指原莉乃がプロデュースするアイドルグループ=LOVE(イコールラブ)が22日、13thシングル「この空がトリガー」をリリース。2023年1月にメンバーの齊藤なぎさが卒業。新体制になり初めてのシングルリリースとなった。佐々木舞香がセンターを務める表題曲「この空がトリガー」は、叶わぬ恋の切なさを“=LOVE”らしく元気に歌った王道の青春ソング。すでにミュージックビデオも公開され、そのストーリーにも注目が集まっている。インタビューでは、齊藤なぎさが卒業して新体制になったいま何を思うのか、「この空がトリガー」MVの撮影エピソードや、タイプ別に収録されるカップリング曲について、大場花菜、音嶋莉沙、野口衣織の3人に話を聞いた。
齊藤なぎさはめちゃくちゃ姉御キャラ
――齊藤なぎささんが卒業されて、今どんな気持ちで活動されていますか。
大場花菜 昨年9月に行った5周年コンサート「=LOVE 5th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」で卒業を発表したのですが、実際卒業するのは年明けだったので、まだ時間があるなと思っていました。でも、あっという間に時間が過ぎて、気がついたら卒業コンサートの日を迎えていて。正直、卒業コンサート前日まで全然実感が湧かなかったのですが、なーたん(齊藤なぎさ)への手紙を書いているうちにだんだん実感が湧いてきて。なーたんはずっとそばにいたのに、卒業してしまうんだって。卒業コンサート当日もなーたんがいるイコラブは今日で最後なんだと、寂しさはあったんですけど、本当に最後なのかな? と思う感覚もありました。
――ドッキリじゃないですけど、ちょっと疑っている状態で。
大場花菜 そうなんです! ずっと疑ってました。卒業コンサートが終わって数日後に撮影があったのですが、そのときになーたんがいなくて、そこで卒業を実感しました。振り付けのフォーメーションや歌割りも新体制に変えているのですが、なーたんの存在がすごく偉大だったと改めて思いました。
――少し月日が経った今、なぎささんに伝えたい言葉はありますか。
大場花菜 女優になっても私たちのこと忘れないでね、と伝えたいです。
――音嶋さんはいかがですか。
音嶋莉沙 初期から楽しいこともつらいこともわかち合ってきた分、卒業コンサートで私、きっと泣くんだろうなと思っていました。でも、なーたんは前向きな卒業だったので、笑顔で送り出したいなとも思っていました。同じ涙でも流すなら、嬉し涙しか流したくないって。今、新体制の振り付けや歌割りを行ってパフォーマンスしているのですが、たくさん引っ張ってくれていたんだなと、いなくなって気づくこともありました。なーたんは「私ももっと頑張らなければ」と思わせてくれる存在でした。
――なぎささんに一言伝えたいことは?
音嶋莉沙 卒業後SNSに上がっていたなーたんの写真を見て、イコラブのときとはまた違った雰囲気がありました。だから、「これからがすごく楽しみだよ」というのを伝えたいです。そして、これからもイコラブのことを大好きでいてほしいですし、新曲も聴いてほしいです!
――野口さんはいかがですか。
野口衣織 とにかく寂しいです。ぽっかり穴が空いた感じと言いますか、「今日、人数が少ないな」と思うことがあります。。私たちがなーたんの背中を押すはずだったのに、「これからも色んなイコラブがみたい、東京ドームに立つ姿が見たい」と言ってくれて、その言葉に私たちが背中を押されました。すごくイコラブを愛してくれていて、卒業コンサートもステージが似合うキラキラした姿を見せてくれたから、まだイコラブにいるんじゃないかと思う瞬間もあります。これで最後なんだと思えないくらい、最高潮の姿を見せてくれました。私たちもなーたんのように最高の姿を見せていきたい、そうありたいなと思いました。
――なぎささんはイコラブのどんな部分を担っていたと思いますか。
野口衣織 個人的なことになってしまうんですけど、めちゃくちゃ姉御キャラだと思っていました(笑)。アイドルらしくて、プリティでキュートという面も持ちつつ、すごく姉御肌な部分もあるなと思っています。メンバーの元気がないときとか、背中を叩いて前を向かせてくれるんです。例えば、「今日も可愛いよ」とか言ってくれるんです。
――その部分を担っていきそうなメンバーは?
野口衣織 メンバーみんながお互いに「可愛いよ」って言っているので、私のなかではみんながお姉ちゃんなんです。なーたんの代わりはいないんですけど、お互いがお互いを支え合っているグループになってきていると思うので、これからもその関係性は崩さないで、イコラブらしくやれたらいいなと思っています。
――なぎささんにいま一言伝えるとしたら?
