INTERVIEW

STU48

「期待を超えられるように」石田千穂×高雄さやか×中村舞が語る「息をする心」「笑顔のチャンス」への思い


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:23年03月17日

読了時間:約10分

 昨年「花は誰のもの?」のロングヒットで大躍進を遂げたSTU48。目標だったNHK紅白歌合戦の初出場は叶わなかったが、テレビの音楽特番に立て続けに出演しその存在感を示した。アイドルとして死活問題だったコロナ禍における対面イベントの制限が緩和され、年初に掲げたスローガン「Team. STU48」という旗印のもといよいよ反転攻勢の狼煙を上げる。そんな今年一発目にリリースしたのが「息をする心」。センターは単独では2度目となる石田千穂。カップリングには、STU48 瀬戸内PR部隊 Season2のオリジナル曲「笑顔のチャンス」が収録される。今作にかける思いを石田千穂、そして、高雄さやか、中村舞に聞いた。動画ではスローガンにかけてそれぞれが掲げる「超えてゆけ!」を語ってもらった。【取材・撮影=木村武雄】

TDCホールの景色

――TOKYO DOME CITY HALLで行われた「STU48 瀬戸内PR部隊 Season2」の全国ツアーを振り返っていかがでしたか?

石田千穂 7人でTDCのステージに立てるのが嬉しくて。TDCは48グループではたくさん立たせて頂いていたんですけど、STU48としては3年ぶりくらい。思い出深い大好きな会場に戻ってこれたのはファン方の投票のおかげですし、ツアーファイナルと大感謝祭でいろんな私達をたくさん見て頂けてすごく充実した一日でした。

――石田さんはソロコンもやった場所ですからね。中村さんは?

中村舞 その前日の1月21日はドラフト会議が開催された日でした。ちょうど5年前に同じ場所でSTU48に配属するのが決まって。まさかこのステージに立てるとは思ってなかったので何があるか分からないですね。「STU48の中村舞」として立てたのは嬉しかったですし、あんなにも大きな場所でみんなが会いに来てくださったのがツアーの集大成といいますか、すごくやり切った感がありました。

――高雄さんはどうですか。

高雄さやか 嬉しい反面、不安もありました。でも本番でステージに立ったら4階席までびっしりとファンの方がいらっしゃったので嬉しかったですし、ペンライトの色もきれいで、感動しました。

――お腹は鳴らなかったんですね。(このコンサートでお腹がなると暴露されていた)

高雄さやか 気合いを入れるときにちょっと鳴りました(笑)

石田千穂 私、今日どっかで聞いたよ。あっ鳴ってるって(笑)

高雄さやか 人知れず時々、鳴っているんですよ(笑)

――去年末の歌番組出演の後にLINE LIVEをされていましたが、毎回必ずお弁当の話が出ていて。

一同 確かに~!!

石田千穂 お弁当大好きー!!

――お弁当はモチベーションみたいな感じ?

石田千穂 大事ですよ。今日も予想しながらお昼ごはん食べました。

高雄さやか さっきも夜ごはんのメニューをみんなで決めました。

自身と重ねた「笑顔のチャンス」

――そういう所も含めて、番組配信やライブを通して多面性が見れていいなと思いました。PR部隊としてツアーを回って、そして今回オリジナル曲「笑顔のチャンス」ができて。PR部隊を通して感じた事、そして曲の印象を聞かせてください。

高雄さやか STU48に何かを残したいと思っていても貢献できているか分からないと思う時期がありました。ファンの方の投票でPR部隊になれてから、外に向けて発信することで私を通じてファンになってくれたり、瀬戸内に遊びに来てくれたりする方がどんどん増えていって、STU48に貢献できているかなと感じることができましたし、いろんなアイドルが出演されるライブに出ることによって刺激をもらったりこの世界の厳しさを知ることができたので、成長できたと思います。

――前は自信がないと言っていましたからね。

高雄さやか まだ根っこの部分には不安も残ってはいるんですけど、だいぶ変わることができていると思います。

――中村さんはいかがですか。

中村舞 とにかく楽しい思い出ができたなって思います。全国ツアーもそうですし、フェスとかサンリオライブとかライブをたくさんさせていただいて、そのたびにファンのみなさんが会いに来てくださって、楽しいが充実していたなって思います。

――昨年は「花は誰のもの?」でトライアングルセンターを経験してそれまでと比べても輝いている印象がありますが実感は?

