BAND-MAID小鳩ミクによるソロ・プロジェクトcluppo、自身にとっての声や言葉とは?
INTERVIEW

cluppo

自身にとっての声や言葉とは?


記者:村上順一

撮影:

掲載:22年03月17日

読了時間:約9分

 メイド姿のハードロックバンドBAND-MAIDの小鳩ミク(Gt.&Vo.)によるソロ・プロジェクトcluppoが3月9日、1stEP「hatofull」をリリースした。昨年の4月1日のエイプリルフールにソロ・プロジェクト第1弾楽曲「PEACE&LOVE」を配信リリースし、さらに同年8月10日(ハトの日)にシングル「PEACE&LOVE/Flapping wings」をリリース。そして、2022年3月9日(ミクの日)に1stEP『hatofull』には、「PEACE&LOVE」、「Flapping wings」に加え、新曲「POGO!」などを含む全6曲を収録し、cluppoの音楽性の幅広さを提示した。インタビューでは『hatofull』の制作背景に迫りながら、cluppoにとっての声、言葉とはどのような意味を持つのか、話を聞いた。【取材=村上順一】


cluppoの旅立ちの思い出とは?【独占コメント】

「POGO!」のMVはシュール!?

「hatofull」ジャケ写

――EPの制作はいつ頃から?

 シングル「PEACE&LOVE / Flapping wings」をリリースしてからですっぽ。BAND-MAIDでは計画してスタートするけど、cluppoはその場その場で進んでいくという形の方が多いですっぽ。このプロジェクトはエイプリルフールのサプライズ企画で始まったので、こんなポンポンと早いスピードでできるとはcluppo自身も思っていなかったんですっぽ。このEPには喜怒哀楽が全部入っていますっぽ。

――今回ジャケットもcluppoさんのデザインですね。

 拳銃を撃ったら弾丸ではなく“いちごミルクのハト”が出てきたんですっぽ(笑)。「PEACE&LOVE」の歌詞にある<いちごミルクにハートを溶かして>に掛かってるんですっぽ。

――カワイイ中にも、オリジナリティを感じました。

 うれしいですっぽ。こういうイラストは昔から描くのが好きだったんですっぽ。シングルの特典として製作したピックをデザインした時にスタッフから「意外と書けるんだね」と言ってもらえて。それで「じゃあジャケット描いてみる?」と提案していただいて。ピックをデザインした時からいろいろ考えていたので、そのアイデアのひとつにあった「いちごみるくのハトさん」を描きたいなと思って作ってみましたっぽ。カラーは新しい衣装の雰囲気が出せたらいいなと。

――改めてアーティストは絵が上手い方が多いという説に確信を持ちました。

 確かにBAND-MAIDでいうと、MISAも絵を描きますし、AKANEは漫画っぽいイラストが上手で、SAIKIはデザインするのが上手ですっぽね。でも、KANAMIは...(笑)。

――“画伯”的な?

 アニメの『コジコジ』は上手いっぽ。ただ、昔サインに顔を描いていた時期があって、そのイラストの目がいつもおかしくて(笑)。

――クオリティにムラがあるんですね(笑)。さて、リード曲の「POGO!」とはどのような意味があるんですか。

 「POGO!」はホッピングという意味ですっぽ。もともとは“GO PO”にしたかったんですけど、ちょっと違和感があって。それでもっとカワイイのはないかな?と調べていたらホッピングが出てきて、この曲のイメージとしてもホッピングがピッタリだったので、タイトルを「POGO!」にしたんですっぽ。

――歌詞はどのような気持ちで書いたんですか。

 cluppoは世界平和がコンセプトのひとつで、みんなをハッピーにしたいという想いが一番にあって。「PEACE&LOVE」と「Flapping wings」は優しさに寄り添うような歌詞にしたんですけど、「POGO!」は雰囲気がその2曲と違うので、ちょっと強めの言葉を歌詞に入れたんですっぽ。SNSとか情報社会の中で批判されて落ちこんでしまって前を向けないこともみなさんあると思うんですけど、マイナスに考えてしまうと幸せはどんどん離れていっちゃうじゃないですかっぽ。cluppo自身も割とマイナス思考だったりするのですが、まっすぐ顔を上げて進んでいこうよ、という気持ちがこの曲から伝わればいいなと思ってるんですっぽ。

