INTERVIEW

梅原裕一郎×花江夏樹

「落ち着きがある?」「エンターテイナー?」お互いの凄みを語る


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:22年11月25日

読了時間:約6分

 声優の梅原裕一郎と花江夏樹が、Netflixで配信中のアニメ『ロマンティック・キラー』(10月27日より配信開始)に出演。梅原裕一郎は学校一のパーフェクトイケメン香月司、花江夏樹は金持ちのツンデレイケメン小金井聖を演じる。『ロマンティック・キラー』は、集英社「少年ジャンプ+」で連載されていた百世渡による漫画作品。“非ヒロイン属性”の女子高生・星野杏子と、“とある目的”で杏子に恋愛をさせるべく突然現れた魔法使いリリ(CV. 小松未可子)によって繰り広げられる物語。インタビューでは、オーディションでどんなことを考えていたのか、お互いの印象など語ってもらった。さらに、記事の後半では花江夏樹に単独インタビューを実施。いま追及していることや活動の原動力など話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

身のこなし方は見ていてスカッとします(梅原裕一郎)

(C) 百世渡/集英社 (C)Netflix

――出演が決まった時の心境は?

花江夏樹 僕はテープオーディションを受けたのですが、2人のキャラを受けていて、何となく受かるなら小金井聖かなと思っていました。原作のイメージよりもクセが強めと言いますか、大袈裟な感じで演じてみたのですが、それが良かったみたいで。現場に行った時に百世渡先生から「自分が思っていなかったような表現があって良かったので、花江さんに決めました」とお話ししてくださいました。僕はこれでオーディションに落ちたとしても思い切りやれたので、後悔はなかったのですが、受かることができて本当に嬉しかったです。

梅原裕一郎 僕も2人のキャラのテープオーディションを受けさせていただいて、受かったのが香月司でした。高校生の役だったので、若さという部分をどう演じるかというのが大変でした。声のトーンはそんなに高くはしたくなくて、高校生にしては低いけれどあまり低いと老けて見えてしまうので、そこが難しかったです。

――どのように対応されたのでしょうか。

梅原裕一郎 結果、声のトーンはいつも通りの自分で、語尾の雰囲気を変えて調整しました。未熟な感じに聞こえるにはどうしたいいのか考えましたね。

――それぞれが演じるキャラはどんな人物だと思いましたか。

花江夏樹 僕の演じる聖は、第一印象はそんなに良くないですよね。お金の力と言いますか、こうすればいいんでしょ、という感じがすごく伝わってくるキャラでした。杏子から言われたことによって、アルバイトをしたり色んな経験をして成長していくというところは、素直でかわいいキャラだなと思いました。

梅原裕一郎 司はすごく社交的な人物ではなくて、過去のトラウマから特に女性には壁があります。クールで近寄りがたい人物、というのが第一印象としてありました。実際は優しいところがあったり、等身大の高校生という部分をしっかりもっていて、そこが魅力になっていると思います。

――この作品の見どころは?

梅原裕一郎 恋愛的な描写もありますが、ギャグシーンだったり、杏子の人に対する考え方など、身のこなし方は見ていてスカッとします。キュンキュンするというよりは、そちらがメインなのかなと思います。 

花江夏樹 ギャグも面白いですし、「恋愛なんか」と否定的な杏子ちゃんが、恋愛もいいかもと時折見せる瞬間があります。逆攻略をしてやったというのが見どころです。

――杏子が身近にいたら仲良くなれそうですか。

花江夏樹 友達にいたら楽しそうですよね。ゲームとか趣味は合いそうです。でも、僕は好きな人とゲームはあまりしたくないタイプなんですよ。ケンカになりがちなので、僕の場合は趣味は違った方がいいですね。杏子ちゃんとはギスギスしてしまう可能性があります。

梅原裕一郎 杏子ちゃんのような子は気さくに話しやすそうですし、めんどくさい感じがないなと思いました。僕は一緒にゲームをするのも大丈夫です(笑)。

――お2人のおすすめのシーンは?

