デビュー35周年イヤーを迎える演歌歌手・香西かおり(58)が、ニューシングル「恋街しぐれ」をユニバーサル ミュージックから3月16日に発売するのに先がけて15日、同曲を作詞した里村龍一さん(享年72)=昨年10月5日にアルコール性肝硬変のため都内の自宅で死去=の遺骨が安置されている東京・築地の築地本願寺・納骨堂を訪れ、献花した。

 今度の新曲は、1988年5月25日発売のデビュー曲「雨酒場」を作詞した里村龍一さんと、香西の恩師の作曲家・聖川湧さん(78)のコンビによる作品で、里村さんにとっての遺作だ。

 この日は、里村夫人・綾子さんと作曲家・聖川湧さんも同席し、3人で納骨堂に花を手向けた。その献花のあと、香西は「自分の周年には里村先生と聖川先生に作品を書いていただきたいと思っていて、残念ながら里村先生が生きていらっしゃるときには間に合わなかったのですが、何とか私の周年には滑り込みセーフで発売することができました。これが遺作じゃなければよかった。先生には生きていてほしかった…。でも、里村先生の奥さまから『先生から私に対しての思いだから』といってこの詞をいただき、35周年記念曲として発売できるのは何よりもうれしいです」と目を細めた。

香西かおり

  納骨堂を訪れた香西は「会いに来たよ~!」と、故人に明るく声をかけたそうで、「先生は明るい方だったので、そんな感じで声をかけさせていただきました」。そして、「先生は豪快で、ヒグマのような大きな方でしたが、すごく繊細な部分があって、やさしい先生でした」と故人をしのんだ。

 そんなデビュー以来の香西を知り尽くした作家陣によって生まれた新曲は「悲しみを、悲しいだけじゃなくて、どこかほっとするメロディーに乗せて伝えられる、そんな香西かおりのメジャー演歌が誕生したのが非常にうれしいです。ファンの皆さんもきっと待っていてくださったのではないかと思います」と、期待通りの記念曲が出来上がった。

 「35年はあっという間でした。こんなに長くやれている自分を想像していなかったので、それは幸せだったなと…。今日まで支えていただいた皆さんには、改めて感謝しています。よくレッスン終わりに聖川先生と里村先生と食事をしながら、そんな会話の中からたくさんの歌が生まれて、そういう幸せな時間や景色が思い浮かびます」と35年を振り返りながら「これからは、とにかく元気で、1曲でも多く皆さんに聴いていただけるように頑張って歌っていきたい」と意欲を燃やしていた。

 その後、浅草のCDショップ「音のヨーロー堂」に移動し、ニューシングル発売記念生配信ミニライブを開催。「このステージに上がるのは、2016年以来、6年ぶりです。今日はわずかな時間ですが、共にリラックスして最後まで楽しんでいってください」と笑顔であいさつし、デビュー曲「雨酒場」をはじめ、代表曲から「無言坂」「酒のやど」、そして翌日発売の新曲「恋街しぐれ」の全4曲を熱唱。

香西かおり

 「この模様は、世界に配信されているんですか? すごいですねえ。ここにいらっしゃった皆さんはわずかですけれど、この画面から向こうにいらっしゃる人たちにも精いっぱいの思いと歌が伝わるといいなと思います。これからもコツコツと、あせることなく、元気にいい歌を皆さまにお届けできるよう頑張って歌っていきたい」と呼びかけた。

※撮影時のみマスクを外して撮影。

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