つばきファクトリー「最強になってきた」グループの現在地
INTERVIEW

つばきファクトリー

「最強になってきた」グループの現在地


記者:村上順一

撮影:村上順一

掲載:23年03月09日

読了時間:約14分

 つばきファクトリーが2月22日、10枚目のシングル「間違いじゃない 泣いたりしない/スキップ・スキップ・スキップ/君と僕の絆 feat.KIKI」をリリース。2015年4月29日ハロプロ研修生内ユニットとして結成。2016年8月13日に小野瑞歩・小野田紗栞・秋山眞緒の3人が加入。2017年2月22日に1stシングル「初恋サンライズ/Just Try!/うるわしのカメリア」でメジャーデビュー。2021年7月7日に、河西結心・八木栞・福田真琳・豫風瑠乃の4人が加入し新体制となる。2022年6月29日にトリプルA面シングル「アドレナリン・ダメ/弱さじゃないよ、恋は/アイドル天職音頭」をリリースし、「オリコン週間シングルランキング」でグループ初の1位を獲得。2023年4月2日をもってメンバーの浅倉樹々が、つばきファクトリー及びハロー!プロジェクトを卒業することが決まっている。インタビューでは、谷本安美、小野瑞歩、秋山眞緒、豫風瑠乃の4人に、ニューシングルのことから、卒業する浅倉樹々への想いなど、話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

卒業する浅倉樹々に4人がしてあげたいこととは?

――現在、『Hello! Project 2023 Winter ~TWO OF US~』全国ツアー中の皆さんですが、どんな雰囲気ですか。(※取材時)

谷本安美 アンジュルムと一緒に回らせてもらっているのですが、パフォーマンス力が高く、とてもカッコいいので、私たちもアンジュルムに負けないように「やってやるぞ!」という気持ちで臨んでいます。そして、個人的にアンジュルムのメンバーの中に好きな子がたくさんいるので、ツアーがとても楽しいです。

村上順一

谷本安美

――どんな意味合いでの好き?

谷本安美 推しの子がいたり、シンプルに顔が好きだったり(笑)。推しは平山遊季ちゃん、顔が好きなのは上國料萌衣ちゃんと佐々木莉佳子ちゃんです。出番前でも気になってチラ見してしまうほど、いま楽しくツアーを回っています!

――小野さんはツアーいかがですか。

小野瑞歩 私がつばきファクトリーに加入した頃のアンジュルムは、ほぼ先輩しかいないようなグループだったのですが、いつの間にか後輩が増えたなと感じています。多くが後輩にも関わらずそれを感じさせないんです。後輩から学ぶことも多くて、グループとして尊敬できますし、刺激をもらいながらツアーを回っています。パフォーマンスの完成度がすごく高いなと感じていて、(谷本)安美ちゃんと「何でこんなに(ダンスが)揃ってるんだろう?」と話してました。

村上順一

小野瑞歩

――その謎は解けました?

谷本安美 はい。リハーサルの前にもしっかり確認し、(年齢が)下の子たちが合わせにきてくれているからだと教えてくれました。

――秋山さんはツアーどんな気持ちで回っていますか?

秋山眞緒 私、アンジュルムの曲がすごく好きで、メンバーの佐々木莉佳子さんと仲良くさせてもらっているんですけど、一緒にライブを回らせていただけると聞いたとき、すごくうれしかったです。アンジュルムは、つばきファクトリーにはない魅力がたくさんあるので、ライブを見ていて楽しいですし、ツアーが終わってしまうのが寂しいです。ワイワイしたお祭りのようなツアーだなと感じています。

村上順一

秋山眞緒

――豫風さんは?

豫風瑠乃 私はこんなに近くで、アンジュルムさんのパフォーマンスをみるのは初めてなんです。なので、「こんなダンスをするんだ!」とか新たな発見がありました。何でこんなにカッコよくダンスができるのか不思議でした。私、橋迫鈴さんのダンスが大好きなので、直接お話を聞いたら「止めるところはしっかり止める」など、基礎を教えていただけてうれしかったです。

村上順一

豫風瑠乃

――実りあるツアーになっているんですね。さて、浅倉樹々さんの卒業が決まっていますが、いま皆さん、どんな気持ちで日々過ごしていますか。

谷本安美 「卒業してほしくない」という気持ちが大きくて、まだ実感してないです。樹々とはオーディションも同じ時期で、同じ時間を一緒に過ごしてきたので、グループからいなくなることが想像できないんです。樹々は卒業に向けて今すごく頑張っています。ファンクラブツアーで、つばきファクトリーの曲を全曲歌うということをやっていて、たくさん覚えてしっかりパフォーマンスできているのがすごいなと思いました。その姿もあとちょっとしか見られないというのは寂しいのですが、夢に向かってキラキラしている樹々を応援したい、という気持ちで過ごしています。

――谷本さんが浅倉さんにしてあげたいことはありますか。

谷本安美 今、すごく頑張っているので、抱きしめてあげたいです!