野口衣織 美味しいものをいっぱい食べてね、と伝えたいです。なーたんのことを好きだ、愛していると思っている人がたくさんいるんだよってことを感じて、毎日幸せな気持ちでいてほしいです。
お芝居にもこだわったMV撮影
――新体制初のシングル「この空がトリガー」がリリースされます。MVを拝見させて頂いたのですが、衝撃的なラストシーンでしたね。
大場花菜 私たちもあのシーンは知らなかったんです。MVを観てビックリしました。
音嶋莉沙 (佐々木)舞香と衣織の2人がボートに乗っているシーンも印象的でした。あれどうやって撮っているんだろうって、疑問に思って。
――どのように撮影されたのでしょうか。
野口衣織 私と舞香が乗っているボート以外にも牽引してくれるボートと、スタッフさんが乗ったボートがあって、私たちは寝っ転がった状態で移動していました。その状態で撮影場所に到着して、スタッフさんたちは一旦戻ってドローンで撮影しました。寝て始まって、寝たまま戻って終わった感じで、結局ここはどこなのかわからない状態でした(笑)。天気も良くて、日差しのおかげもあってポカポカで、小鳥のさえずりも聞こえてきて、とても平和な時間でした。
――サビで映る場所もちょっと変わっていて面白いですね。
大場花菜 天井が低くて、四角い窓が開いているんです。すごく風通しも良くて、日差しもキレイに入ってくる空間でした。太陽光を使った撮影で、時間経過と共に影がどんどん移動して行ってしまうので、撮影は時間との勝負でした。
野口衣織 風が入ってくるのでけっこう寒かったんですけど、光が差しているところは暖かいので、光があるところを求めて移動していって。その姿がミーアキャットみたいでした(笑)。
――かわいいですね。撮影で印象的だったことは?
音嶋莉沙 ソロのシーンも多くて、私のシーンは本屋さんで、空田さんという青い髪色の男性と同じ本を手に取ってしまう、というものなんです。空田さんが私に本を渡して去って行くんですけど、彼が気になって何回も見てしまう、そのタイミングも細かく指導してくださったのは印象的でした。ここまで演技にこだわって撮影することがあまりなかったので新鮮でした。本屋で手が触れるというのは初めての経験だったので、こういうことが学生時代にあったらいいなと思いながら撮影してました。
――ドキッとして。
音嶋莉沙 はい。私は少女漫画のシチュエーションにすごく憧れがあるので、すごくドキッとしました。空田さんとお互い、探り探りでしたけど、監督さんのお力も借りながら良いシーンが撮れたんじゃないかなと思います。
――コートも印象的でした。
音嶋莉沙 私がセンターを担当した「cinema」のときに、ピンクのファーコートを着させていただいたのですが、そのときと似た格好だったので、重なる部分もありました。「cinema」とは内容は違うのですが、当時を思い出しました。
――大場さんはお花屋さんの店員で。
大場花菜 名前が花菜なので(笑)。本当に監督さんの演技指導がすごかったです。尺が決まっているので、お芝居のスピードに関するリクエストもありました。「いらっしゃいませ。いつものですよね?」と話しかけて、青いお花を取りに行って渡すんですけど、それもどちらの手で渡す方が良いのか、目線のやりとりなどこだわって撮影しました。
――あと、登場するものにも細かいこだわりもありますよね。チケットとか…。
野口衣織 そうなんです。考察要素もけっこうあるので、ぜひ皆さん探してみてほしいです。チケットもそうなんですけど、服の色とかもこだわりがあったりしています。
解釈の可能性が広がるような歌詞だと思った「この空がトリガー」
――そうやって観るのも楽しいですね。さて、今回の指原さんの歌詞はどんな印象がありました?
大場花菜 1番では<君に勧められた 映画の半券>で、2番で<あの映画はデートで 行ったのかな>というフレーズが気になりました。最初、私は普通のチケットだと勘違いしていて、途中で半券は使用済みの券だと気づきました。ふとしたときに付き合っているあの子といったのかなとか、想像している主人公のことを考えると、すごく胸がぎゅっとなり、自分は一緒に行けないという現実を突きつけられているようで、すごく切なくなりました。
音嶋莉沙 歌詞を読んだときに、自分とは違うタイプの主人公だなと思いました。イコラブに、こういった切ないラブソングはけっこう多く、「あの子コンプレックス」も、切ないというところで同じような雰囲気をもっていると思います。ただ、「この空がトリガー」は「あの子コンプレックス」の主人公とは違って、自分から行くタイプではないのかなと思いました。
――「あの子コンプレックス」も佐々木さんがセンターを務めていましたが、切ない曲を担当することが多いですね。
音嶋莉沙 舞香は空が似合うと思うんです。舞香は声質も切ない表現が似合うので、切ない曲にすごくマッチして、より歌詞の意味が伝わってきます。「この空がトリガー」のラスサビ前は、舞香のソロパートになっているんですけど、特に感情がすごく伝わってきました。
――注目ポイントですね。野口さんは?
