SMAPの暗い表情が更に不安を、あんな姿みたくなかった…
分裂騒動の渦中にあるSMAPのメンバー5人が18日、放送内容を一部変更して行われたフジテレビ系『SMAP×SMAP』の生放送に出演。騒動に対するお詫び、そして明言は避けたものの結果としてグループ存続の意向を示した。
“空中分解”の危機にあったSMAP
全国のファンが固唾を呑んで見守っていたであろう“スマスマ”。放送開始前からTwitterには緊張感溢れるツイートが並んだ。午後10時15分、生放送は静かに始まった。
最初に字幕が表示され、番組の内容を一部変更する旨が伝えられた。続いて、番組に寄せられたファンからのメッセージが読み上げられると、画面が変わり、揃いの黒いスーツに身を包んだメンバーの姿が映し出された。皆一様に表情は堅く、立ち位置も木村拓哉をセンターにし、リーダーの中居正広が一番下手に配置するイレギュラーな並びだった。
まず、口を開いたのは木村だった。
「えー、今日は2016年1月18日です。先週から我々SMAPのことで世間をお騒がせしました。そして、たくさんの方々にたくさんのご心配とご迷惑をおかけしました。このままの状態だと、SMAPが空中分解になりかねない状態だと思いましたので、今日は自分たち5人がしっかり顔を揃えて皆さんに報告することが何よりも大切だと思いましたので、本当に勝手だったんですがこのような時間をいただきました」
続いて稲垣、香取、中居、草なぎの順でコメントを残した。具体的な説明や明言を避ける言葉選びに、釈然としない会見ではあったものの、過熱する報道によって世間を騒がせてしまった「騒動」に対する謝罪会見だと捉えられた。
結論としては、木村が最後に述べた「何があっても前だけを見て進む」ということだが、「解散はしない」「これからも5人でやっていきます」などの明確な言葉が欲しかったファンとして物足りなさは否めないことだろう。
そして、他局の報道番組に出演していた嵐の櫻井翔も“空中分解”という言葉が衝撃だったとコメントしたように、13日から伝えられてきた一部報道の内容が真実味を帯びてきた。
Twitterも中断、平均視聴率31.2%、そしてチャートも….
スマスマ生出演の平均視聴率は31.2%、瞬間最高視聴率は最後に5人がおじぎをしたところで37.2%をマーク(いずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)という異例の数値を記録した。放送直後にはTwitterもサービスが中断するほどアクセスが殺到したようで、TLにはこれぞ賛否両論という様々な意見が流れてきた。
「出てくれてありがとう」という感謝の言葉も溢れていたが、表情の暗さが余計に不安を呼び「あんなSMAPみたくなかった」、「あれだったら出ない方がマシだった」と、ファンはもちろん、ファン以外の視聴者からも辛辣な声が聞こえてきた。一連の騒動を一般企業に置き換え、と今回の対応に釈然としない胸中を表しているものもいた。視聴者の置かれている立場や環境によっても反応が大きく異なり、自分を重ねながら見ていたのが印象的だ。
生放送だろうが録画だろうが、どこで何を言っても、真面目な顔でも笑顔でも賛否両論あるのは重々承知の上のことだろう、彼らだってプロである。
過熱していく報道を鎮静化させる目的も半分、そして不安な中でも「中居くんの言葉を待つ」とひたすら待ち続けたファンに向けて、逃げずに生放送で出演したことへの感謝の念はファンの心のなかで満ちていることであろう。
SMAPがSMAPを守るために
今回の謝罪は、SMAPが誰かの指図で謝罪させられた、事務所への“全面降伏”だとの言われ方もなされているが、SMAPがSMAPを守るために起こした行動であるとの見方もある。ファンは、彼らがいま置かれている状況を踏まえて、ベストな方法を選択した上での出演だと信じていることであろう。影響の範囲が広い国民的アイドルがここまでしなければならなかったこと事態に目を向けるべきでないかという声すら聞こえてくる。
解散を阻止しようとファンの間で広がりをみせていたCDの購買運動。25日付オリコンランキングによれば、昨年9月リリース「Otherside/愛が止まるまでは」が前週の198位から10位に急上昇。2003年3月リリースの「世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)」は圏外から75位に浮上と10年ぶりに100位内に入ったという。ファンの思いが数字となってあらわれはじめた。
9月にはデビュー25周年を迎えるSMAP。四半世紀という長い時間をアイドルとして君臨し続けたSMAPの歴史をこれからも継続して欲しい、そして、デビューからSMAPと同じ時間を費やして応援し続けているスマオタ(SMAPファン)が、心から祝えるステージを設けて欲しいと願うファンも多いことであろう。(文・柚月裕実)
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