容赦なくキラーナンバーで突っ走った序盤

[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(11)

8月26日、Aldious、渋谷単独公演

 「今日は最高に熱い夜にしていくから、みんなついて来いよ!」。さらに観衆を煽るRe:NO。その叫びに続いて「Misty Moon」へ。容赦のないAldiousの猛攻に、観衆は歓喜の表情を表し、大きな声を上げるばかりだ。Re:NOのパフォーマンスと共に、楽曲、そしてバンド自身のパフォーマンスも、彼女らのステージでは見逃せないポイントだ。超重量級のメタルサウンドの中に、Re:NOのボーカルだけでなく、Yoshiやトキのギタープレーの中に、これでもかといわんばかりに埋め込まれたメロディ。どれも完成度が高く、それぞれのメロディ単体でも歌えるような、キャッチーなメロディラインを感じさせる。そのため、彼女らのプレーはヘヴィなサウンドながら、ポップで耳になじみやすい雰囲気も持ち合わせている。

 さらにプレーヤーと観衆が一体になるフックもふんだんに盛り込まれた楽曲構成と、そのステージング自体がキラーな存在となっているAldious。この日もRe:NOのボーカルはもちろん、Yoshi、トキそれぞれのギターソロ、さらに二人のギターで聴かせるギターハーモニーのメロ、そして、時にはサワのテクニカルなベースソロと、見せ場もたっぷり。抜群のコンビネーションでステージを盛り上げ、7曲目の「Imagination」まで、突っ走るようにハードでヘヴィなプレーを披露した。

 今回、ツアー初登場となったMarinaも、打ち込み続けるヘヴィなツーバスプレーの中でも、小気味よさを感じさせる、彼女らしさをアピールしたプレーを披露。この日はバスドラを3つ並べた変則的なセットでプレー。緊張した様子も見せず、終始笑顔で、テクニカルなプレーを楽しんでいる様子を見せた。

新たな道への探求心が導いた結果

[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(7)

8月26日、Aldious、渋谷単独公演

 中盤は、「Puffy Eyes」より少しカラーの違ったサウンドで変化を見せた。続く「Suicide」と、序盤の激しくワイルドな楽曲と比較すると、うねりを感じさせるような変化球だ。これらの趣向を変えたサウンド、楽曲の中でも、サビには強い印象を与えるメロディをしっかりと盛り込み、Aldiousならではのスタイルをはっきりとしてくる。さらにインストゥルメンタルナンバーを挟んで、「Dominator」、そしてデビューナンバー「Defended Desire」と、再びキラーなナンバーでステージを盛り立てた。

 ステージはいよいよ後半を迎え大詰め。現在、絶賛レコーディング中の彼女達。「最高のアルバムを作ってくるんで、宜しく!」と、Re:NOは叫び、新たなスタートへの第一歩を力強く宣言し、ニューシングル収録の1曲「die for you」へ。メジャーキーでポップな、楽しさを感じさせる楽曲。単にヘヴィメタル発祥からのスタイルを踏襲するだけでは、このサウンドに到達できなかったであろうと思われる楽曲だ。しかし、敢えてこのようなスタイルのサウンドを自身のステージでプレーし、同様に観衆を熱狂させていたこと、そのこと自体に、彼女らのスタイルに対する探求心がうかがえ、かつその結果がこの日のステージでも発揮されたように見えた。

 そして、タイトル通り、フロア全員に拳を上げさせ、気持ちを鼓舞した「Raise your fist」に続き、ラストナンバーの「Luft」へ。彼女らのファーストアルバム『Deep Exceed』のオープニングに収録された、彼女らの代表曲の一つでもあり、Aldiousのステージではアンセムともいえる曲だ。イントロのギターリフとドラムの強烈なキメから、フロアの観衆は大声と振り上げる腕でそのリズムに追従、熱い空気が立ち込めた会場のその光景には、うねりのようなものすら感じられた。そして、終演。ステージをやり終えた満面の笑みと共に、5人はステージを去った。

