aikoが13日と14日の2日間、東京ガーデンシアターで全国ツアー『aiko Live Tour「Love Like Pop vol.22」』のファイナル公演を開催した。このライブはもともと9月1日に行う予定だったもので、振替公演として開催された。ライブは最新アルバム『どうしたって伝えられないから』収録曲を中心に、9月にリリースされたシングル曲「食べた愛」や、代表曲のひとつ「ボーイフレンド」など新旧織り交ぜたセットリストで、ダブルアンコール含め全29曲を披露。洗練された“aiko流ポップミュージック”を約3時間に渡り届けた。さらに、MCで入籍したことをファンに報告するサプライズも。多幸感に満ちたライブの模様を以下にレポートする。

“楽しい”しかない時間を届けます!

 この日はコロナ禍の影響で延期を繰り返したツアー最終日ということもあり、このツアーの集大成となることは容易に想像できる。13日のライブもSNSで大きな反響があり、それを見たファンの期待値も高まっているのではないだろうか。

 会場に流れるBGMに合わせクラップで、開演を待ち侘びるオーディエンス。会場が暗転し、青い光が天井を照らす。ドラマチックなオープニングから、幕が落ちるとグリーンの衣装に身を包んだaikoが登場。インナーと靴下はピンクというコーディネイトだ。

(撮影=岡田貴之)

 届けられたのは今年3月にリリースされた最新アルバム『どうしたって伝えられないから』に収録されている「Last」でライブの幕は開けた。憂いを帯びたaikoの歌声が会場に響き渡る。<ずっと約束してほしい ずっとここにいて欲しい>という歌詞がラブソングという解釈だけではなく、ファンに向けて語りかけているようにも聞こえ、aikoとファンとの関係値の大きさを感じさせたスタートだった。そして、グルーヴィなビートに乗って、ノリノリで歌い上げる姿が印象的だった「磁石」で、ライブならではの熱を届ける。序盤の2曲で早くもaikoワールドに誘った。

 ライブの最終日を迎えられた嬉しさを話し、「“楽しい”しかない時間を届けます!」と頼もしい意気込みから、「Smooch!」へ。メインステージから伸びた花道を通り、よりオーディエンスと近い距離でのパフォーマンス。振り上げるオーディエンスの腕にも力が入る。そして、一体感のあるクラップとサビでの会場が一体となった振り子のような腕が美しい光景を生んだ「シアワセ」。ライブというのはステージとフロアで作り上げる、そんなことを強く感じさせてくれた。

 aikoが軽快なステップをイントロで見せた「列車」から、生のストリングスによる幽玄なサウンドが印象的に響いた「宇宙で息をして」を披露。aikoの歌声もとても伸びやかで、ロマンチックな空間を作り上げていた。

 サポートメンバーがこのツアーを振り返るMCに続いて、バラードナンバーの「えりあし」を届けた。この季節にぴったりな切ない楽曲を、オーディエンスは静かにaikoの歌声に耳を傾ける。そして、ブラス隊の煌びやかなサウンドが楽曲を彩った「メロンソーダ」と、緩急をつけたセットリストで様々な表情を見せ、「ばいばーーい」では、aikoの全身が共鳴しているようなダイナミックな歌声で魅了した。

(撮影=岡田貴之)

 ここで、オーディエンスから事前に募集した質問やメッセージに答えていくコーナーへ。タブレットで質問をチェックするaiko。チョイスされたのはこれから手術を行う人や、詐欺にあってしまった人など、なかなか重たい内容だが、サポートメンバーやオーディエンスにも相談するなど、aikoならではのアットホームな空間を作り上げ楽しませた。

サプライズで結婚を報告

(撮影=岡田貴之)

 あっという間にライブは後半戦へ。メロウな「しらふの夢」から、ライブアレンジが施された「シャッター」へ。ブラスサウンドが効いた躍動感のあるアレンジで新たな楽曲の一面を見せてくれた。続いての片思いの切なさ溢れる「食べた愛」では、aikoのトランスペアレントな歌声を堪能。幅広い音楽性で楽しませてくれる。

 ここで、一気にギアを上げたaikoが届けたのは「心日和」、「ドライブモード」と、パワフルなステージングとエネルギッシュな歌で魅了する。オーディエンスも身体を弾ませながら、aikoのパフォーマンスに応えるようにクラップで盛り上げた。さらにテンションを上げた「夢見る隙間」は、ゴージャスなサウンドとド派手な照明も相まってにボルテージは最高潮だ。最後のサビで登場する感情を揺さぶるロングトーンも圧巻で、アグレッシブなステージで大いに盛り上げた。

