minamiのピアニカがレトロ感を引き出し、Hikariの叩くカホンが幻想的に響く。Karinの初期の愛器、ピンクのベースラインに支えられ、Shioneがアコギを片手にしっとりと歌い上げる。四人の初めて見せる普段と違う魅力に会場のファミーユもただ息を飲み、聴き入っていた。

ソロでも個性をみせる

Shione[Vo&G]

Shione[Vo&G]

 ここからは、各メンバーがソロでフェイバリットのアーティスト曲を独自に表現するステージへ。

 白いゆったりとしたトップスにジーンズ、アップした髪で少し大人っぽく変身したMinamiが、大好きというディズニー映画『ベイマックス』の日本版主題歌、AIの「Story」を熱唱。ファミーユから送られる拍手喝采に、投げキスで応え、退場した。

 続いて黒いキャップに黒いドレス、左手に黒いグローブを着けたShioneが登場。Minamiと同じく、大好きな映画、『NANA』の主題歌、中島美嘉の「GLAMOROUS SKY」(編注=厳密にはNANA starring MIKA NAKASHIMA)をほうふつさせるように歌い上げた。

 Karinはチェック柄のワンピースに胸元に、赤いサングラスを下げて登場。ビールのCMでも馴染みのある、森高千里の「気分爽快」を振り付けつきでカバー。去り際にファミーユから「Karinがおばさんになっても好きだー!」というコールが。会場は笑いに包まれた。

 ラストはHikari。赤いリボンの付いたカチューシャに金色のクロスがプリントされた黒いタンクトップ、黒いホットパンツというスポーティな出で立ちで、安室奈美恵の「GIRL TALK」を本格的なダンスと共に披露。抜群のリズム感と運動神経を見せてくれた。

 今回はルリアンとファミーユの距離を縮める為のファミーユ参加型二択クイズも行われた。これはあるシチュエーションで、異なる二つの答えを、ファミーユに選んでもらい、その答えとルリアンの予め選んだ答えが一致した数を競うもの。「ドラえもんの道具、“どこでもドア”と“タイムマシン”ならどっちが欲しい?」などの全5問がなされ、Minami以外のメンバーが4ポイントで並んだ。結局、ジャンケンで優勝はHikariとなり、優勝賞品、うまい棒のいろいろ味セットが贈呈された。「たこ焼き味が好きだ」と言うShioneにKarinが「今度、大阪で買って来るね」と返し、「いや、普通に東京で買えるから」という総出のツッコミが入り、終始、和やかな雰囲気に包まれたまま、ステージは後半戦へ。

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