中村舞 「花は誰のもの?」でいろんな経験をさせていただいて、いろんな景色を見ることができて、前までは「自分なんて」と言っちゃう人だったけど、気持ちの面では変われたかなと思います。気持ちは少し強くなったような気がします。

――石田さんはいかがですか。

石田千穂 PR部隊がなかったら集まらなかった7人が揃って、変人の集まりというか個性豊かすぎて(笑)今まで(吉崎)凜子ちゃんとか尾崎世里花ちゃんとかとはユニットも一緒にならなかったし、期も別だったから接点もあまりなかったので、最初はこれからどうなっていくんだろうと思っていたんですけど、TDCでそれぞれ個性が輝いてさらにちゃんとまとまっているのを見た時に団結したなって思いました。

――石田さん個人としてはどうですか?

石田千穂 前回のPR部隊の時に一位を目指していたけどなれなくて、今回も中間では7位だったけどこうして1位になれていろんな感情を味わいました。この曲(笑顔のチャンス)にはそうしたことと共感する部分があります。

――どの辺が自分とリンクしますか?

石田千穂 <悔しいと思っているなら泣くんだ/次は勝とうと思えばいい>とか<決して涙 我慢するためじゃなくて/過去を振り返りたくなる>とか<自分は弱いって/認めながら人は生きて行く>とか。

――石田さんは自分は弱いと思っているんですか?

石田千穂 思ってます(笑)

――笑顔の印象が強いから。

石田千穂 ファンの人には大っぴらに出しています(笑)

――お二人は印象的な歌詞はありますか?

高雄さやか <いくつもの青やいくつもの赤がある>というサビの部分とか、<知らないことや知らない色>です。自分の中で知った気になっていたり、ラインはここまでと勝手に線を引いてしまうこともあると思うんです。でもまだまだ知らない世界があると思えたらもっと前を向いていこうとか、踏み出すきっかけになると思うんです。私も自分はまだまだだなって思う所があるのでこの曲を聴いてもっと前を向いていきたいと思いました。

――中村さんは。

中村舞 自分にとっても勇気をもらえる曲です。サビの後半<ここで立ち止まりたくないこのまま進もう/悲しみとは きっかけ ああ/笑顔になるチャンスさ>という歌詞がすごく好きで。この曲をいただいたときに、初代の瀬戸内PR部隊を目指していたけど入れなかった時の事を思い出しました。本当に絶望だと思うぐらい落ち込んだんですけど、それも今の自分があるための経験だったんだなってプラスに考えることができて、明るい前向きな気持ちになりました。

――壁に当たった時、自分たちの曲で勇気をもらえることあるんですね。

石田千穂 ステージ上でパフォーマンスしている時に一番曲に感情移入しやすい気がするので、そういう時に勇気をもらえます。

――あの時初披露だったじゃないですか。どんな感じでしたか。

石田千穂 緊張もあったし、ファンの方はどんな反応だろうって気になっていました。実際に披露してファンの方を見たら感動していて、聞き入ってくれているなと嬉しく感じました。

高雄さやか、石田千穂、中村舞

高雄さやか、石田千穂、中村舞

スーツ姿が新鮮

――今回のMV撮影は寒かったと言っていましたが、どんな感じでしたか。

石田千穂 個人的にはとにかく走るシーンが多くて、それしか頭にない…(笑)。

高雄さやか みんなヒールで結構走ったんですよ。

――STU48はMVで走るっていうイメージがありますからね。

石田千穂 確かに外走りがち(笑)

中村舞 今まで着たことがない社会人の服装で会議をするシーンを撮影したんですけど、「こんな社会人だったらやばいな」って(笑)プレゼンテーションをしたんですけど、人前で発表するのは緊張しますね(笑)。

高雄さやか プレゼンテーションの内容がおちゃらけていましたよね。その人に特化したものでした。

――台本があったんですよね?

高雄さやか プレゼンテーション自体はアドリブでやっていました。プレゼンの資料が、ファンの方から募集した瀬戸内の魅力を紙にしたもので、ファンの方あってのPR部隊なので一緒に作り上げている感じがして良かったです。

――今年は「Team. STU48」というスローガンを掲げているので、ファンと一緒に作った象徴的なMVとも言えますね。

石田千穂 ファンの方からいただいたたくさんの瀬戸内の魅力の紙が貼られたところを走り抜けたりしたんですけど、その撮影の合間に紙を見ていたら、私が知らない名物とかがまだまだたくさんあって。教え合いながら支え合いながらグループとしても大きくしていきたいですし、瀬戸内をPRしていきたいなと思いました。

――今回スーツ姿でしたが印象がガラッと変わってましたね。お互いのスーツ姿を見てどうでしたか?