――「POGO!」はMVも製作されていますが、どんな作品に仕上がりましたか。

 面白い要素を沢山入れたので、すごくカラフルですっぽ。情報量がとても多いので、たぶん1回観ただけでは把握しきれない発見がとてもたくさんありますっぽ。ぜひ「あれ?」と思うところを探してほしいですっぽ。

――どこで撮影されたんですか。

 群馬県にある重要文化財で、すごく高貴な場所ですっぽ。このMVにタイトルを付けるとしたら「シュール」という言葉がとても合うようなMVになりましたっぽ。ホッピングを入れたい、とリクエストをさせていただいたら、監督さんは「えっ!」と始めは困惑していましたけど、結果的にそのポッピングがいい味を出してくれましたっぽ。

「ふわふわ」のおすすめはお風呂上がり

――僕の中でcluppoさんらしさが特に出ている曲は「ふわふわ」だなと思いました。

 「Flapping wings」を制作している時からあった1曲で、当時のリード曲候補にあったんですけど、外れてしまった曲で。でも、EPだったら、バランス的にこの曲はいいんじゃないかと今回収録することになったんですっぽ。

――「ふわふわ」の歌詞にある<Balmy day>という言葉は僕の中で初めて知りました。

 cluppoも知っていた言葉ではなくて、辞書で「いい言葉ないかな」と調べている中で見つけましたっぽ。「さわやかな日」という意味で、いい言葉が見つかったと思いましたっぽ。

――韻の踏み方も気持ちいいですね。<ふわふわ Dream a dream.>の<ふわふわ>の部分が英語っぽく聞こえますし。

 それは意識してましたっぽ。はっきり言いすぎない、それこそふわふわと跳ねるような感じですっぽ。睡眠導入のような、雲や夢の中のイメージからこの曲は作詞をしましたっぽ。歌い方はちょっと強くした部分もあるけど、リラックスタイムに聴いてもらえるような曲にしたいなと思って書いたんですっぽ。

――今日、寝る前に一回聴いてみます。

 cluppo的には寝る前よりお風呂上がりの時間帯がいいかもしれないと思いますっぽ。これから寝る準備をするよ、というスイッチの切り替えに良いと思いますっぽ。

――レコーディングでのチャレンジは?

 「POGO!」はすごく早口なんですけど、これはチャレンジでしたっぽ。BAND-MAIDの楽曲でラップ調で歌うことはあっても、もうちょっとしゃがれた感じの声だったり、SAIKIにあえて寄せていたりするので、「POGO!」のようなハッピーな感じではっきりと歌う、というのはやったことはなかったんですっぽ。あと、「ふわふわ」と「voice」に関してはすごくキーが高いので、それも挑戦でしたっぽ。

――キーを下げると雰囲気が変わってしまいますしね。

 試してみたんですけど、やっぱりちょっと違うなと思ったので、このキーで頑張るしかないと思って、ボイトレの先生と「(キーが)高いね」とか話ながらレコーディングしてましたっぽ。

――ライブのことは考えていない感じですよね。

 確かにライブのことは一切考えてなかったですっぽ(笑)。BAND-MAIDも割とライブのことは考えずに楽曲を作るので、cluppoでも自然とチャレンジ精神が出ましたっぽ。

――有観客でワンマンとかもやりたいですよね?

 cluppoでもワンマンはやりたいけど、ちょっと照れくさいですっぽ。BAND-MAIDと違う感じにライブができるかなとか、いろいろ考えるんですけど。その中で強く思うのはメンバーがいないのはやっぱりどこか寂しいなって。なので、このプロジェクトでの制作中でも、寂しくてすぐメンバーに連絡しちゃってましたっぽ(笑)。

――寂しがり屋なんですね。

 寂しがり屋ですっぽー。それで、KANAMIに連絡すると「写真がみたい!」とか言ってくれるんですっぽ。

――ちなみにメンバーからこのEPの感想はもらいました?

