バイオリニストの川井郁子が1日、都内でアルバムデビュー20周年記念特別公演企画 奏劇『月に抱かれた日~ガラシャとマリー・アントワネット~』の生演奏付き、舞台映像特別試写会を開催した。

 2021年12月14日より新国立劇場でバイオリニスト川井郁子アルバムデビュー20周年記念特別公演企画 奏劇『月に抱かれた日~ガラシャとマリー・アントワネット~』を上演する。最先端の映像技術立体ホログラム&CGと川井郁子の音楽が創り出す新しい音楽舞台。12月の舞台上演に先駆けて、ハイライトシーンの舞台映像を初披露。

 昨年、新型コロナウイルスの影響で音楽界もコンサートや講演など様々な催しの中止を余儀なくされ、アルバムデビュー20周年を迎えた川井郁子も例外ではなかった。そんな中でも、今自分たちにできることをと、舞台のハイライトシーンを撮影することにした。舞台芸術の新たな世界観を探求しつづける川井郁子が音楽とダンス、そして立体ホログラムやCGを駆使した最先端の映像技術と豪華コラボレーション。“Unframed(アンフレームド/枠にとらわれない)”というアイデンティティを見つめ直し、魅力と才能が凝縮した新しいスタイルの音楽舞台が創り出される。

 特別試写会では川井郁子がステージに登場し、挨拶のあとエドワード・エルガーの「愛のあいさつ」を生演奏。美しいバイオリンの音色が会場に響き渡った。続いて、川井の長女である川井花音(かわいかのん)をステージに呼び込み、ヨハン・パッヘルベルの「カノン」を、花音の優しいアコースティックギターの伴奏に乗って、川井郁子がバイオリンを奏で親子共演が実現した。

川井郁子と川井花音

 そして、この舞台で細川忠興の幼少期を演じる三井高聡(みついたかあき)がステージに登場。花音と三井は幼稚園で同級生だったことを明かされたが、互いに覚えていないという。

 川井が司会進行を務め、2人に質問を投げかける。

 舞台を経験してみてどう感じたのか、という質問に三井は「初めての舞台だったので楽しむというよりも緊張が勝っていたんですけど、楽しくできました」と緊張していたことを伝えた。

 劇中で細川ガラシャの幼少期を演じる花音は「今回の舞台は演劇ともミュージカルとも違ったので、何をお手本にしたらいいかわからなかった。なので実際にやってみてカメラに映った自分を確認して改善して臨みました」と。

 続いて、衣装について花音は「白無垢は憧れの衣装だったので、すごく重かったんですけど、着れて嬉しかったんです。白無垢全体を動かそうという感じで動かさないとついてこなくて、扱い方が難しかったです」と、衣装を着ての動き方に難しさがあることを語った。

 そして、細川護熙元首相の孫の三井は今回演じた細川忠興の子孫にあたるということで、先祖のことで調べたことは? という問いに、「目白台にある永青文庫で調べたことがあります。あと、両親や祖父母から話を聞いたりしました」と述べた。(永青文庫は日本・東洋の古美術を中心とした美術館)

 自身が演じる細川ガラシャについて花音は「斬新で勇気のある人だったんじゃないかなと思いました」と、細川ガラシャのイメージを話した。

 12月に行われる奏劇『月に抱かれた日~ガラシャとマリー・アントワネット~』について楽しみにしていることは? と聞かれると三井は「これまでで一番大きな舞台で演じることになるので、緊張と楽しみが半分半分くらいなんですけど、本番には強い方だと思うので頑張ります」と語り、花音は「公演まで何カ月かあるので、母と話し合って、今よりもっと良い演技が出来るように頑張ります」と二人三脚で切磋琢磨していくことを語った。

 最後に川井郁子は「ガラシャとマリーアントワネット、その人間のストーリーだけではなく、音楽の持つ無限の表現力を活かして、俯瞰した目で見つめるような表現を加えられたら」と話し、「音楽と演劇が一体化した音楽舞台として楽しんでいただきたいです」と語った。【村上順一】

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