野口衣織 <これは君を想い作った 私だけの青春>というフレーズが好きです。このフレーズが、<青い空が綺麗だった日 私だけが覚えて 君は誰かを想う>という歌詞にも通じるものがあると思いました。「私だけなんだ」と切ない感じにも聞こえますが、ちょっと特別で私だけの世界、切ないけどそれを愛おしく思っているんだろうなと感じ、主人公は他の人とは違った感性があるんだろうなと思いました。
――興味深い考察ですね。
野口衣織 舞香も言っていたんですけど、もしかしたら主人公の子は「そうだったらいいな」という妄想の世界、そういう世界線のストーリーになっているんじゃないかと私も思いました。それを感じさせる歌詞が<これは君を想い作った 私だけの青春>でした。私しか知らない結末みたいな感覚があって、お気に入りなんです。解釈の可能性が広がるような歌詞だと思いました。
3人のトリガーになっているものとは?
――広がりのある歌詞なんですね。さて、野口さんがセンターを務めるカップリングの「ラブクリエイト」は、明るい曲で楽しいですね。
野口衣織 底抜けに明るい、ポジティブで前向きな楽曲です。インタビュー時は振り入れやMV撮影もまだなので、最終的にどんな感じになるのかを掴めていないのですが、きっとライブで歌う度に、この曲が私たちを引っ張ってくれるんじゃないかなと思っています。ファンの皆さんを引っ張りながらも、色んな世界を見にいきたいと思わせてくれるような楽曲になっています。ライブで声出しができるようになったら、皆さんの声もたくさん聞ける曲、イコラブとファンの皆さんとの絆や一体感が深まる曲になるんじゃないかなと思ってライブで披露するのが楽しみな曲です。
――ライブと言えば、ハードなロックチューン「Junkies」もライブ映えしそうです。
大場花菜 レコーディングのときも<We are the イコラブ>のところで、私たちも「イコラブ」「Oh yeah!」とコールして録ったので、そこをファンの皆さんと一緒にコールできるようになったら、さらに完成する曲だと思いました。
音嶋莉沙 「Junkies」は「いらない ツインテール」のような雰囲気があるので、イコラブの格好いい姿をみせられるんじゃないかなと思います。ノリノリな楽曲で、メンバーそれぞれの歌声や、個性がより出る曲だなと感じていますし、コンサートで披露するのが楽しみな曲です。こういう曲は花菜ちゃんや衣織ちゃんが格好いいので、みんなのパフォーマンスを早く見たいです。曲によっては客観的に見てみたい曲もあって、「Junkies」は私にとってそういう曲の一つです。2人ともすごく格好よくて、全てのジャンルに対応できるんですよね。私もそうなれるように頑張りたいと思います。
――最後に、「この空がトリガー」にちなんで、皆さんがこれを見ると何かを思い出す、そういったトリガーになっているものってありますか。
大場花菜 マンホールを見ると思い出すことがあります。小学生のとき、マンホールを踏んで遊んでいました(笑)。そして、落ち葉を見ると、自転車の前輪で、いかに落ち葉を巻き込まないように走れるか、という遊びをしていたのも思い出します。
――自分ルールありますよね(笑)。音嶋さんは?
音嶋莉沙 ニンジンです。私は生っぽさが残るニンジンが苦手なんです。昔、シチューに入っているニンジンを、ほとんどニンジンの味がしないんじゃないかなと思って食べてみたんです。でも全然そんなことはなくて、ショックを受けまして(笑)。そこからより苦手になってしまい、今でもニンジンを見るとそのときのことを思い出してしまうので、申し訳ないなと思いながらも、今でもニンジンを避けてしまいます。
――一風変わったトリガーですね(笑)。野口さんは?
野口衣織 夏の日差しが強い空を見ると、思い出す光景があります。実家の部屋のベッドは窓のすぐそばにあるんですけど、カーテンが短くて日差しが直接当たって暑かったことを思いだします!
(おわり)
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