市原隼人、台湾ドラマ初出演 監督「これまでにない刺激に」
『商魂 TRADE WAR』
市原隼人が、来秋に台湾で放送されるドラマ『商魂 TRADE WAR』に出演することが決まった。12日、台湾で行われた制作会見で発表された。市原が台湾制作の作品に出演するのは本作が初となる。
本作は、台湾史上最も深刻なインフレ時代といわれた1950年代を舞台に、当時台湾で重要な物資であったセメントを加工する会社をのちに台湾を代表する会社へと発展させた実業家・林燈(リン・ドン)の実話をもとにした完全オリジナルドラマ。セメント会社の経営権をめぐる台湾経済界の権力争いを、人間模様や愛憎劇を交え、見どころ満載のヒューマンドラマとして描かれる。
主人公の林燈(リン・ドン)を演じるのは、2017年に台湾で最も権威あるテレビ番組賞である「金鐘賞」の最優秀主演男優賞を受賞し、2018年には同じく台湾で最も権威ある映画賞「金馬賞」の最優秀新人賞にもノミネートされた傅孟柏(フー・モンボー)が務める。
市原は第二次世界大戦後まもなくして起きた政権交代と激動の時代を前にした台湾商人たちに交じり、数々の劣勢のなか、あらゆる手段を使って台湾の経済界で爪痕を残そうとする台湾在留の日本人・武田遼平を演じる。
本作のプロデューサーを務める高瑞陽(Jackol Kao)が、2021年に公開された映画「ヤクザと家族 The Family」での市原の演技に注目しオファーしたことから今回の出演に至った。また本作『商魂 TRADE WAR』は、2023年の秋に台湾での放送開始に合わせ、日本でも同時期に配信コンテンツを通じて視聴開始を予定している。
■市原隼人コメント
――演じる武田遼平について
正直、演じる前には様々な葛藤がありましたが、振り切って覚悟を持ち完全なヒールに徹底いたしました。
この先、中々出逢わないであろう程に、金、性、名誉…etc全てにおいて強欲で冷徹な人間です。
あまりの闇の深さに現場にいる時は食事が喉を通りませんでした。
――意気込み、見どころなど
衝撃的映像が収められた今作品は台湾だからこそ成し得た事で、貴重な経験をさせていただき心から感謝しています。
“台湾の制作クオリティ=世界基準”だという事を改めて感じさせていただきました。
洪子鵬監督をはじめ今作品に携わる全ての部署へ最大限の敬意を払い、憧れの意を表します。
何より今作品に参加した事で台湾を大好きにさせていただきました事を心より感謝しています。
■プロデューサー 高瑞陽(Jackol Kao):コメント
――キャスティングに起用した理由
『商魂』というこのドラマは、ちょうど台湾が50年間の日本統治時代を終え、国民党が台湾に遷都する直前の社会を描いています。
歴史上実際に存在した大きな時代を描く為、我々は企画段階から日本人俳優をキャスティングしようと決めていました。
ちょうど市原さんは今年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演されていて、演じられた慎重であり聡明、また情に熱く義理堅い役柄は強い印象を残しました。我々のドラマにおいて、今回の役柄は、アクション面でチャレンジな部分も多く、市原さんは日頃からトレーニングを積んでいらっしゃるので、体格においても精神力においても、我々の期待にピッタリでした。
――市原の印象や、一緒に仕事をしてみての感想
昨年、私はちょうど市原さんが出演していた『ヤクザと家族』という映画を見て、大好きになりました!
市原さんの演技が非常に魅力的で、自然な感情表現に深く感銘を受け、非常に印象深かったです!
実際に市原さんと共にお仕事をしてから、市原さんの演技へかける情熱とプロ意識をまざまざと感じました。
市原さんは『商魂』チームと共に、時間をかけてキャラクターの性格を仔細に討論することを嫌がりません。
物語を重視し、セリフを細かく読み込み、友好的にチームと知に討論する事で、魅力的なヒール役を見事に生き生きと物語に息づいて下さいました。
■監督・洪子鵬(ホン・ズーホン):コメント
――キャスティングに起用した理由
市原さんは非常に優秀な役者さんで、彼の個性的な演技スタイルは、日本人男性のある一面を象徴していると感じました。
私がこのような思いを抱いていたので、市原さんにオファーさせていただきました。
市原さんがオファーを受けて下さり、一緒にお仕事ができると知った時は、とても興奮しました。
――市原の印象や、一緒に仕事をしてみての感想
市原さんの演技スタイルは個性的且つ独特で、『商魂』にある種の不確定性をもたらしてくれました。
市原さんが演じたこのキャラクターが、物語がもともと有していたルールを破り、我々台湾の役者たちにこれまでにない刺激を与えてくれました。市原さんが演じる武田を感じながら、少しずつその他の役者のキャラクターを調整していきました。
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