左から、いまもりまなか、ちばひなの、ともだりのあ、ゆりやんレトリィバァ

 マルチクリエイター・広井王子氏が総合演出を務め、吉本興業の「少女歌劇団プロジェクト」から生まれた少女歌劇団ミモザーヌが、8月5日より、東京・草月ホールで『~魅惑のバラエティショウ~ Summer Collection 2023』をスタート。初日公演前にゲネプロが行われ、最上級のパフォーマンスを披露した。

白天使と黒天使が少女のもとに…

 ミモザーヌは11歳~19歳の少女たちで構成され、今年4月に3人の第5期生が入団。現在は22人で活動しています。2020年11月に本格始動して以来、2021年から毎年、東京と大阪で夏・冬の年2回、レビューショウをはじめとする定期公演を行っている。

 本公演より、客席の声出しが解禁に。オープニングは、メンバーのすずき みあい ムェンドワの「この3年間のモヤモヤを吹き飛ばすぞー!」との掛け声と共に、アメリカで生まれた名曲『Proud Mary』で幕開け! 思わず、客席から見守っていた観客からもレスポンスが飛ぶ。

 一幕は、“良い子”でいることを演じている1人の少女が主人公の物語。密かに“悪い子”に憧れを抱いていると、白天使と黒天使が現れます。2人の両極端な言葉に惑わされながらも、自ら答えを見つけ、大人へと成長していくストーリー。

ゲネプロの様子

 物語中、随所に披露されるパフォーマンスは圧巻。一糸乱れぬダンスのキレ、驚きのアクロバット、圧倒的な歌唱力など、レベルの高い表現力で会場を魅了。彼女たちは公演を経るたびに進化を続けており、今回もそれを感じられるはず。高クオリティの演出も相まって、最高峰のエンターテインメントステージを魅せてくれた。

 『ミュージックバラエティショー』と題した二幕は、ユニットを組んでのダンスや歌はもちろん、『世界でいちばん熱い夏』や『真赤な太陽』など、聴きなじみのある昭和歌謡、ジャズ、オリジナル曲が披露される。

 衣装が浴衣、制服、ドレスなど、バラエティに富んでいるだけでなく、中MCでは彼女たちのキュートなやりとりを見られるため、目でも耳でも楽しめるステージに。また、コール&レスポンスができるとあって、出演者や客席関係なく、会場が一体となって盛り上がれる公演だった。

広井「もう一度、甦らせていただきたい」

広井王子

 ゲネプロ終了後、会見には、広井王子、メンバーのいまもりまなか、ともだりのあ、ちばひなの、そして彼女たちのパフォーマンスを客席で見守ったゆりやんレトリィバァが出席した。

 広井は、本公演に込めた想いについてこう語る。

「今回のような小さな『レビューショウ』(歌やダンスなど劇場型のエンターテインメント)の書き手がいなくなっているので、それを復活させたいと想って書いています。やっと去年あたりから新しい形ができてきて、今回は『天使』という枠組みを作って、“人間に問いかける”箱を作りました。今は被告になって、お客さんに審判を仰ぐ気持ちなので、プレイヤーみたいに解放されてはいないです。めちゃくちゃドキドキしているんです(笑)」

 和やかな雰囲気の中、「私は『過激少女団ユリザーヌ』です」と挨拶して笑いを誘ったのはゆりやん。初めて彼女たちの公演を客席で観劇したそうで「『歌って踊れる』というレベルじゃなくて、(ダンスや歌の)パフォーマンス、お芝居、日本舞踊とか、いろんなジャンルのエンターテインメントをされていて、とても勉強になりました。私も単独ライブで、“こんなんやりたいな”と、勝手に想像を膨らませていましたね。(隣にいるメンバーを見つつ)ステージもすごいですけど、やっぱり実際にお会いしたら、すごい煌めきですね」と絶賛した。

左からいまもりまなか、ちばひなの、ともだりのあ、ゆりやんレトリィバァ

 一方、メンバーもゲネプロを終えて、ますますやる気に!

 「今回、(一幕は)黒天使役として出させてもらっているんですけど、演技をする中でも、“素敵な物語だな”と感動しながらやらせてもらっていました。これからも、(物語を)大切にして、頑張っていきたいと思っています」(ともだりのあ)

 「個人的にグラビアのお仕事をやらせていただいて、今年に入ってから自分の見せ方を研究する時間をたくさん取ってきたので、この夏公演でそれを発揮できたらなと思います。そして、本番の回数を重ねるたびに、さらに成長していけたらなと思っています」(ちばひなの)

 「初めてのお芝居挑戦で難しいことばかりだったんですけど、広井さんをはじめ、みなさんがアドバイスをくださったおかげで、自分らしい(主人公の)少女を作り上げることができました。ゲネプロで自分を解放することができたので、ステージに立つ楽しさ、物語の少女が訴えかけることを、1人でも多くのお客様に届けていきたいです」(いまもりまなか)

 また、今回の声出し解禁についての胸中を問われる場面も。メンバー3人が、「お客様と一緒に作り上げていく公演にしたい」と口をそろえると、広井は「(声出しがないと)やっぱりショーが死んじゃう。ぜひお客様にもう一度、甦えらせていただきたいなと思います」と切に願う。また、本公演の最後に披露される広井作詞の楽曲『HAPPY SONG』は、彼女たちとコロナを乗り越えたときの気持ちを込めた、と明らかにした。

 最後に、ミモザーヌのトリコになったゆりやんは「“ほかの少女たちとは違う”というところを皆さんへ知らせていきたいです!」と意気込み。彼女お得意の「〇×」の音が出る小道具を使って笑いを誘った。

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