氷室京介としての一区切り

 BOΦWY――。氷室がかつてボーカルを務めていた伝説のロックバンドだ。当時からのファンは2度、辛い思いをしなければならない。残念なことだが、横浜スタジアムはBOΦWYでいう12・24渋谷公会堂での解散ライブ、4・5東京ドームでのLAST GIGSは今年行われるであろうファイナルコンサートであると記者は思う。

 誤解を恐れずに言えば、まったく性格が異なるものである。“氷室京介”の本編は既に横浜スタジアム、もっと遡れば周南市文化会館で一つの区切りがついている。その集大成を締め括るフィナーレがファイナルコンサートなのである。骨折に花火、雷雨に中断、それこそが氷室京介のソロ25年の歴史なのである。

 氷室は前記のインタビューでこうも語っている。

 「やり終えたって感じです。すっきりしましたよ。話がいきなりすぎてファンも理解しがたいと思うんですよね。どのくらい俺がツアーの中で精神的にも大変だったかというのも多分、想像しづらいと思うんですよ。逆にハプニングがあって完成度としては、完璧なショーとしては見せられなかったかもしれないけど、俺がずっと25年間やってきた事の、なんて言うかな。真剣さはあの2日間で伝わったと思うんですよね。俺的には元々それを伝える為の2日間だったんで」。

 そういう考えに至らせた横浜スタジアム2DAYS公演。そしてその初日公演、この映像から感じられるのは、自然と溢れ出す頬を伝う涙だけではない。(文・木村陽仁)

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[写真]氷室京介の真相が映像に
[写真]氷室京介の真相が映像に

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