――小野さんは浅倉さんの卒業、どう感じていますか。

小野瑞歩 私もまだ実感していないです。ツアーの最後、最後のMV撮影とかで、樹々が卒業を実感しているのを見たら、私も実感するかもしれないなという状態で止まっています。私は樹々がいなくなった後のつばきファクトリーを想像できなくて、それを樹々に伝えたら「私が休養していた時期もあったから想像できるでしょ(笑)」と、笑いながら言ってくるんです。確かに休養していた時期はありましたけど、そのときも樹々も含めた9人という意識で活動してきたので、樹々がいないというのは想像できないんですよね。一緒に活動していた期間が長かったので、卒業後も樹々がいる感じで、自分は活動してそうだなって。

――そんな浅倉さんに何かしてあげたいことはありますか。

小野瑞歩 あります。2人きりで色んな話をすることが多くて、私の悩みとか聞いてもらうことが多いんです。樹々はいつも優しく受け止めてくれるので、今度は「受け止めてあげたい」、私が頼られたいです!

秋山眞緒 そんなこというの珍しい!

――秋山さんは卒業についてどう感じていますか?

秋山眞緒 私は樹々が卒業するということはあまり意識せずに、普段の日常を楽しむという感じで接したいなと思っています。もう少しで卒業、いなくなってしまうんだと思うよりは、普段通りに過ごしたいなと思う自分がいるんです。でも、タイムリミットがあるからこそ、1日1日を大切に過ごせるような気がしていて、寂しい気持ちはもちろんあるんですけど、一瞬一瞬を一緒に楽しみたいなと思っています。

――してあげたいことは?

秋山眞緒 私が勝手に考えていることなんですけど、プレゼントを考えています。私たちの思い出をあげたいなと思っていて、これ内緒ですよ(笑)。

――(笑)。豫風さんは?

豫風瑠乃 浅倉さんがいないつばきファクトリーは、正直想像できないです。皆さんと同じく実感はないのですが、今を楽しむしかないと思っています。そのときにしかできないことがあると思っているので、今できることをしたいです! ですので、浅倉さんと一緒にお出かけしたり、浅倉さんのワンちゃんと遊んだりして、残りの時間で思い出をたくさん作りたいと思っています。

――「君と僕の絆 feat.KIKI」はどんな気持ちでレコーディングに臨んでました?

谷本安美 この曲はライブで披露する新曲としてレコーディングをしたので、当初は“feat.KIKI”ではなかったんです。ですので、まさか樹々の卒業ソングとして今回収録されるとは思っていなかった曲です。でも、誰かの卒業ソングになるかもみたいな話はしていて、「ライブで歌ったら泣いちゃうよね」みたいなことは話してました。つばきファクトリーで卒業ソングというのは初めてなんです。

小野瑞歩 アルバム曲で卒業ソングはあったんですけど、シングルでフィーチャリングという形も初めてなので、思い出深い曲になりそうです。

「間違いじゃない 泣いたりしない」レコーディングエピソード

――さて、「間違いじゃない 泣いたりしない」はすごくクールでカッコいい皆さんが堪能できますよね。最初聴いたときの印象は?

谷本安美 プライベートでも「間違いじゃない 泣いたりしない」はよく聴いていて、最初聴いた時もすごくカッコいい曲だなと思いました。加えて英語パートが多い曲だなとも思いました。ですので、英語の意味を調べるところから始めました。レコーディングでも発音も難しくて、私はどうしてもカタカナ英語になってしまうので、そのパートは落ちてしまいました…。福田真琳ちゃんが英語のパートを歌っているんですけど、本当にカッコよくて素敵だなと思いました。

