- 1
- 2
愛知県出身の秋本帆華、大黒柚姫、坂本遥奈、咲良菜緒による4人組ガールズグループのTEAM SHACHIが、6月28日にプライベートレーベル2作目となるEP『AWAiTiNG BEAR』をリリース。全曲 松隈ケンタ氏サウンドプロデュースで、とあるお弁当へのメンバーの愛が詰まった「あなたのトリコ〜究極の愛〜」など、新境地を見せる4曲を収録。プライベートレーベル「ワクワクレコーズ」を2022年夏に設立し、さらに活動の幅を広げている。11年前にチームしゃちほことして活動をスタートさせたはじまりの地である愛知・名古屋城 二の丸広場で、2023年7月22日に『シャチサマ2023』を開催することも決定しているTEAM SHACHIに、松隈氏とのレコーディングエピソードなど、EP『AWAiTiNG BEAR』の全貌に迫った。
「存在してくれてありがとう!」の気持ちを込めて歌った
――新しいEPがリリースされます。アイデア出しから参加されたとお聞きしているのですが、松隈さんとのミーティングはどんな雰囲気でしたか。
坂本遥奈 プロデュースしていただくというのは、スタッフさんからの提案でした。楽曲を決めるリモート会議にメンバーも参加させてもらって、こういう曲が欲しいとかお話しました。
咲良菜緒 今回初めて松隈さんに楽曲作っていただくので、「TEAM SHACHIってこういうグループです」というのと、「いま私たちこんなこと思ってます 」というのを会話をしながらできた4曲なんです。
秋本帆華 「普段はどんな曲聴いてるの?」とか、そういう感じでリモート会議は終始わちゃわちゃしてました。松隈さんは「こんなに色々言ってくるんだ」って私たちにびっくりしてました(笑)。
坂本遥奈 私たちはリクエストもたくさんさせていただいたので、松隈さんは「こんなにリクエストをもらったの初めて」と仰っていて。
――1曲目の「あなたのトリコ〜究極の愛〜」は、すでにリリイベで披露されている曲ですね。MVを見たファンの方が、この楽曲のメッセージの謎が解けたみたいなことをコメントしてましたね。
坂本遥奈 曲のメッセージにある大好きなお弁当への愛ということは、あえて伝えずにリリイベで披露していました。初披露したその夜に MV が公開されることが決まっていたので、MVを答え合わせにできたらいいなと思っていました。
咲良菜緒 好きな音楽や食べ物など好みが全く違うので、メンバーの中で全員が共通で沸くものがなかなかないんです。でも、このお弁当に関してはみんなが同じレベルで大好きなものなので、「このお弁当についての曲がほしい」というところから生まれました。このお弁当が本当に私たちのライブのモチベーションにもなっているので、この愛を曲にできたら面白そうだよね、とお願いしてできた曲なんです。
大黒柚姫 このお弁当についてのラブレターも一人ずつ書いて、松隈さんにお送りさせていただいて、私はこのお弁当のこんなところが好きなんだというのが、歌詞に反映されています。
坂本遥奈 メンバーの想いが歌詞になっているのですが、実はマネージャーさんもこのお弁当への愛が強かったみたいで、最初は<唐揚げカリカリ>みたいな感じの歌詞だったんですけど、「ここの唐揚げはカリカリじゃなくてシミシミジューシーなんだ!」とか言ってきて(笑)。
――<ジューシーなブルースに身を委ねて>のところがそれですね! レコーディングはいかがでした?
秋本帆華 私はこんなにずっと笑顔でレコーディングしたことなかったくらい、楽しかったです。
大黒柚姫 松隈さんもレコーディングの時、「自由にやっていいよ」と仰ってくださったので、声色も恋してる感じが出ていてすごく可愛いです。
咲良菜緒 見返りを求めない、一方的ですけどまっすぐな、好きという「存在してくれてありがとう!」の気持ちを込めて歌いました。
坂本遥奈 改名してからここまではっちゃけて、遊べて楽しくて可愛い曲は初めてです。
大黒柚姫 ぜひライブに観に来てほしい曲になりました。
――MVは秋本さんの演技も印象的でした。
咲良菜緒 女優・秋本帆華が出たよね。
秋本帆華 (笑)。お弁当を食べるシーンはほぼワンカットで1回しか撮っていないのですが、いい表情がたくさん撮れていて、それぐらいこのお弁当へのみんなの愛が強いんだなと撮影していて思いました。
――ちなみにこのお弁当との、最初の出会いは覚えてます?
