THE ORAL CIGARETTES“7・14”リベンジ敢行、新たな野望も
ワンマンライブ行ったTHE ORAL CIGARETTES(撮影・Viola Kam (V'z Twinkle))
5日に最新アルバム『FIXION』をリリースしたTHE ORAL CIGARETTESが、4日に東京・Zepp DiverCity Tokyoにてワンマンライブ「唇リベンジワンマン~復活・返上・BKW!!の巻~」を行った。
本媒体でも既報の通り、昨年7月14日(=『7・14』)に行われたワンマンライブで苦々しいアクシデントに見舞われた山中拓也は現在、順調に復調。苦々しいアクシデントの中でも大きな経験を得た山中拓也、鈴木重伸、あきらかにあきら、中西雅哉の4人が、この日に向けて気合い十分で臨もうとしていたことは、先のインタビュー等でも報じたとおりだ。
果たしてそのリベンジの末路やいかに。そして2016年を迎えた彼らは、今後どのようなステップを踏むのだろうか。それを探るべく、この日の模様を以下にレポートする。(取材・桂 伸也)
意気込みに震えていた4人
場内は予定の開演時間を10分程過ぎたころに暗転、それに合わせていよいよとばかりに観客は大きな歓声を上げた。対してステージの幕が静かに開く。背景のスクリーンには、あの『7・14』のときに見せた山中拓也の表情が「起死回生ストーリー」のBGMをバックに映し出された。
必死の形相で歌い終えた後に語った「次に来るときは全力で歌いますから、その時まで待っていてください」というメッセージ。そして、しばしの静寂の中、ゆったりとしたマーチングドラムが響き始めた。そのリズムに合わせ、観衆の手拍子が鳴り響く。
怪しいオーケストレーションと、けたたましい英語のアナウンス。そしてブレイクとともに「THE ORAL CIGARETTES!」と、バンド名がコールされると、再び会場は大きな歓声に包まれた。そしてさらに続くオーケストラサウンドの中、ついに4人は現れた。
そして音楽はブレイクし、いよいよ山中拓也による“4本打ち”の御唱和によりステージはスタートした。オープニングナンバーは「GET BACK」。続いた「モンスターエフェクト」「ハロウィンの余韻」「N.I.R.A」と、『7・14』とまったく同じセットでステージは進行した。これはまさしくあの時のリベンジ。
しかし、この時に見せた4人の表情は、遠くからでもはっきりわかるほどの自信と気迫に満ちあふれていた。山中拓也は観衆に語りかけた。「ホンマにここに集まってくれてありがとう!」その言葉に対してフロアからは「おかえり!」と、この日を待ちわびていた気持ちが返された。
はじけるように飛び回るあきらかにあきら、気迫のストロークをギターに叩き付ける鈴木重伸、クールな表情で気迫のリズムを聴かせた中西雅哉、その中心で山中拓也はただ、立ち尽くしてギターをかき鳴らし、自らの歌に集中する。しかし、その目はギラギラと危険性すら感じさせる光を湛えていた。
彼らの姿からは単にリベンジという意気込みだけではなく、あの日--『7・14』を体験したことによって逆に得られた自らの新たな力、そしてそれによって展開されるステージを思う存分楽しんでいる様子すらも見えた。
そして会場をしっかりと盛り上げながらも「踊り狂う人形」「嫌い」「透明な雨宿り」と徐々にバラードに向かいながら、詞をしっかりと聴かせる部分でも、山中拓也の胸の内を強く表すような印象を表現していた。