村上順一

谷本安美

小野瑞歩 Aメロがオクターブハモになっているんですけど、それはつばきファクトリーの最近のトレンドなんです。私はいつも低いパートを任されることが多いんですけど、たまには高いところもできないかなと思って、試しにツルッとレコーディングしたときに、1番では低いパート、2番で高いパートに挑戦してみました。でも、結果として低いパートを任せていただくことになりました。ちょっと悲しかったんですけど、低音パートに信頼していただけているのかなという、より低音を磨いていこうと思いました。

村上順一

小野瑞歩

――秋山さんは、この曲を聴いたとき、どんなことを思いましたか。

秋山眞緒 初めてこの曲を聴いたとき、けっこうキーが低いなと感じ、「この低い音域、出るかな?」と思ったのですが、練習していくうちに出せるようになりました。私はこの曲の2番のAメロで、低いパートを歌わせてもらっているんですけど、練習段階から頑張っていたパートだったので、採用していただけてうれしかったです。

村上順一

秋山眞緒

――MV撮影はいかがでした?

秋山眞緒 イメージシーンが意外と多い印象のMVでした。屋外で何人かに分かれて撮ったんですけど、演技指導の先生が入ってくださいました。つばきファクトリーでは初めてのことで、たくさんアドバイスをいただきました。それもあって、みんなの新しい表情が見られると思います。

――撮影はすごく寒かったのでは?

秋山眞緒 撮影は12月だったので、すごく寒かったです。

小野瑞歩 でも、その演技指導の先生、ダンスの先生がすごく明るい方で盛り上げてくださるんです。寒さを吹き飛ばしてくれるような言葉をたくさん投げかけてくださったので、頑張れた感じはあります。もしシーンと静かな現場だったら乗り切れなかったかもしれないです。

――周りの声に助けられた撮影だったんですね。さて、豫風さんはこの曲の印象はいかがですか。

豫風瑠乃 私が最初聴いたときの印象は、ドラマや映画を見ているかのような曲だなと思いました。MVもそのイメージがあったので、奥が深いストーリーがあるということを、表情で表そうと思いました。そこがすごく難しかったです。

村上順一

豫風瑠乃

――レコーディングはいかがでした?

豫風瑠乃 私は落ちサビで、そのストーリー性を強く打ち出したいと思いました。レコーディングのブースは基本明るいのですが、ちょっと暗い方がいいなと思ったので、手で目元を隠して、世界観を自分で作って歌いました。

カメラマンさんが「短かっ!」

――雰囲気作りをしっかりされて歌われていたんですね。もう1曲「スキップ・スキップ・スキップ」は、「間違いじゃない 泣いたりしない」とはガラッと雰囲気が変わります。

谷本安美 歌詞にオノマトペ(擬音語や擬態語のこと)が入っているのが特徴的で、とてもかわいい曲だなと思いました。<ワクワク><ソワソワ><ふふん>とか気に入っています。あと、<スキップ・スキップ・スキップ>のところが「好き・好き・好き」にも聞こえるので、ここはキュンとするポイントなんじゃないかなと思います。

――“空耳要素”もあるわけですね。谷本さん個人的な注目ポイントは、後半に出てくる<ちょっと>の部分ですよね?

谷本安美 ありがとうございます! この<ちょっと>はおいしいパートなんです。1番と2番ではユニゾンで歌われているんですけど、「最後のサビだけソロになっているからおいしいよ」と、スタッフさんから教えていただきました。

――ワンフレーズですけど、インパクトありました。

谷本安美 MVのソロシーン撮影で、<ちょっと>のパートを撮ったときに、本当に“ちょっと”だったのでカメラマンさんが「短かっ!」と、心の声が出ちゃってて(笑)。

小野瑞歩 言ってた! 面白かった(笑)。

谷本安美 申し訳ないなと思いつつ、MVを観たら、とても良い感じに撮っていただいたので、うれしかったです。本当に一瞬なので、ぜひ皆さん集中して観てください!

――小野さんはいかがですか。

小野瑞歩 MVがすごくかわいいです。撮影のときから「絶対かわいくなるよね!」と、みんなで話していました。ダンスシーンは屋内でお昼に撮ったんですけど、窓がとても大きなお部屋で日差しが入ってきて暑いくらい。外での撮影は寒かったんですけど、それをみじんも感じさせない映像になっています。夏にこのMVを観たら、夏を感じてもらえるんじゃないかなと思います。あと、天気が良いと撮影でかわいく盛れる、“光盛れ”があります(笑)。みんなのビジュアルもいつも以上にいい感じになっているので、たくさん観ていただきたいです。

秋山眞緒 最初、この曲を聴いたとき本当に明るくて、無条件に楽しくなれる、笑顔になれる楽曲だなと思いました。2番でセリフがあったり、間奏で急に踊り出したり、ただかわいいだけではない曲にもなっています。歌もMVもつばきファクトリーじゃないんじゃないか、と思うくらい曲調とのギャップがあるなと思いました。

――色々ポイントがある中で特に注目してほしいところは?

