シンガーの武藤彩未が9月2日に、配信シングル「マーマレード」をリリースした。2019年12月にduo MUSIC EXCHANGEで行ったライブ『Together for White Eve』で再始動し、2020年3月にミニアルバム『MIRRORS』をリリース。『MIRRORS』のインタビューで「ここからはノンストップでいっぱい新曲を出していきたい」と活動意欲を見せていた武藤彩未が、約半年ぶりにリリースした『マーマレード』は甘酸っぱく、少しほろ苦い恋模様を描いた1曲で今作も作詞を担当した。インタビューでは近況を聞くとともに新曲の制作背景、「マーマレード」の歌詞にちなんで、もし時間を戻せるならどの時代に戻りたいか、さらに今彼女が極めたいことなど話を聞いた。【取材=村上順一】
テーマを決めて違うことにチャレンジできたら
――この半年間は、どのように過ごされてましたか。
ステイホーム期間ではあったんですけど、自分の音楽活動は止まってはいなかったので、新曲の歌詞制作だったり、曲のテーマを考えたりしていました。常に先のことをイメージできていた期間で、空いた時間を使ってゲームをしたりしていました。
――『ポケモンGO』以外ではゲームをするのは珍しいのでは?
そうなんです、普段だったらほとんどやらないんですけど、ステイホーム期間ということもあり、やったことの一つでした。楽しかったですけど、緊急事態宣言が解除されてからは、やっていないんです(笑)。私は家にいるよりもアウトドアの方が好きなので。
――アウトドアといえば、普段から武藤さんめちゃくちゃ走ったり運動しているみたいですね。
はい。『ポケモンGO』にハマっていた時なんかは、1週間にどれだけ歩いたかをゲームが計算してくれるんですけど、130kmとか歩いていたみたいで(笑)。普段もランニングするんですけど、1回のランニングで調子がいい時は10kmぐらい走ります。
――いま極めたいと思っていることはありますか。
最近、料理はできた方がいいなと感じました。できないことはないんですけど、この24年間、サボって生きてきてしまったんです(笑)。それもあってステイホーム期間中は料理をがんばって作っていました。肉じゃがとか、煮物系が美味しく作ることができたらいいなと思っています。煮物は極めておきたい料理の一つです。
――さて、8月15日に行われた配信ライブの手応えはいかがでした。
今回は6月10日に続いて2回目ということもあり、感覚を掴んでいたので、ファンの皆さんから届いたコメントもたくさん読めました。前回よりもリラックスして行うことができたと思います。みんながそばにいてくれているのを感じながら、ライブをすることができました。
――今回はキーボードを使用しての弾き語りでのライブでしたね。
はい。毎回、何かしらのテーマを決めて違うことにチャレンジできたらなと思っていました。1回目のテーマはアコースティックで、パーカッションを入れて披露させていただきました。2回目のライブは弾き語りだったのですが、これまでなかなか弾き語りの機会がなくて、ワンマンライブでキーボードの方と二人で披露させていただいたりとかはあったんですけど、ここで挑戦してみようと思いました。
――10月23日にはShibuya WWWXでお客さんを入れてのライブ『武藤彩未 New Release Live 〜オレンジ色の気持ち〜』が決定しています。
今回、カメラワークでいろんな角度から私を見てもらえることや、コメントで普段届かない声にも応えられるなど、配信ライブの良さも発見できたんですけど、やはりライブはお客さんと一緒に盛り上がるのも楽しいので、今から楽しみです。お客さんがいてこそのライブだなというのを実感します。
――タイトルに「オレンジ色の気持ち」とありますが、この言葉に込めた想いとは?
