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平均年齢17.6歳の次世代ガールズユニットiScreamが20日、1stアルバム『i』をリリース。2018年に開催された『LDH Presents THE GIRLS AUDITION』で応募総数約1万人の中からグランプリを獲得したRUI、ファイナリストのYUNA、HINATAの3人で結成された“iScream”。今年1月にリリースされた 3rdデジタルシングル「つつみ込むように...」ではビルボードラジオチャートで1位を獲得。YouTubeでミュージックビデオも公開翌週には100万回再生を超えた。1stアルバム「i」は、デビュー曲「Maybe...YES」や、4月1日に先行配信された「茉莉花 -Jasmine-」など新曲6曲を加えた全13曲収録。インタビューではデビューからまもなく1年を迎える3人の成長や変化、1stアルバム『i』に込められた想い、いま3人が追求していることなど多岐に亘り話を聞いた。【取材=村上順一】
デビューからの成長
――デビューから間もなく1年が経とうとしていますが、それぞれメンバーのどんな変化を感じていますか。
HINATA YUNAはこの1年で柔らかくなったと思います。デビューした時はみんな必死だったというのもあって、ダンスの練習でもYUNAがズバッと言ってくれないとダメだったりして。3人それぞれが意見を言い合えるようになったので、すごく変わった部分でもあります。
YUNA 発言する時も考えるようになったかもしれないです。前は思ったことはなんでも言ってしまっていたと思います。ここは私が引いて2人に考えてもらった方がいいなとか。
――RUIさんの変化はどのように感じていますか。
YUNA RUIはもともと中間に立つのが得意な子です。私とHINATAは割と真逆の性格なんですけど、RUIはそんな私たちの間に入って意見を出したりしてくれるんです。周りを見るのがすごく上手だなと感じています。
――周りを見る、ということは意識されていることですか。
RUI 自然と見れるようになってきたのかなと思います。特に意識しているわけではないんですけど、隙間を見つけて「これは私がやらなきゃ」と思ったり。
――HINATAさんの変化はどのように感じていますか。
RUI HINATAはすごくこだわりを持っていて、ちゃんと“HINATAブランド”があるんです。その強いところに私たちも惹かれています。その部分は変わらずに今もあるんですけど、私たちの意見を聞きつつ、自分の意見とうまく擦り合わせるのがすごく上手くなったと感じています。
――HINATAさん、意識されていました?
HINATA そんなに意識はしてないですけど、3人で一から作っていくことも沢山あったんですけど、最初は自分たちで作っていく、というのがすごく苦手でした。それもあって最初は2人に付いていくことが多かったんですけど、制作をたくさん経験していく中で、自分のポジションをつかめてきました。自分が制作するときにこうであるべき、というのが分かってきて、2人が言っていることも理解することができました。
――自分の中でこれができるようになった、とかありますか。
RUI 私はありのままでいれるようになったことです。周りを気にしてしまうこともあるんですけど、自分しかできないことはこれだ!、これが私のありのままなんだと思えるようになってきました。もっと上を追求していくんですけど、今の自分を認めてあげたい、と思うようになりました。
HINATA 暴走することが減ってきました(笑)。さっきRUIちゃんが言ってくれたみたいに、私は自分のやりたいことをやりたい、というタイプなんです。自分でだけで行ってしまう時も多かったんですけど、3人のグループというのを意識するようになったのかなと思います。自分がやるべきことと、2人に任せた方がいいことの区別も、だんだん見えてきましたし、それをどうやってファンの皆さん、私たちを知らない方にもわかりやすく伝えていくには、というのを考えれるようになってきたと思います。
