INTERVIEW

景井ひな

「努力=続ける」、TikTok国内女性No.1 どんな状況でも投稿し続けた 芝居からも「学び」


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:23年10月07日

読了時間:約6分

 TikTok 女性日本一のフォロワー数を誇る景井ひなが、土曜ドラマ『商店街のピアニスト 永遠(とわ)の調べ』(BS松竹東急 10月7日午後11時から放送スタート)に出演。パティシエ見習いの片岡美歩を演じる。熊本県出身の景井ひなは、2019年にTikTokを開始。わずか9カ月で100万人フォロワーを超え話題に。その後もSNS活動を行いながら、女優としての活動もスタートし、昨年は映画『TANG タング』にも出演した。本作は昨年放送された『商店街のピアニスト』の続編で、愛する妻に先立たれたフレンチレストランのシェフ水崎恵太(演・田口浩正)が、妻の花織(演・藤田朋子)が弾いていた想い出のピアノをストリートピアノとして生まれ変わらせることで、そのピアノを通じて人々の人生に寄り添う人生模様と、心の交流を描いたヒューマンドラマとなっている。インタビューでは、本作の鍵となる片岡美歩をどのように演じようと考えたのか、今後挑戦してみたい役や活動していくにあたりどのような考えを持っているのか、話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

美歩の気持ちが全くわからなかった

村上順一

景井ひな

――出演が決まった時の心境はいかがですか。

 いろいろな作品に出演させていただいたのですが、この『商店街のピアニスト 永遠の調べ』でセリフが多い役をいただいて、元気で常に喋っているような役だから、「うわ! こんなにセリフに追われる日が来るなんて」と嬉しい悲鳴をあげてました。しかも、私が演じる片岡美歩にスポットがあたる回もあるので、プレッシャーを感じていました。

――過去に他の人のセリフまで覚えようとしていた時期もあったと聞いたことがありますが、セリフとの向き合い方も変わってきましたか。

 はい。セリフの覚え方もいろいろな方に教えていただいて、その中で自分はこの覚え方が1番合うかも! と思ったやり方で覚えています。

――それはどのようなやり方ですか。

 自分の役と他の登場人物のセリフも全部読んでいくのですが、自分のセリフのところは自分の間合い、間隔を開けてまた他の人物のセリフを言っていくというやり方なんです。そうすると、自然と自分の役以外のセリフも頭に入ってくる感じがしたので、いまは無理して覚える感じではなくなりました。

――コツを掴んだわけですね。さて、作品によって演じる人物像は毎回変わるわけで、自分に落とし込むためにやられてることは?

 今回は特になのですが、美歩は思ったことをすぐ口に出してしまう女の子で、私とは正反対のタイプなんです。私は一旦頭の中で発言していいか考えてから話すことが多いので、 純粋な気持ち100パーセントでポンと言ってしまう美歩の気持ちが全くわからなかったんです。どうしたらそういう風になるんだろうと考え始めたら、もしかしたらこういう生い立ちがあったのでは? とイメージするようになって。今までの私はその役を表面上でしか見ていなかった部分も、今回の撮影をきっかけにバックボーンみたいなものを自分の中で作ると、すごく演じやすいことに気づきました。

――ちなみに、どんな生い立ちを想像していましたか。

 美歩は思ったことをすぐ口に出してしまうことを自覚しています。それで自己嫌悪になっているということは、これまで何度も相手から変な反応をされてきたことがあり、人のちょっとした感情のブレみたいなものに敏感な子なんだと思いました。物語が進んでいく中で、美歩が何気なく放った一言が、困っている人の背中を押すきっかけになる瞬間もあります。思ったことをすぐ口に出してしまう性格はすごく嫌だけど、 実はそれがきっかけで視野が広くなり、空気感をすぐに感じられる子だと想像しました。

