宮本笑里、“バイオリニスト”松坂桃李の演技力を絶賛「1年でここまで…凄い」
バイオリニストの宮本笑里(31)が25日、都内で行われた映画『マエストロ』(1月31日公開)の公開記念トークイベントに出席。バイオリニンの世界的な名器とも言われるストラディヴァリウスを使い、エルガーの「愛のあいさつ」など3曲を演奏した。
映画は、謎の指揮者と負け組楽団員が復活コンサートを目指す姿を描いた音楽エンタテインメント作品。若きバイオリニストを松坂桃李、天才フルート奏者をmiwa、謎の指揮者を西田敏行が演じた。3人とも初めて楽器演奏、指揮に挑戦していることでも話題を集めている。
この日のイベントには、日本を代表するバイオリニストの宮本笑里と、日本ヴァイオリン代表取締役の中澤創太氏が出席、映画の魅力を語るとともに、宮本は、松坂が劇中でも使用したというストラディヴァリウスを用いてエルガーの「愛のあいさつ」、バッハの「主よ、人の望みの喜びを」、モンティ「チャルダーシュ」の3曲を演奏した。
宮本が使用したストラディヴァリウスは、バイオリニストや収集家を釘付けにする弦楽器における世界的な名器とも言われ、オークションでは高値で取引されている。この日使用したものは1700年代に作られたもので11億円に相当する。宮本は観客席に目を配りながら一音一音確かめるように弾き、神秘の音色を会場に轟かせた。
宮本は同楽器を弾いた感想として「格が違う。素晴らしい楽器に触れる機会はなかなかないので、どういった音色を出せるんだろうというワクワク感もあって。弾き手によって音色が変わってくるので自分ではどういう音色が出るんだろう楽しみだった。有難いなと思い弾かせて頂きました」と述べた。
また、中澤氏は「素敵としか言いようがないですね。弾くのが難しい楽器と言われ、誰が弾いても良い音が出るわけではなく、いきなり手を取って素直に音を出してくれる楽器ではありません。練習をしなければ良い音が出せませんし、逆に良い音を出してくれれば、オーケストラをバックに弾いても消されることはない。使いこなせるには演奏家の努力とマッチングが必要で、宮本さんはマッチしている」と絶賛した。
その宮本は「自分のあごに挟んでいるほてと骨との振動が普通の楽器と違う。人の体の響きから楽器を通して音が鳴っていることを改めて実感しました」と語った。
また、映画について宮本は「今の音楽業界やクラシック業界のそのままを表した映画だなと感じていて、指揮者やオーケストラの関係性だったり、音楽性の部分も分かりやすく解説もしてくださっているので、初めてクラシックに触れる方にも見やすい映画だと思います」と述べた。
プロ目線から俳優陣の演奏者としての“演技力”については「バイオリンだったり演技も集中力が高いと感じました」と絶賛。中澤氏が「うまい。相当練習したんだな」と評価した松坂桃李については「びっくりしました。バイオリニンという楽器は小さい頃から積み重ねてくる楽器。それが1年間でここまで楽器と一体になって演奏できるのは凄い」と讃えた。
映画に寄せる思いとして宮本は「(この映画をきっかけに)同年代や若い人たちにクラシックをもっと楽しんで、身近に感じてもらえたらいいなと思う」と願いを込めた。なお、ストラディヴァリウスの魅力などを語った詳報は後日、掲載します。