花江夏樹 聖と杏子がデートをするシーンです。そこから聖が変わっていくきっかけになるのですが、コンビニでバイトをしたりして、変わっていく姿がいいなと思いました。

梅原裕一郎 司がトラウマを克服するシーンです。杏子を守りたいという気持ちから、大声を出すシーンがあるのですが、違った一面が垣間見えて演じていて楽しかったです。司が前に進もうとする意思が感じられるシーンで印象的でした。

――ところで、お互いどんなところがすごいと感じていますか。

花江夏樹 落ち着きがあります。焦っているところを見たことがないんです。どっしり構えていて頼もしいなといつも感じています。大人の男性だなと。

梅原裕一郎 年齢、変わらないけど(笑)。

花江夏樹 歳が一緒だからこそより感じるんです。でも、大人しいわけではないんです。攻める時は攻める、トリッキーな一面も兼ね備えています。ユーモアがあるんですけど、日々研究しているんだろうなと思います。イケメンだけどそういった面があるのがいいんです。ファンにはあまり見せていない面だと思います。

梅原裕一郎 研究はしてないよ(笑)。僕は花江さんはエンターテイナーで、人を楽しませたい気持ちが強い人なのかなと思います。イベントでもそれを感じますし、YouTubeチャンネルもそういう気持ちがないとなかなかできないと思います。そこがすごいなと感じています。

――作品を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

花江夏樹 アフレコもすごく楽しかったので、配信されるのが楽しみです。原作を見てイメージを膨らませてからアニメを観るのも良いと思います。マンガとは違った良さがアニメにあって、そういった表現ができるように監督ともディスカッションを重ねて収録したので、楽しんでいただけたら嬉しいです。

梅原裕一郎 Netflixでの配信なので、次から次へと一気に観てしまうんじゃないかなと思います。それくらいスピード感のある作品だと思っていますし、エンディングも面白いので、ぜひ最後まで楽しんで欲しいです。

花江夏樹 単独インタビュー

――花江さんが演じた、小金井聖とご自身がリンクする部分はありました?

花江夏樹 なかなか難しいですね。お金持ちでボディガードがついているような人ですから。ただ、非現実的なキャラの方がいろいろ想像出来るので、リミットがなくて楽しいです。

――聖はアルバイトをして色んなことを学んでいきますが、花江さんのアルバイト経験は?

花江夏樹 ハンバーガーショップ、カラオケ、テレアポをやったことがあります。

――テレアポはどんな経緯で始めたんですか。

花江夏樹 カラオケもそうなんですけど、声優を目指した時に、声が使えるアルバイトがいいなと思って始めました。高校生くらいだったので、一般常識も含めて喋り方とか勉強になっていたと思います。

――さて、花江さんがロマンティックだなと感じた瞬間はありますか。

花江夏樹 中学生の時に、花火大会に男子2人、女子2人の計4人で行ったことがあって、帰りは女の子と自転車を押しながら帰ったのですが、あの瞬間はロマンティックでしたね。

――花江さんが追求されていることは?

花江夏樹 お仕事ですね。今、アフレコがすごく楽しいです。12年くらい声優としてお仕事させていただいているんですけど、ここ数年、キャリアが浅い時にはできなかった表現ができるようになってきました。できないことはまだあるんですけど、できるようになった表現があるのが、すごく楽しいです。まだまだこう表現したいという欲がすごくあります。

――高みを目指すために花江さん流の練習方法はどんなものがありますか?

花江夏樹 練習法とはちょっと違うのですが、声優は俳優さんと違って、セリフを覚えるというのがあまりないんです。当日に台本をいただいてその場で声を当てていくこともあります。なので、あえて台本をチェックしすぎない、イメージが固まりすぎないようにしています。突然台本を渡されても対応できるようにしたい、瞬発力を身につけたいと思っています。

――最後に活動の原動力はどこにありますか。

花江夏樹 家族です。特に娘のためにというのがありまして、それだけで頑張れるんです。子供が成長した時に僕が参加したアニメなどを観て楽しんでくれたらいいなと思いながらやっています。

――家に帰るのも楽しいですね。

花江夏樹 楽しいです。でも、現在イヤイヤ期がきてまして、大変なんですけど(笑)。

(おわり)

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村上順一

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