夕焼けの中、一緒に過ごす幸せな気持ちを歌っているので、ライブでもそんな幸せな温かい空間を作れたらいいなと思っています。
時計の針を戻すとしたら、武藤彩未はどこに戻すのか
――9月2日に新曲「マーマレード」をリリースされましたが、この曲を先行配信されたのは、どのような意図があったのでしょうか。
まず、この期間に制作したものを皆さんにお見せできることができて嬉しいです。以前からライブで盛り上がれる曲が欲しいと思っていたので、バンドサウンドでポップな曲を作ってもらいました。こういう状況だからこそ、ライブで皆さんに元気をあげられればいいなと思ったんです。
――タイトルの「マーマレード」はどのような想いで付けたのでしょうか。
曲の内容が切なくて甘酸っぱいものになっているので、直接的にこの言葉は出てこないんですけど、全体を見たときに「マーマレード」っぽいなと思ったので、このタイトルにしました。甘酸っぱさというものを表現したかったんです。サウンドはポップなんですけど、歌詞は女の子のあの頃に戻りたいな、という思いを描いています。
――今回、歌詞を書くにあたり苦労された部分はありましたか。
前作『MIRRORS』で初めてちゃんと作詞に挑戦して、本当に苦労しました。その経験もあったので、今回はスムーズにできたんじゃないかなと思います。自分自身でも成長を感じることができたので、嬉しかったです。歌詞は数をこなすしかないと周りの方々からアドバイスを受けていて、それを実感することができたので、これからも沢山書いていきたいなと思います。
――「マーマレード」の注目してほしいポイントは?
ポップなサウンドに切ない歌詞というギャップがあるところです。切ない歌詞を明るく聴けるというのは、この曲の良さだと感じています。間奏はクラップ音を入れてもらっているので、そこを皆さんに覚えていただいて一緒にライブで手拍子ができたら嬉しいです。
――レコーディングはいかがでしたか。
難しかったというよりは、楽しかったです。ノリが良い曲だと私も自然と笑顔で歌えていたので。楽曲を作ってくださった御供信弘さんもレコーディングに同席してくださって、ニュアンスなどアドバイスしていただきました。いつも私が歌ったことがない楽曲をくださるので、毎回勉強になります。
――サビの歌詞に<もしも願いが叶うのなら 時計の針戻して>とあるのですが、武藤さんがもし時間を戻せるとしたら、どこに戻しますか。
さくら学院時代は自分の青春ということもあり、本当に楽しかったので、あの頃に戻ってもう一回みんなで集まって歌いたいです。あの時は10人で歌っていて、今は1人で活動しているので、ステージに立つ感覚も違いますし、みんなに囲まれて歌っていた、今とは違う幸せを味わいたいです。
――孤独を感じてしまう部分も?
ソロになってからもバンドメンバーがいるので、孤独ではないですけど、メンバーと一緒に歌うというのはまた感覚が違うんです。今はその期間があったから頑張れるし、私が歌うことが好きだということを気づかせてくれた場所でもあるので、すごく大切な思い出です。
――あと<片耳ずつのイヤホン>というのも青春を感じさせます。
マンガやドラマとかにありそうですよね。ドラマとかの世界観を参考に歌詞を書くことも多いので、こういうシチュエーションの言葉も出てくるんです。片耳ずつのイヤホンで一緒に音楽を聴いている姿が素敵だなと思って。最近私、韓国ドラマにすごくハマってるんです。恋愛のストーリーも多いので、素敵だなと思ったシーンをメモしたりしています。
――武藤さんから観た韓国ドラマの魅力とは?
一つのお話で展開がすごいんです。それを観ているとワクワクドキドキする気持ちにさせてくれるところです。あと、演技力もすごいなと思いました。映像もすごく綺麗ですし、色んなところでレベルの高さを感じました。学べるところが沢山あります。
――最後にこれからどんな姿をファンの皆さんに見せていきたいですか。
これからもいっぱい曲を出していく予定なので、楽しみにしていて欲しいです。こういう時期だからこそ何か楽しみがあれば、みんな頑張れるんじゃないかなと思うので、皆さんにとっての楽しみの一つに私がなれればいいなと思います。引き続き応援宜しくお願いします!
(おわり)