昨年末に横浜アリーナで行われたサザンオールスターズの年越しライブで、一部の演出が「不敬だ」などと批判されていることを巡って、ボーカルの桑田佳祐(58)が15日、謝罪文を発表した。一連の騒動について台湾メディアの蘋果日報は16日、「過激演出で“反日”のレッテル、桑田佳祐が公開謝罪で火消し」とのタイトルで報じた。

 蘋果日報は日本の一部のスポーツ紙がこの騒動について、「紫綬褒章を“道具”に」、「日本国旗には『×』」などと報じたことを紹介した。

 昨年大みそかのNHK紅白歌合戦でも生中継されたこのライブで桑田は、紫綬褒章をジーパンのうしろポケットから無造作に取り出して見せ、「ネットオークションに…」とも語ったという。また『ピースとハイライト』を歌った際にはステージ上で「×」印がつけられた日本国旗や「中國領土 釣魚島」と書かれた映像を流す演出もあった。

 こうした演出に日本のインターネット上では「陛下への不敬」「反日だ」などと批判の声が上がり、今月11日には、都内の所属事務所に政治団体が押しかける事態にまで発展。桑田は謝罪文で「感謝の表現方法に充分な配慮が足りず、ジョークを織り込み、紫綬褒章の取り扱いにも不備があった為、不快な思いをされた方もいらっしゃいました」として反省し、謝罪すると表明した。

 こうした状況を蘋果日報は「右派の人々が怒って桑田に“反日”のレッテルを貼り、説明を求めた」と紹介した。

 日本カルチャーの人気が高く、サザンと桑田の知名度も抜群の台湾。蘋果日報の報道は騒動の経過を淡々と伝える冷静なものだ。ただ、反日感情が依然強く、尖閣問題にも敏感な中国本土では桑田の謝罪文発表により、日本の一部世論に批判が高まる可能性もある。  【鈴木京子】

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