咲良菜緒 認知したのはフジテレビさんのTV収録の時だったと思います。
坂本遥奈 お弁当が色とりどり並べられていて。
大黒柚姫 そこで各々が出会い、確かめ合ったら、みんな同じ紫色のお弁当が好きだったことがわかったんです。
いつものTEAM SHACHIとは違った強さがある曲になった
――2曲目の「君にぴったりな歌」は松隈さんらしさが溢れた曲だと思いました。
坂本遥奈 「あなたのトリコ〜究極の愛〜」と「アサガオ」はこういう曲がほしいというのを細かくお伝えして作っていただいたもので、「君にぴったり」と「勲章」は私たちの状況やグループの背景、これからの夢をお話した上で松隈さんが組み取ってくださりできた曲なんです。
――歌詞を読んでいて思ったのですが、今のファンの人へはもちろん、もしかしたら昔のファンの人たちにも呼びかけているような部分もあるのかなと思いました。
咲良菜緒 <さよならは何回かな?>のところは、確かにそう感じさせるかもしれないです。
――活動を長く続けてると新しく入ってくる人もいますけど、去っていく人も少なからず出てしまう。だからそういう側面もこの曲にはあるのかなと思いました。
秋本帆華 <あの時君と見た未来は まだ待っているのかな?>という歌い出しとか、本当にそんな感じだよね。
大黒柚姫 歌詞一つひとつのパワーが本当に強くて、頭に残りますし、この曲を聴いて戻ってきてほしいです。私たちは両手を広げて待ってるので。
坂本遥奈 またいつものTEAM SHACHIとは違った強さがある曲になりました。 1文字1文字を歌っていくたびに心に刻まれていく感じがあり、本当に松隈さんってすごいなと改めて感じさせる1曲です。
秋本帆華 ザ・松隈さんという感じの曲で、遥奈はずっと前から松隈さんが作る曲を聴いてるから、嬉しかったんじゃない?
坂本遥奈 すごく嬉しかった! 私、BiSHさんがすごく好きで、松隈さんの作る曲が全部大好きなんです。今回曲を作っていただけると聞いた時もすごく嬉しかったです。曲をいただいて仮歌の入ったデモを聴いている時も「あー、やっぱり好きだな」と、1人で浸ってましたし、自分たちが歌うとこうなるんだという発見もありました。
大黒柚姫 あと、注目ポイントがこの曲の振り付けを担当してくださったのが、私達チームしゃちほこの時にずっと振り付けを考えてくださっていたREI先生なんです。すごく久しぶりで、そういう再会もあり、エモさがさらに増した曲になっていると思います。ここからより大切になっていく曲なんだろうなと感じています。
――そして、3曲目の「アサガオ」はタイトルもほっこりしていていいなと思いました。
秋本帆華 この曲はスタッフさんたちもレコーディング直前までタイトルを悩んでいました。
坂本遥奈 ずっと「影法師」と言っていたので、私たちの中で「アサガオ」が定着してなくて(笑)。この記事が出る頃には定着していたいです。
咲良菜緒 一回も曲中でアサガオというワードがでてこないんです。<白やピンク ムラサキ どれか咲いたはずだったよね>この辺の歌詞で、アサガオのことかなとわかる。
――<同じ花 育てたね>もアサガオに繋がるヒントですよね(笑)。
秋本帆華 アサガオって嬉しいイメージしかなくない?
大黒柚姫 うんうん。学生時代の楽しみの1つで、登校したら教室行く前に自分のアサガオがどうなってるのか確認しに行ったり。みんな共通の青春の思い出みたいな。
坂本遥奈 ツルが伸びてる子のアサガオがすごく羨ましかった。
一同 わかるー!
――ところで、この曲のメッセージはどう捉えていますか。
大黒柚姫 昔を思い出す時というのは、きれいな思い出を振り返ることが多いと思います。この「アサガオ」はキレイな思い出はもちろんなのですが、切なさも相まっているところが、この曲の素敵なところだなと私は感じていて、思い出にただ浸るだけではなく、悲しい感じ、儚さもあるというのが、すごく魅力的な曲だと思います。
「勲章」はさらにパワーアップさせていきたい曲
――EPのラストを飾るのは「勲章」ですが、この曲もグッと来ますね!