ファンとの絆を再認識したエンディング

[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(10)

8月26日、Aldious、渋谷単独公演

 「Aldious!」「Aldious!」――。怒号のように、彼女達を呼ぶ声が続いた。そして、再び登場した5人。アンコール1曲目は、バラード「I Don't Like Me」。Re:NOが加入した約1年後、自身が作詞、作曲を手がけ作り上げたナンバーであり、リリース当時は、それまでのAldiousでは聴かれなかった、全く新しい方向性を感じさせたものだが、この日のステージで聴かせたプレーでは、広がるAldiousの世界観の中で、何の違和感もなく、むしろ「Aldiousのステージではこの楽曲がプレーされてしかるべき」というほどにその存在感を確立していた。そんな曲を、観衆はじっと耳を傾け、その世界観に浸っていた。

 「みんな楽しんでくれた?Aldiousはメチャメチャ楽しかったぞ!」――。Re:NOの呼びかけに大きな歓声で応え、楽しんだ様子を示した観衆。そして、この日の御礼と、今後のさらなる進撃を誓ったRe:NOの語りと共に、いよいよクライマックスへ。最新シングルの曲「Dearly」に続き、これもまた代表曲である「Ultimate Melodious」へ。さらに、再びの到来を期待して、観衆は2度にわたるアンコール。もう1度、姿を現した彼女達は、そのファンとの絆を改めて確かめるがごとく「Red Strings」を熱演、この日のステージを締めくくった。

 まさしく言葉通り、彼女達の一挙一動に、観衆は目を離さなかった。ほとんどのキラーナンバーではコール&レスポンスを繰り返し、サビのメロディを観衆が一緒に歌うなど、その反応も印象的。そこまでの反応ができるのは、パフォーマンス力もさることながら、楽曲一つ一つが、強く聴くものの気持ちを引く魅力があふれており、かつこの5人によるAldiousらしさに目一杯こだわった面を表しているからこそと考えられる。

 Re:NO、そしてMarinaと、新たに加入したメンバーも、新たなAldiousの血となり、バンドは新たな体制を確立した。アーティストとしての円熟味を感じさせながら、積極的に新たな道を探求、その意識は既にガールズバンド、ヘヴィメタルバンドという枠すら超越しているように見える。今後はヘヴィメタルという基本を持ちながらも、どんな新しいカラーを見せてくるのか。その動きには引き続き注視していきたいところだ。

セットリスト

01. Believe Myself
02. Misty Moon
03. Re:peated
04. シャンデリア
05. 夜桜
06. Ground Angel
07. Imagination
08. Puffy Eyes
09. Suicide
10. (Instrumental)
11. Dominator
12. Defended
13, die for you
14. Raise your fist
15. Luft

encole
E01. I Don't Like Me
E02. Dearly
E03. Ultimate Melodious

2nd encole
E04. Red Strings

ライブ情報

“闘魂地獄祭り〜第3獄〜”
【公演日】2015年9月8日(火)
【会場】 高田馬場club PHASE http://www.club-phase.com/
【開場】 18時00分
【開演】 18時30分
【出演】 地獄カルテット / Aldious / GYZE
【料金】 前売4,000円 / 当日4,500円(別途ドリンク代あり)

“HAMMER BALL 2015”
【日程】2015年9月12日(土)
【会場】Zepp Sapporo
【開場】15:30
【開演】16:00
【料金】前売:7,500円(1ドリンク別)/当日:8,000円(1ドリンク別)
【出演】
・HAMMER BALL DREAM TEAM
(山本恭司/石原”SHARA”慎一郎/吉川”BAN”裕規/本間大嗣/GUEST)
・SEX MACHINEGUNS
・TYO
・Aldious
・Mardelas

この記事の写真
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(1)
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(2)
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(3)
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(4)
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(5)
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(6)
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(7)
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(8)
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(9)[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(9)
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(10)
[写真]ギャルバンAldiousが放つヘヴィメタ(11)

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)