  「あともうちょっとで終わってしまう…」と寂しそうに話すaiko。ここで男子、女子と分けてaikoのコールに応えるライブ恒例のコーナーへ。いつもならコール&レスポンスで盛り上がる場面だが、コロナ禍ということで今回はジェスチャー。この日は年の瀬も近いということで、大掃除にちなんだアクション。男子は「はたき」をかける仕草、女子は「掃除機」をかけるジェスチャーで楽しんだ。

 ひとしきり体を動かし、ラストスパートに持ってきた楽曲は「58cm」。ラストサビでは紙吹雪がキラキラと舞い落ちる中、鮮烈な歌声を届けた。本編ラストは「ストロー」を投下。ポジティブなエネルギーで満たされる中、aikoはステージを後にした。

 アンコール1曲目はバラードナンバー「あたしたち」。黒のツアーTシャツに赤いパンツルック衣装にチェンジ。3拍子のリズムに身を委ねるように優雅を歌声を響かせ、エンディングで見せた穏やかな表情も印象的だった。aikoは「ライブで曲を届けることが幸せなので、みんながそれを受け止めて楽しい気持ちになってくれたら嬉しい。ライブが終わったら頑張って曲を作る!」と宣言し、「みんなに届きますように。いつも一緒にいます」と想いを伝え、最新アルバムのラスト飾るバラード「いつもいる」を歌唱。情感を込めた歌声が、このコロナ禍で弱ってしまった心を癒してくれるようだった。

(撮影=岡田貴之)

 最後の挨拶を終え、ライブも大団円を迎えたかと思ったが、オーディエンスの熱い“足踏み”によるアンコールに応え、「最終日なので楽しい時間を設けているに決まっているじゃないですか」と、「ボーイフレンド」など4曲連続で披露。ライブがいまスタートしたばかりなんじゃないか、と思わせるようなパワフルなステージで、会場もさらなる熱気に包まれた。

 aikoがライブを締め括る挨拶で「ライブが終わってしまうのはすごく淋しい。だから、みんなと一緒にもっと楽しいことをわかちあいたいのでご報告です。結婚しました〜!」と、サプライズで入籍したことを報告した。祝福する盛大な拍手が会場に轟いた。コロナ禍で報告するタイミング逃してしまい、今になってしまった、ライブのMCで直接伝えたかったと、昨年入籍していたことを明かした。驚きを隠せないオーディエンスとサポートメンバーたち。

 aikoは「心の底から結婚したいと思う人に出会うことができました。これからもたくさん恋愛の曲を書きます」と告げ、「beat」披露。多幸感に満ちた空間で、aikoの歌いたいという気持ちが溢れ、永遠にこの瞬間が続くのではないか、と錯覚するほど充実した時間。最後に、盛り上がり必至の「be master of life」を全身全霊のパフォーマンスで届け、「ファンのみなさんに一番最初に言いたかったので、(結婚したこと)言えてよかったです。みんなのおかげで楽しく過ごすことができました。こんなに歌ったの初めてかも(笑)」と嬉しそうに告げ、全国ツアー『Love Like Pop vol.22』の幕は閉じた。

(撮影=岡田貴之)

 ここにいる一人ひとりに楽しんでほしい、そんな想いが終始詰まっていたライブで、aikoとオーディエンスの絆がより深まったステージだった。12月22日にZepp Tokyoで『aiko Live Tour「Love Like Rock vol.9」』振替公演を開催するaiko。年内まで彼女のメッセージ、愛を受け取れそうだ。

セットリスト

aiko Live Tour「Love Like Pop vol.22」

12月14日@東京ガーデンシアター

M1.Last
M2.磁石
M3.Smooch!
M4.シアワセ
M5.列車
M6.宇宙で息をして
M7.えりあし
M8.メロンソーダ
M9.ばいばーーい
M10.しらふの夢
M11.シャッター
M12.愛で僕は
M13.食べた愛
M14.心日和
M15.ドライブモード
M16.夢見る隙間
M17.58cm
M18.ストロー

アンコール

M19.あたしたち
M20.冷凍便
M21.いつもいる

ダブルアンコール

M22.プラマイ
M23.陽と陰
M24.未来を拾いに
M25.ボーイフレンド
M26.beat
M27.mix juice
M28.Loveletter
M29.be master of life

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