 まだ全曲は聴いてもらってないけど、「POGO!」に関しては「今までのcluppoの曲とも全然違うね」、「BAND-MAIDじゃできないね」と各々感想をくれましたっぽ。楽しんでやれてるみたいで良かったと、母親みたいなコメントが返ってきたり(笑)。そして、AKANEに関しては「MVの撮影へ行きたかった」と他のメンバーとはちょっとベクトルが違う感想がありましたっぽ(笑)。

「Screaming」をcluppo流に置き換えたら

――「スーパースター」はモータウン的なビートですごくポップですよね。なぜこの曲最後に持ってきたのでしょうか。

 「スーパースター」と「POGO!」のどちらかをリード曲にしようと思ってたんですっぽ。歌詞を書いているうちに「POGO!」の方が今までと雰囲気が違うし、リード曲にいいんじゃないかとなったんですっぽ。でも、「スーパースター」もすごく気に入っていて、「サヨナキドリ」を変化させたようなイメージが「スーパースター」にあって、BAND-MAIDの小鳩ミクに一番近い曲なんじゃないかなと思いますっぽ。それもあって、この曲はEPの中で良い位置にしたいと思ったので最後に持ってきたんですっぽ。

――<世界は不平等>と言い切ってしまうのがある意味気持ちいいですね。

 それがcluppoらしいところなんじゃないかなと思うんですっぽ。やっぱり現実は辛い部分もありますし、この表現はBAND-MAIDにも近い部分かもしれないですっぽ。

――そして、「voice」はロックですね! 

 タイトルをどうするか、最後まで悩んだ曲ですっぽ。他の曲と比べて叫んでいるかのようなイメージの歌い方をしていて、歌詞も叫びをイメージして書いたんですっぽ。叫びにも色々あってBAND-MAIDだと「Screaming」になるんですけど、その「Screaming」をcluppo流に置き換えたらなんだろうな、と考えて作った曲ですっぽ。

――“Screaming”だと強すぎる。

 「声」とか「言葉」のようなタイトルにしたいなと思って、その中で「声」が一番しっくりくるなと思ったんですっぽ。その中でも、平仮名で「こえ」、漢字で「声」とか色々候補はあったんですけど、EPの中で一番ロックで格好いい曲になったので、英語の「voice」に決めたんですっぽ。

――ちなみに「声」や「言葉」というのはご自身にとってどんな存在ですか。

 小さい頃から歌うのが大好きで、歌手になりたいと漠然とは思っていましたっぽ。学生の頃からずっと放送部をやっていたのもあって、大きくなってからも声を使ったお仕事をしたい、とはずっと考えていたんですっぽ。そんな幼少期からの気持ちもあったので、cluppoから声を取ったらどうなっていたのか、というぐらい声や言葉というのは重要な要素なんですっぽ。

――放送部だったんですね。

 昔からアナウンサー事典みたいなイントネーションの本を読んでいて、アナウンスの大会にも出場したことがあるんですっぽ。これを話すとみんなにびっくりされますっぽ(笑)。

――どんな大会なんですか。

 原稿用紙1枚分の原稿を自分で作って、それを1分半で読む、という大会ですっぽ。

――成績は?

 熊本大会で2位で九州大会にも出場しましたっぽ。

――アナウンサーになっていた未来もあったわけですね。

 大人になるにつれ歌手になりたいという夢が、ちょっと恥ずかしくなる時期ってあるじゃないですか。それを素直に話したら話したで「現実を見なさい」と、大人に諭されたりするので、表立って話すときは「夢はアナウンサー」と話していたんですっぽ(笑)。

――EPのリリースが卒業シーズンなので、新しい一歩を踏み出す皆さんにエールをお願いします。

 今までいた場所などの環境が変わったり、住むところも変わる人もいると思いますっぽ。友達ともう頻繁に会えなくなるとか、もしくは好きな人や先輩後輩と離れてしまうことに不安を感じる人もいるかもしれないですっぽね。別れというのはマイナスのイメージが大きいけど、新しい出会いがあったり、プラスを感じるいいチャンスだったりもすると思いますっぽ。

 マイナスに考えることも必要だけど、じゃあ、そこから自分はどうしたらいいかと考えられる、良い機会にできたらいいんじゃないかなと思いますっぽ。cluppoの曲にもそういう気持ちに寄り添う言葉をたくさん詰め込んでいるので、歌詞に注目して聴いてもらえたら、少し落ち込んだりしたときも、元気になれると思いますっぽ!

(おわり)

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