[写真]KISSなぜももクロとコラボ?

2月21日都内で行われた記者会見でのもよう。KISSとももクロ(撮影・編集部)

 世界的人気バンドのKISS(キッス)が11度目のジャパンツアーのために来日している。デビュー40周年を迎える彼らは米国では大御所だ。その彼らは日本のアイドルグループ、ももいろクローバーZとコラボレーションしたことでも話題を集めた。

 先日都内で行われた来日記者会見では応援に駆け付けたももクロに「君たちこそロックスターだ」と語るなどメロメロだった。感銘を受けたKISS側からコラボのオファーしたというが、なぜジャンルの異なるももクロとコラボしたのか。

 過去にも彼女たちをリスペクトするコメントを発表しているが、先日の会見ではロックの意義にも踏み込んで彼女らのスター性を評価し、コラボした理由を語った。その内容を以下に紹介したい。

コラボ発表時も自信をのぞかせたポール

 先ず、KISSが日本人アーティストとコラボするのはももいろクローバーZが初めてだ。ももクロとのコラボが発表された昨年11月。ボーカル・ギターのポール・スタンレーは「ももクロの音を聴いてみて、ロックでスタイリッシュでももクロ史上特別な曲を彼女たちのために作ることができると確信した」と自信をのぞかせた。

 そもそも今回のコラボは、KISSのメンバーが一昨年来日した際に、スタッフからももクロの存在を聞かされ興味を持ったという。その後も映像などでももクロのスタイルやパフォーマンスを確認。心を打たれてKISSからオファーをかけた。

ももクロから感じる日本らしさ

[写真]KISSなぜももクロとコラボ2

2月21日都内で行われた記者会見でのもよう。仲が良いことを伺わせた(撮影・編集部)

 先日都内で行わた会見でも、ポール・スタンレーはももクロのパフォーマンスの高さを評価していた。

 「初めてももクロさんのパフォーマンスを見たときから素晴らしさを感じていて。彼女たちは、ラップをやろうとしているわけではない、アメリカ人になろうとしているわけでもない。すごい日本的なものを感じる。彼女たちの振りからは芸者のような、時には相撲のようなものすら感じられて、個性もとてもある」

 「実は昔、ディスコが流行っていた時、ディスコサウンドを曲に取り入れた。そして今回は日本的な和のテイストも感じられるももクロとコラボレーションした」

ももクロとのコラボは周囲も「意外」だった

 過去に様々なコラボを行ってきたKISSだが、ももクロとのコラボは周囲からも意外だったようで、「なぜ全然違うタイプのグループと一緒にやったんだ」と言われることもあったそうだ。この点についてもポールは以下の通りに説明している。

 「自分が思うには世の中には良い音楽か悪い音楽しかない。ももクロは良い音楽、自分たちも良い音楽を作っている。だから2つの大陸、国を越えて一緒にやったら良い音楽できるんではないかと思った。実際に良い結果になったから自分たちの言っていることは間違いではない」

 ベースでボーカルのジーン・シモンズも「自分達のスタイルを貫くべき」と語っている。

 「いろんなコラボをすることによって色んな言われ方もあるけど、自分達は自分達がやりたいことを、信じると思う事をやっているだけ。ルールなんてものは自分たちが作ればいい。『We Are KISS』なんだと。まわりのバンドがどうであろうが、スタイルがどうであろうが、流行がどうであろうがそういうことは関係ない。ルールなんてものにとらわれている人がいたらそれはオールドスタイルだよ」。

ももクロこそロックスター

 また、ポールはロックのあり方にも触れながら、ももクロが放つ力を以下の通りに評価した。

 「ももクロとのコラボをやるなんてロックンロールじゃないという、メイクをしていてロックンロールじゃないと思う人もいるかもしれない。でもそんなことはない。何をしようと自分達なんだ。ロックロールはパレードの一員になるんじゃなくて、パレードをいかに引っ張っていくか、ということなんだと思う。何をしようと僕らはロックなんだ」

 「ももクロは一緒にいて楽しい気持ちにさせてくれる。活き活きとしたスピリットがあって。人間は年を取ってしまうとそうしったものが無くなってしまうなんて言われるけど、そんなことはない。楽しいスピリットを持ち続け、生きることを楽しんで、仕事も楽しんで。笑顔が伝わってくるので楽しかった。世界中悪いニュースばっかりだけど、一緒にいて幸せに感じることは大切じゃないかな」

 更にジーン・シモンズはももクロを「ロックスター」と讃えた。

 「ももクロほどファンを愛しているバンドグループはいない。彼女たちは本当の意味でロックスターだ。自宅に連れて帰りたい」

 活動40年、最前線で活躍し続けてきた彼らだけに重みが発言である。

最近の実績と日本ツアー

 ももクロとのコラボシングル「夢の浮世に咲いてみな」(ももいろクローバーZ vs KISS名義)は発売初週で5万8000枚を売り上げ、2月9日付オリコン週間シングルランキングで初登場2位を記録。KISSにとっても同ランキング初のトップ10入りとなった。1月28日には来日記念盤「ベストオブKISS40/KISS」を発売。

 そして現在、日本でツアー中だ。最終公演は3月3日東京ドームで行われる。このステージにはももクロが出演することが決まっている。また、今月27日にはテレビ朝日系『ミュージックステーション』にも出演する予定だ。

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