秋山眞緒 間奏のダンスパートです。山岸理子ちゃん、岸本ゆめのちゃん、私の3人で踊っているんですけど、いままでやったことがなかったポップダンスに挑戦しています。こういう曲調でポップダンスを入れてくるとは思っていなかったんです。ポップダンスはクールなジャンルなので、この曲調でポップダンスが登場することで、カッコいいところも見せられたなと思います。

――豫風さんは?

豫風瑠乃 「スキップ・スキップ・スキップ」は、ワクワクしているときに聴いてもらいたいです。友達と遊びに行くときとか、どこかで待ち合わせをすると思うんですけど、そのときにこの曲を聴いたら、1日がすごく楽しくなると思います。そして、MV撮影もすごく楽しかったんです。ご飯がケータリングだったんですけど、すごくおいしかったです!

――ケータリング、色々あったと思うんですけど、お気に入りのメニューは?

豫風瑠乃 “アゲ”です。

――アゲ?

豫風瑠乃 揚げ物のことです! ナゲットとかハッシュドポテトもあって。

小野瑞歩 そうそう、朝一のハッシュドポテトは最高でした!

――お腹も満足で(笑)。撮影で印象的だったシーンは?

豫風瑠乃 あと、ジャンプするシーンがあって、それは初めての体験ですごく楽しかったです! そのジャンプシーンを使っていただけて、ジャンプしただけであんなにかわいくなるんだ、って完成した映像を観てビックリしました。

――ちなみにスキップって、普段されますか。

豫風瑠乃 私は急いでいるときにスキップします! たまにそれで転ぶんですけど(笑)。

小野瑞歩 それ、逆に遅くならない(笑)。私は毎年春になると、つばきファクトリーの「春恋歌」という曲を聴きながら、岸本ゆめのちゃんとスキップするのが恒例行事になっています。

秋山眞緒 瑞歩ちゃんは、遊んでいても急に「スキップしよう」と言ってくるんです。

小野瑞歩 え、私、そんなこと言ってる?

秋山眞緒 言ってる(笑)。私は誘われても断ってるんですけど。

小野瑞歩 海辺とか雰囲気の良い場所に行ったらスキップしたくなりません? 幸せをスキップで表現するみたいな。

――気分が良いとスキップしたくなるかもしれないですけど。

谷本安美 今、思い返したら私も普段からスキップしてるかも…。気持ち的に浮かれているときや、コンビニに向かう道中でもスキップしているので、もしかしたらこの中で一番スキップしてるかも。

小野瑞歩 それ、私より恥ずかしいよ(笑)。

――意外とスキップされているんですね(笑)。最後に活動の展望をお願いします。

小野瑞歩 つばきファクトリーが最強になってきたというのを、最近ひしひしと感じています。たくさんの方にMVも観ていただけていますし、スタッフさんから褒めていただいたり、すごく良い感じになってきているのかなと。でも、調子に乗らずここで立ち止まることなく、もっと活躍できるグループになれるように頑張りたいです。

秋山眞緒 まだ、私たちのこと知らない方もたくさんいらっしゃると思います。いつも明るくて、メンバーからも元気をもらえているなと感じる時間がたくさんあるんです。私たちのこの明るさを色んな人に広めていきたい、つばきファクトリーを好きになってくれる人が、もっと増えたらいいなと思うので、応援よろしくお願いします。

豫風瑠乃 今のつばきファクトリーは今しか見れないと思っているので、今見ておいた方がいいですよ、と皆さんにお伝えしたいです。時間は止まらないですし、「あのとき見ておけば良かった」と後悔しないように、浅倉さんがいる最強のつばきファクトリーをぜひ見に来てください!

谷本安美 12人体制での活動も残り少ないので、一瞬一瞬を大切にして活動していきたいです。樹々が卒業の際には、いままでで最高のパフォーマンスをお届けしたいなと思っているので、これからもつばきファクトリーの応援よろしくお願いします!

(おわり)

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