YUNA 私は悪いところをどうしようというよりは、いいところを伸ばしたいな、と思うようになってきました。もちろん、スキルを上げていくためには、悪いところを直した方がいいし、合わせて良いところも伸ばした方がいいんですけど、だからといって悪いところばかりに執着してしまうと、良くないなと感じてきていて。なので今は良いところを伸ばして、人と違う魅力を身につけた方がいいなと思えるようになったのは、私の中の変化でした。
ナンバーワン、オンリーワンになりたい
――アルバムタイトルの『i』はどんな想いを込めているのでしょうか。
YUNA iScreamのiの私、愛っていう部分をたくさん叫ぶアルバムになっているのはもちろんなんですけど、iは1という数字にも見えると思うんです。ファーストアルバムという意味と、ナンバーワン、オンリーワンになりたいっていう存在になりたいという思いは、私たちの夢でもあるのでその思いをこの『i』というアルバム名に込めました。
――曲順は皆さんも参加して決められたみたいですね。
HINATA 最初は自分たちでも考えてみて、それを、3人で合わせてみたときに、同じ感じの曲順になっていたのですが、それをもとに1回3人で話し合って、スタッフさんに提案させていただいて決まりました。
――どんなイメージが反映されているのでしょうか。
HINATA 聴いていただく方は同世代も多いと思うので、自分たちが好きなアーティストさんのアルバムをどういう風に聴くか、というのを考えました。1つのライブを観ているような気持ちで聴いていただきたいという想いを込めて3人で考えさせていただきました。推し曲しかないので皆さんに頭から最後まで13曲すべてを聴いてもらうためにはどうしたらいいんだろう、と1曲1曲の曲間を何パターンも聴き直したりして選んでいきました。
――最初の段階でどの曲が一致していたのでしょうか。
RUI 13曲目の「Meant to be together」です。私たち3人がオーディションを経て、コロナ禍で無事デビューすることができて、まだまだ大きな夢に向かって頑張っていくっていう、今までの軌跡を歌詞にしていただいた楽曲です。レコーディングするときもメンバーだったり、応援してくださっている皆さんの顔を思い浮かべて、ライブのエンディングで皆さんと一緒になって歌っている光景を想像しながらレコーディングしていました。それもあり、アルバムの最後を締めくくる曲だと、みんなが思っていたんだと思います。
――これまで皆さんは同じ意識を持つために「himawari」だったらひまわりをそばに置いたりされていましたが、今回もそういったことを?
HINATA 今回自分たちでもストーリーを考えて臨みました。楽曲自体の難しさ、レベルがどんどん上がっているので、練習段階から3人でボーカルレッスンを受けたり、3人で歌のキャッチボールがちゃんとできるように、とレッスンを受けていました。
――特に印象的な曲は?
YUNA 「Eyes to Eyes」です。私はアップテンポな曲よりもバラードの方が得意なんですけど、「Eyes to Eyes」はポップなメロディーでテンポも速く、アップダウンが激しい楽曲で、自分自身の表現したい思いと言葉を乗せるのことの難しさを感じていました。でも振り切っていい感じのテイクが出たときはすごく楽しくて、新しい自分に出会えたような感覚がありました。ラップパートも今まで自分がやってみたいと思っていたので、すごく楽しかったです。
――ラップ格好いいですね。ラップで参考にされたアーティストはいらっしゃるんですか。
YUNA 影響を受けているのはBLACK PINKさんです。私が海外進出したい、と思わせてくれた憧れのアーティストです。BLACK PINKさんのラップの魅せ方がすごく大好きで、それを何回も何回も聴いてたので自然とその感じが出てしまっているかもしれないです。
――RUIさんは?
