[写真]日本人ミュージシャンiwaptがフィリピンで活路

フィリピンのローカルテレビ局の情報番組に出演したiwapt(右から2番目)と出演者たち 拡大写真

 無名の日本人ミュージシャンがアジアで活路を見出そうとしている。インディーズとして活動する男性ミュージシャンのiwapt(イワプト)だ。海外での展開を行おうと2006年にフィリピンに渡った。彼の音楽はヴィサヤ諸島などで評価され、ローカルテレビおよびラジオへの出演が増えているという。現在の活動拠点は日本にあるものの、今後もフィリピンでの活動に力を入れていく。

 このiwaptという人物。日本では全くの無名のインディーズミュージシャンだ。主に「DTM」(デスクトップミュージック)を活用して、ポップスからロック、ヒップホップまで多彩なジャンルの楽曲を創作している。

 フィリピンでの活動のきっかけは約9年前。ダイビングで訪れたセブ島で、自身のオリジナル楽曲を現地の人々に聴かせたところ「曲いいね」とノリノリ。この姿に好感触を持ったiwaptは、日本でヒップホップ等を手掛ける音楽プロデューサーからの「可能性は秘めているが日本では難しい。海外での展開はどうか」という助言でフィリピンに渡ることを決めた。

 なんの伝手もないなか、フィリピンのレコーディングスタジオにデモテープを送ったところ、スタジオのオーナーに受け入れられ、現地では著名のフィリピン人ミュージシャンと一緒にレコーディングすることに。更に、楽曲「Dr.Clinic」「ClubMandaue」「バスルーム」を共作することにもなった。

 この出会いをきっかけに「面白い音楽を作る日本人がいる」と名を広め、ローカルテレビのドラマ番組でBGMを担当、ローカルラジオへの出演が立て続けに決まった。ラジオ文化が根強いという同地域では、ラジオ出演の影響は大きいという。

 現地で知名度をあげた彼に、大手テレビ局『GMAネットワーク』のセブにあるローカル局『GMA Cebu』から出演オファーが届いた。ヴィサヤ諸島では人気を集める朝の情報番組『Buena Mano Balita』だ。視聴率12%を誇る同番組に、iwaptは10月24日に出演。オリジナル楽曲を歌唱したほか、キャスターのYORIEさんからインタビューを受けた。

 この番組への出演で更に注目を集めたiwaptは、現在もメディアへの出演オファーが相次いでいるという。

 ただ同地域での注目ぶりに反して日本ではさっぱりだ。それでも「心の奥深いところで感じたものを音楽として発表していきたい」、「フィリピンでは私の事を応援してくれる仲間がいます。この仲間を信じて今後音楽活動を進めていきたい」とアジアでの展開に意欲を示している。

 ヴィサヤ諸島で話題を集めたiwaptは今後、活躍の場を広げることができるのか。彼のアジアでの挑戦は始まったばかりである。

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