――今回、監督からアドバイスやリクエストというのはありましたか。

 しばさき(ひろき)監督とは以前、2回ほどご一緒したことがありました。しばさき監督は、「今回、景井さんの違う一面を引き出そうと思っている」、プロデューサーさんとの顔合わせの時にも、 「美歩ちゃん、すごく大事な役だから期待しています」と言っていただけたのですが、自分の中でその言葉の意味ってどういうことなんだろうと考えて、監督の言葉が先ほどお話しした、美歩の生い立ちをイメージすることに繋がっていきました。台本を読んで普通だったらこの言葉は絶対嫌味に聞こえるし、すごく感じが悪く聞こえるけど、美歩は純粋な気持ち100パーセントで言っているんだと思いました。セリフを言うにあたって、0.1パーセントでも嫌な気持ち、変な気持ちを混ぜてしまうと、視聴者の方に「この子ちょっと感じ悪いよね?」と誤解されてしまう役でもあるので、そこは監督と一緒に話し合って、試行錯誤しながら美歩という人物像を作りあげていきました。

人として成長していることを実感

村上順一

景井ひな

――試行錯誤があったんですね。いまお芝居のどんなところにやりがい、手応えを感じていますか。

 私はやりがいというよりかは、すごくお芝居が好きなので、好きでやっているという気持ちの方が大きいです。役を通していろいろな人物になれるというのもありますし、 自分が人として成長していることを実感できてすごく楽しいです。もっともっとお芝居を通して学びたいと思っています。

――好きという気持ちはすごく重要ですよね。景井さんは何事も楽しんでいるイメージがありますが、努力するということに関してはどんなイメージがありますか。

 私は「努力=続ける」ことだと思っています。ダイエットとかもそうですけど、継続することが1番難しいと思うんです。それこそTikTokはお仕事の都合で毎日投稿は難しい事が多くなってしまったのですが、はじめてから3年半ぐらいは毎日投稿を続けていました。

――継続していくコツはみたいなものはありますか。

 私はアラームをかけてました。 当時は動画を毎日19時に投稿すると決めていたので、18時58分にアラームをかけて、毎日投稿を維持していたんです。それこそ地下鉄など電波が弱い場所にいたら、一旦地上まで出て動画を投稿して、また戻ってみたいなことを続けていました。

――徹底されていたんですね。ある程度ルールを決めた方が景井さんの場合は良かったと。

 そうです。自分は「やるぞ!」って自ら奮い立たせないとなかなかやれないタイプなので、アラームを使って習慣化させようと思いました。

――役者も継続されていくと思いますが、この先どんな役をやってみたいですか。

 私、今まで割と癖の強い役をいただくことが多かった気がします。しばさき監督とご一緒した1つ目の作品ではコミュ症のちょっと暗いイラストレーター役。もう1つは爆弾を持って結婚式に乗り込む元カノ役で(笑)。

――たしかに癖が強いですね。

 そうなんです。今回の美歩は、最初ちょっといい子なのかな? と思ったのですが、台本を読み進めていくと、けっこう毒を吐くなみたいな(笑)。そういった癖の強い役が多かったので、いつか自分に近い、自然体でできるような役に挑戦してみたいです。また、アクションとかも今後やりたいなと思っていて、幅広くやっていけたらいいなと思っています。

――景井さんのアクション見てみたいです! 最後に本作の見どころは?

 私が出ているシーンでは、久保田磨希さん 演じる加藤さんが前作から引き続き登場します。その加藤さんと美歩の絡みはすごく面白いものになっています。『商店街のピアニスト』は心が温まる、涙がこぼれてしまうようなストーリーなのですが、その中で久保田さんとのシーンはちょっとパンチが効いた、くすっと笑ってもらえるようなものになっているので、ぜひ観ていただきたいです。

 そして、作品全体的には田口浩正さん演じる水崎(恵太)シェフが、ストーリーが進むにつれどういう判断をしていくのか、井上想良さん演じる謎のピアニスト・今西浩平くんがどういう人物なのか、見習いパティシエの美歩がパティシエとしてどんな成長をしていくのかにも注目してもらえたら嬉しいです。

(おわり)

番組情報

【番組名】土曜ドラマ「商店街のピアニスト 永遠(とわ)の調べ」
【放送日時】2023年10月7日(土)夜11時 放送スタート(全12話/各話30分)
【放送局】BS松竹東急(BS260ch・全国無料放送)
【出演】田口浩正、藤田朋子、井上想良、景井ひな ほか
【脚本】渡辺典子
【監督】しばざきひろき 八木茂高
【プロデューサー】佐々木淳一(BS松竹東急)川島永次(ホリプロ)小池裕二(ホリプロ)
【製作】BS松竹東急 ホリプロ
【ドラマ公式サイト】https://www.shochiku-tokyu.co.jp/syotengainopianist2/

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