咲良菜緒 そもそも松隈さん自体がエモいんです。
大黒柚姫 レコーディングは松隈さんがディレクションしてくださって、リクエストとしてあるのが、もっとエモくというのをよく仰っていました。曲自体もエモーショナルなんですけど、その意識で歌っているからこそ、より強く出るのもあるのかもしれないです。
――そのエモさを追求したレコーディングで印象的だったことは?
秋本帆華 とても熱くディレクションしていただきました。今までのレコーディングだったらキレイに歌う、滑舌を良くするとかそういうところを意識することが多かったんですけど、もっといい意味で雑でいい、語尾を投げて、とか普段ないようなリクエストがありました。レコーディングをする時って、歌っている回数が少ないので、まだ口がメロディーに馴染んでない感じもありますが、それを感じさせないようにライブを意識したレコーディングでした。レコーディングブースの照明を消して「ここは武道館です。今から落ちサビいきます」とか、色々想像しながら歌いました。
――シチュエーションみたいなものもイメージしながらのレコーディングだったんですね。
秋本帆華 照明を消してレコーディングしたのは初めてのことでした。真っ暗で歌詞も見えないので、全部歌詞をしっかり覚えて臨みました。それもあってライブ感というのも出たと思います。
咲良菜緒 ディレクションが松隈さんではない時は、それぞれのいいところを伸ばそうという方針が多いので、力強い系のディレクションがほーちゃん(秋本帆華)には新鮮だったと思います。「勲章」は、粘り強さみたいなのが出てるなと思います。TEAM SHACHIの負けず嫌いなところ、泥臭さがこの曲には出ていて、それが私たちの歴史とリンクするなと思いました。
坂本遥奈 ライブで歌っている時のような、熱量中心のエモさを出すために、母音よりも子音を強くとか息継ぎの部分を多めにとか、そういう歌い方になっています。粘り強さみたいなものもあるけど、泥臭さが出るように自分に余裕を持って歌わず、常に崖っぷちにいるみたいな感じで歌いました。そうすることで、より自分自身の頑固な部分が出るみたいで、松隈さんはそれがいいと仰っていました。松隈さんの提示する歌い方をそのままやるのではなく、そこから残る本人の個性を出したいというのを聞いてすごく納得しました。それはレコーディングが終わった後に聞いたんですけど、きっとBiSHさんもこういう感じでレコーディングしていたんだなと熱くなりました。
――答え合わせができたみたいな。
坂本遥奈 レコーディングの場所も、映像とかで見ていた場所だったので、もうただのファンになってました(笑)。
――大黒さんはどんなレコーディングでした?
大黒柚姫 私はレコーディングを1番最初にさせていただくことが多かったので、ドキドキ感や緊張感がすごくあったんですけど、松隈さんがそれだけ熱量を持って挑んでくださるからこそ、私たちも必死にしがみつく精神が出たんだと思います。レコーディング中も「もう1回やらせてください」とか「もっとやりたいです 」という発言も今まで以上にあって、それは真剣に向き合っているからこそ、意欲がいつも以上に出ていたと感じています。
――感化されたところがあったんですね。
大黒柚姫 松隈さんと私たちとスタッフさんの熱意、今できる全力を尽くした1曲になったと思います。メンバーそれぞれが格好いいですし、2人で歌うパートもあって、仲間なんだけど、ぶつかり合ってる感じも表れている曲なので、この熱量を忘れず、さらにパワーアップさせていきたい曲です。
――最後に『シャチサマ2023』への意気込みをお願いします!
秋本帆華 今回の曲を『シャチサマ2023』で披露できることがとても楽しみですし、『シャチサマ』の思い出の中で、この曲たちが光っていたら嬉しいです。あとは久しぶりの名古屋での『シャチサマ』、野外での名古屋公演は8年ぶりになります。名古屋城は前身グループのチームしゃちほこが生まれた場所、路上デビューした場所なので、スペシャルなライブになると思います。TEAM SHACHIをずっと応援してくださる方はもちろん、ちょっとでも気になってる方はぜひ観に来ていただけたらと思います。絶対楽しいライブにします!!
(おわり)
- 1
- 2