イベントの武藤彩未の姿

武藤彩未。11月3日に豊洲で行われたイベントの模様(第1部)

武藤彩未。11月3日に豊洲で行われたイベントの模様(第1部)

 インストアイベントなどでの武藤はどのように歌を表現しているのか。11月3日に都内で行われたイベントを覗いた。会場となったのは海に面した、ららぽーと豊洲(東京・豊洲)内の野外ステージ・シーサイドデッキメインステージ。海までの距離はわずか数メートルの場所に位置し、時折、流れる潮風が肌をあらう。1部を終えた2部公演は午後4時、落ち始めた夕陽がステージに差し込んだころに始まった。

 夕陽を背に浴びる武藤は、逆光で眩しそうな表情を見せるファンに「眩しい? 大丈夫?」と気遣った。それから、1曲目の「Seventeen」を披露した。バンドによる生演奏ではなかったものの、生バンド編成と変わらない勢いと力でパフォーマンスを続けた。

 2枚目のアルバム『I-POP』に収録されている「パラレルワールド」では、EDMテイストが強いイントロから4つ打ちのキックドラムがステージに響き渡った。MCでは、ライブアルバム『Re:BIRTH~19th Birthday Live at渋谷公会堂』への思いを以下の通りに語った。

歌い手として

武藤彩未。11月3日に豊洲で行われたイベントの模様(第1部)

武藤彩未。11月3日に豊洲で行われたイベントの模様(第1部)

 「ライブアルバムは珍しいと思った方も沢山いると思います。私が歌い始めてからずっとこだわってきた音というものを形にしたかった、歌い手として自分の声で勝負したかったというのがとても大きいです。武道館でCDを出せるように、いつか皆さんとそこに行けるようにまだまだ頑張ろうと思います」。

 ライブは続いた。定番曲「RUN RUN RUN」や「交信曲第1番変ロ長調」を披露。更に、「未来への想いが沢山詰まった曲です。皆さんの未来と私の未来を想像しながら歌います」と、武藤のフェイバリットである80年代のテイストがふんだんに盛り込まれた楽曲でライブアルバムでもラストを飾った「彩りの夏」だった。

 全5曲という少ないセットリストでもこれぞ武藤彩未という存在感を放ったリリースイベントとなった。終止笑顔で歌う彼女は本当にライブが楽しそうで、観ているこちらも笑顔になってしまうステージ、訪れたファンの満足そうな顔がそれを物語っていたライブであった。

ソロアイドルがなぜライブアルバムを

武藤彩未。11月3日に豊洲で行われたイベントの模様(第2部)

武藤彩未。11月3日に豊洲で行われたイベントの模様(第2部)

 この日の二部公演では、バラード曲よりもアッパーな曲が中心であったが、それでも激しさを伴ったパフォーマンスのなかで、ピッチはぶれることなく、安定した歌唱力をみせつけた。わずか5曲のセットリストでもその能力の高さはうかがえた。それを可能にするのは毎日のジムワークがあるからだ。

 前記の通り、武藤はMCで「ライブアルバムは珍しいと思った方も沢山いると思います」と語っていた。確かに最近はあまりリリースされなくなったコンテンツのひとつともいえる。ライブとなるとDVDやBlu-rayの映像メディアでのリリースが主だ。ライブCDはそのDVDやBlu-rayの付属品的な扱いとされることがしばしばで、単独でのリリースは少なくなってきている。

 70年代や80年代まではライブアルバムは国内外ともに多々リリースされていたが、VHSビデオが登場すると、音源ではなく映像への比重が増していった。当時では、故・本田美奈子さん.(享年38歳)や中森明菜、浅香唯などがライブアルバムをリリースしているものの、その数は決して多くはない。

 とはいえ、数は少ないが今でもライブアルバムはリリースされている。武藤がかつて所属していたさくら学院の一部メンバーで構成される「BABYMETAL」が今年1月に、日本武道館のライブをCD音源としてリリースしたことでも記憶に新しい。

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