錦戸亮が23日と24日、ファンクラブ限定ツアー「RYO NISHIKIDO FAN CLUB TOUR 2023 “Untitled”」を開催。KT Zepp Yokohamaでスタートを切った。 ツアーは、25日ライブ映像作品がリリースされた「LIVE TOUR 2022 “Nocturnal”」以来約1年ぶり、そしてファンクラブ限定ツアーとしては、 2021年の3月以来、2年半ぶりとなる。

 重低音が響き渡るバンドセッションが繰り広げられ、錦戸亮が登場してグループ時代の楽曲「Your WURLITZER」を歌うと、大きな歓声が巻き起こる。黒のサポーターで左腕を固定した姿で3曲歌ったあと、「鎖骨のほうを骨折してしまって。なんでとか、そんなんもう、ええやん。今日はギターの変わりに、左手を吊りながら歌います」と、苦笑いをしながら、事情を説明した。

 「 久しぶりにみなさんに手助けしてもらいたい曲なので、ぜひ、お願いします」と、ライブ定番曲の「Tokyoholic」へ。心配そうな観客の空気を感じ取ったのか、右手を上げて笑顔でアピール。せっかく楽しみにしてたのに、腕吊っとるやないか!」と、間奏でセルフつっこみを挟みつつ 、歌い終えたあとはオールスタンディングで混み合う前方エリアに向かって「全員、半歩下がりましょうか。怪我しないでね、ホントに。みんな、鎖骨気をつけて」と、ユーモラスな気づかいを見せた。

 前半は「バナナジュース」など独立前の懐かしい曲を立て続けに歌い、「昔の曲を 歌ったのですが、僕は僕。僕の過去も僕やし、これからも自分が良いと思うもの、正しいと思うものをやっていきたいので、その意思表示と言いますか」と、選曲の意図を伝えてくれた。

 ファンクラブ限定ということで、普段は苦手な素振りを見せながらのMC時間も、積極的に観客に 語りかける姿が印象的であった。ライブハウスであり、また、声出しが解禁されてから初のライブということで、熟成された曲と新曲とを迫力 あるバンドサウンドで展開した錦戸亮。ライブを行うときは必ず、新しいアレンジ、新しい曲を用意し、充実した時間を提供してくれる。

 この夜のライブは、近い距離での交流も含めて、やっと本来の、彼が求めていたライブが実現した瞬間でもあった。「包み隠さず言いますと、本当はここではけて、着替えて、戻ってきて歌う予定でした。でも(左手を固定しているから)着替えられない。だから、このままアンコールを」と最後のMCで告白すると、察したオーディエンスが即座に「アンコール! アンコール!」と一斉に叫ぶ流れに。「なんや、この茶番は(笑) 」と言いながらも、「本当に、今日は来てくれてありがとう。そして、アンコールもありがとう(笑)」と、「オモイデドロボー」を楽しそうに歌い、幸福感あふれる空間に仕上げて終演となった。

 現在、4枚目のアルバムを制作中であること、また来年2月からのホールツアー開催を発表し、笑顔でステージをあとにした。今ツアーは神奈川、愛知、東京、大阪、福岡、北海道とまわり、11月16日にZepp Hanedaで最終日を迎える。

この記事の写真

記事タグ 


コメントを書く(ユーザー登録不要)