RUI 私は「Secret Love」です。この曲は三代目 J Soul Brothersさんの「R.Y.U.S.E.I.」を制作したstyさんに作っていただきました。そして直接ボーカルディレクションまでしていただきました。自分が思っているカラーとは違う目線、客観的に私たちのことを見ていただけたからこその曲になっていると思います。私はちょっと大人っぽいパートや、バラードで静かなところを担当することが多いのですが、styさんが「キュートな感じでやってみよう」と言ってくださって。それによって新しい自分を引き出してもらえた感じがして、今までになかった歌声が聴ける曲になったと思います。
――HINATAさんはいかがですか。
HINATA リード曲の「茉莉花 -Jasmine-」です。普段私はアップテンポの楽曲、リズム感がある楽曲が得意なので難しかったです。この曲がリード曲と聞いて「より頑張らなければ」と思いました。でもリクエストされたことがなかなかうまく表現できなくて、自分も途中で「大丈夫かな」と不安に思った部分もあったんですけど、メンバーからもアドバイスしてもらったりしながら試行錯誤して、すごく頑張った甲斐があった作品になったと思います。
3人がいま追求していること
――「茉莉花 -Jasmine-」はMVも公開されていますが、どんな作品になりましたか。
YUNA このMVは「茉莉花 -Jasmine-」の世界観が繊細に表されていて、そして幻想的なMVになってるんですけど、映像としても楽しむことができますし、撮影してるときから感じていたんですけど、ソロシーンから何か深読みができるMVになったんじゃないかなと感じています。例えば私のソロシーンだったら水槽が登場するんですけど、何で水槽とか額縁だったり、鳥かごが出てくるのかなど、疑問を感じてもらえるシーンもあるなって。「茉莉花 -Jasmine-」は深みのある楽曲なので、それと同時にMVも一緒に見ていただけたらより世界観が広がる作品になっていると思います。
――撮影でハプニングとかありました?
RUI ステージのシーンはスタンドマイクで、ハイチェアに座ってBARみたいなステージで歌っているのをイメージして撮影しました。これまでハイチェアでスタンドマイクで歌ったことがなかったんです。頭から通して撮影を何回もするので、みんなずっと姿勢を良くしていないといけなくて、高いヒールの靴もあまり履いたことがなかったので、大変でした。一見みんなすましてはいますけど、実はすごく頑張っています(笑)。
――注目ポイントですね。いま皆さんが追求されているものはありますか。
YUNA 私は2つあります。一つはiScreamのメンバー間でやるリハーサルの内容です。リハーサルとかレコーディングのときにどういうふうにした方がiScreamらしく表現できるのか、を追求し続けることを心がけています。やっぱり常にプロ意識を持って、自分たちの自己プロデュース力が大切にして、しっかり進んでいきたいです。あと、もうひとつは最近ハイトーンの髪の色にしているんですけど、自分にはどの色が似合うのか、というのを美容室で研究してます(笑)。
RUI 私はいろんな曲をもっと知りたいって思って、今回アルバムでいろんな種類の曲を歌わせていただいて、「つつみ込むように...」のような90’sの楽曲にもたくさん出会う機会があって、日本の昔の曲もそうですし、ブラックミュージックや、海外のR&B、K-POPなど、J-POPだけじゃなくて、幅広く音楽というものをもっと知りたくて。音楽知識をもっと追求したいなって思っています。
HINATA 私はファッションです。iScreamは歌もダンスももちろんなんですけど、ファッションとか、ビジュアルの面でも女の子の憧れになれたらいいな、ということをデビューの時からも話しているんです。海外でファッションショーがあった写真とかをリアルタイムで掲載してくれるサイトがあるんですけど、それが日本に回ってくるのは海外を通った後になることが多いので、海外の情報や、スタイリストさんが持ってきてくださった服のブランドをチェックしたりしています。将来、iScreamの衣装も自分でデザインとかできたらいいな、と思うので、そういった面でもiScreamに貢献できるように、何か少しでも情報を集められたらと思っています。
――最後に今回アルバムが出来上がってみて、どんな作品になったと感じていますか。
YUNA 自分たちの知らない部分を知ることができたアルバムになったと思います。「つつみ込むように...」をはじめ、挑戦したことのない楽曲がたくさんありましたし、曲によってディレクターさんが違ったので、「こういうやり方もあるんだ!」という発見もありました。新しいiScreamがたくさん入った1枚になっているので、ぜひ皆さんに聴いていただけたら嬉しいです!
(おわり)
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