[写真]Draft Kingがワンマンでファンを魅了

Draft King

 ステレオポニー解散から約2年、そのメンバーが中心となり2013年1月に結成されたバンドDraft Kingが自身3回目となる「Draft King one-man LIVE ~mission ZERO~」と題したワンマンライブが17日、東京・渋谷eggmanで開催された。

 Draft KingのメンバーはのベースのNOHANA(ex.ステレオポニー)、ドラムのSHIHO(ex.ステレオポニー)、ステレオポニーのサポートギタリストであったMAOの3人が中心となりヴォーカルにericaを迎え結成された4人組ガールズロックバンドだ。

 そして2014年11月にサンミュージックプロダクションが創立47年目にして初めてガールズロックバンド「Draft King」と契約する事を発表し、所属後初のワンマンライブとなる。

 彼女らの音楽は疾走感のあるロックサウンドが特徴で実に爽快だ。しかし一筋縄ではいかない展開をみせる曲もありスリリングな一面も。結成約2年にして3度目のワンマン果たしてどのようなライブになったのか、以下の通りレポートする。

 チケットはSOLD OUTし会場は既にファンで埋め尽くされていた。

 午後7時を少し回ったところでオープニングに同じサンミュージック所属のスギちゃんが登場。「ワイルドだろう~」のおなじみのコントで会場は爆笑に包まれた。そして自身のメジャーデビュー曲である「GOLDY PYRAMID」(『なめこのCD2』に収録)も熱唱した。

 このライブのSpecialGuestスギちゃんのステージが終わり緊張感漂うSEが流れた後、引き継ぐように今回の主役であるDraft Kingが登場。

 オープニング1曲目、MAOのギターリフからスタートする4つ打ち系ロックナンバー「罪と罰」で会場は出だしから最高潮。続けてPopな「エレクトリック」とノリのよい曲が立て続けに演奏された。出だしからパワフルな演奏でオーディエンスを魅了していく。

 1回目のMCでericaがスギちゃんと同じ栃木出身だということで親近感があると語り。そのericaの時折出る訛りも好印象だった。

 そして「I'm Serious」「Love You」「ice cream」と3曲続けて披露し、ericaの上京した時の心境を歌詞にしたという3連系バラード「満月」を演奏。会場もその世界観に浸っていた。この「満月」を皮切りに「bombs away」などバラードナンバーをしっとり歌い上げた。

 MCでは渋谷eggmanのライブが今回で32回目になることや、衣装を新調した事を語った。衣装にはDraft Kingのマスコットキャラクターであるキリン柄を織り交ぜたとの事。各々の衣装の一部に盛り込まれていた。

 MCを挟み「シティボーイの憂鬱」「Rock You!!」そしてWinkのカバーである「愛が止まらない」などを演奏。

 筆者的に「シティボーイの憂鬱」はこのバンドの真骨頂だと感じた。なぜならリズムが3連になったりサビで4つ打ちになったりとめまぐるしく展開していく曲は以前インタビューで作曲を主に担当しているMAOが「私は、間奏でいきなりおかしなフレーズになるトリッキーなフレーズを作るのが好きで、よく入れていますね」と語っていたところからDraft Kingが他のガールズバンドと一線を画す要因はこういうところではないだろうか。

 カバーの「愛が止まらない」ではオリジナルよりもテンポアップしてROCKナンバーに仕上げていたのも印象に残る。

 SHIHOの安定したパワフルなドラム、NOHANAのグルーヴィーなベース、MAOのワイルドなカッティング、小柄ながらも力強い歌声のerica、この4人が紡ぎだすサウンドに会場はどんどんヒートアップしていく。

 そしてMCでファンには嬉しいニュースが。来年ニューシングルを発表することを報告。気になる楽曲はなんと海援隊の「贈る言葉」だ。早速その楽曲もこのライブで披露されDraft Kingらしいロックチューンにアレンジされていた。

 ガールズバンドでこの楽曲のカバーは初との事。これからの卒業シーズンに向け盛り上がれる楽曲に仕上がっていた。ファンの方達は2015年の発売を是非楽しみに待っていてほしい。

 続けて「誓いの歌」「真夜中メリーゴーランド」を演奏。「真夜中メリーゴーランド」ではメリーゴーランドが回るかのようにサビでオーディエンスが曲にあわせてタオルを振り回ます。そしてこの曲をもって本編は終了した。

 アンコールではクリスマスが近い事もあり、ワム!の「ラストクリスマス」を披露。しっとりと始まったのでオリジナルに近いアレンジかと思いきや、ここはロックバンドDraft King、一辺倒にはいかない。しっかりロックチューンにリアレンジされ会場を盛り上げていた。

 そして今年6月にタワーレコード限定で発売された1st Single「Just Say u.r.?」にも収録されているキラーチューン「Hey My Love」と「アブラカタブラ」を演奏。全18曲を披露し3度目のワンマンライブの幕を閉じた。

 決して順風満帆ではなかったバンドDraft Kingだがこのライブを拝見して感じた事はバンドの幅広い音楽性、そしてしっかりした演奏に裏付けされたソングライティング能力、まだまだ可能性を秘めていてこの4人でしか出せない音とパフォーマンスを武器に唯一無二のバンドになっていくだろうと確信した。

 CD音源を聴くだけでも勿論良いが是非このバンドはライブも体感してもらえたらと思う。それほどライブバンドだということを痛感したサウンドとパフォーマンスだった。これからのDraft Kingの活動に注目していきたい。  【取材・上村順二】

Draft King ワンマンLIVE mission ZERO at 渋谷eggman セットリスト
1.罪と罰
2.エレクトリック
3.I'm Serious
4.Love You
5.ice cream
6.満月
7.bombs away
8.This is me
9.シティーボーイの憂鬱
10.ROCK YOU!!
11.愛が止まらない
12.Tell me how to say I'm sorry
13.贈る言葉
14.誓いの歌
15.真夜中メリーゴーランド

-EN-
16.ラストクリスマス
17.Hey My Love
18.アブラカタブラ

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