石田千穂 さーやんがベビーフェイスなので、赤ちゃんが会社にいる!?って思いました(笑)

高雄さやか 私、もともと社会人だったので、スーツは何回も着たことがあったんです。だから違和感はなかったです(笑)。「懐かしいな」「こんな感じだったな」って思いながらも、髪を結んだのでビシッとした気持ちでした。

――他の方を見てどうですか?

高雄さやか 似合っていました。スラっとしてるから似合うし、かわいいな、アイドルだなって思いました。

中村舞 みんな「できる女」って感じがしました。普段見ない姿だからすごい新鮮。会社に勤めていたらこんな感じなのかなって思いながら見ていました。

――PR部隊のMV撮影では沖侑果さんとはケンカはしていないんですか(笑)。

中村舞 あの時はケンカしてないです(笑)。今年に入って(2月の時点では)まだケンカしていないです。危ういときはありましたけど、みんなの前でも言い合う事も多いです(笑)。

――仲がいいんですね。

中村舞 5年ぐらい一緒にいるので、長く連れ添ってる人です。

高雄さやか、石田千穂、中村舞

高雄さやか、石田千穂、中村舞

「息をする心」衣装の秘密

――表題曲「息をする心」の印象は?

石田千穂 先にメロディーを聴いたんですけど、アップテンポでスピード感があって、明るい感じでSTU48っぽいけど今までになかった曲だなって思いました。歌詞はめっちゃ好きでめっちゃ刺さったというか。私も迷っていた時に友達に話して解決したこととか、一気に悩みが軽くなったことがあったので、その出来事を思い出してちょっとウルっとする感覚がありました。

――中村さん、曲の印象は。

中村舞 最初、<君が好きだ>と書いてあったから恋愛ソングなのかなと思ったんですけど、<君と巡り逢って/僕は楽になった>という歌詞を見て、この君というのは人でも物でもなんでも当てはまるなって読んでいくうちに思って、これを聴いて下さる方がしんどいな、息がつまるなっていう時に、何か好きなものに助けられていくことに寄り添っていけたらいいなって思うし、その存在がSTU48であったらいいなと思いました。

――高雄さんは。

高雄さやか 曲調は爽やかでかっこいいなと思いました。歌詞はSTU48らしさが込められていて、共感できる部分がたくさんあるし、聴いた方もいろんなことに当てはめられるような歌詞になっているなって。日常の中に呼吸する事って当たり前だけど気持ち的に難しいなと思う時もあると思うから、そういう息苦しさを感じている方にも寄り添ってあげられるような曲になってたらいいなって思います。

――衣装はどうですか。ご自身、黒のイメージありましたか。

高雄さやか なかったです。メンバーにも「白じゃないんだ」って言われたんですけど、着てからはシックで雰囲気ある感じになって。ベレー帽もたぶん1人なんですよ。

石田千穂 最初私が被るか、さーやんが被るかだったんです。

高雄さやか えっ、そうなの?

石田千穂 監督から私はベレー帽がない方がいいと言われたから、泣く泣く手放して…(笑)本当はベレー帽は4人の予定だったんだけど、気付いたら2人になって、最終的には1人になってた(笑)

高雄さやか なので、見つけやすいかなって思います(笑)。

中村舞 細部まで凝って作ってくださっていて、生地も色んな生地が合わさっているので芸術的な感じがして、大人っぽくて大好きです。

センターとして

――イントロがストリングスなので何か特別な意味があるのかなって思ったんですが、今年最初のシングルをセンターとしてどう捉えていますか。

石田千穂 前作で逆に引っ張ってもらってたくさんチャンスをいただいたので、今回みなさん期待してくださっていると思うんですけど、素敵な曲や衣装をいただいたので、みなさんの期待を超えられるようにメンバー、スタッフさん、ファンの方もひとつのチームになって頑張っていきたいと思います。

――石田さんご自身はいろんな経験されているからプレッシャーと言うよりも「みんなで楽しんでいきたい」という感じですよね?

石田千穂 そうです!みなさんと楽しんでいきたいです!

高雄さやか、石田千穂、中村舞

(おわり)

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高雄さやか、石田千穂、中村舞
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木村武雄

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