BAND-MAID小鳩ミク、ソロプロジェクトcluppoで魅せた新境地
INTERVIEW

cluppo

BAND-MAID小鳩ミク・ソロプロジェクトで魅せた新境地


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年04月10日

読了時間:約9分

 メイド姿のハードロックバンドBAND-MAIDの小鳩ミク(Gt.&Vo.)がソロ・プロジェクトcluppo(くるっぽ)を始動。4月1日のエイプリルフールに第1弾楽曲「PEACE&LOVE」を配信リリースした。「PEACE&LOVE」はHIPPIE-POPPO(ヒッピーポッポ)という新たな音楽ジャンルを生み出し世界平和を願って制作された曲で、cluppoのさまざまな歌声の表現を堪能できる1曲に仕上がった。インタビューではソロ活動を開始した経緯から、「PEACE&LOVE」の制作背景、ミュージックビデオ(MV)の見どころなど、多岐に亘り話を聞いた。【取材=村上順一】

BAND-MAIDではできないことをやりたい

「PEACE&LOVE」ジャケ写

――このタイミングでソロ作品が出るとは思っていなかったのでびっくりしました。ソロ活動はずっと考えていたことだったのでしょうか。

 ソロ活動は機会があればやりたいなと思っていたことではありましたっぽ。エイプリルフールの4月1日には毎年のようにご主人様・お嬢様へ向けてのサプライズ企画を実施していたんですけど、今年の4月1日は小鳩のソロ活動、楽曲がサプライズになりましたっぽ。BAND-MAIDとは曲も雰囲気も違うので、新しいことにチャレンジする感覚でやっていますっぽ。BAND-MAIDとはまた違う切り口で、すごく楽しくできていますっぽ。

――BAND-MAIDメンバーの皆さんはソロ活動にどのような反応をされていましたか。

 メンバーのみんなはすごく喜んでくれて「面白そうだね」「何やるの?」と聞いてくれたり、ソロ活動に興味を持ってくれてましたっぽ。

――今回ソロ活動の名義がcluppoですが、他にもお名前の案はあったんですか。

 たくさんありましたっぽ。いろんな案をスタッフと一緒に考えて、1周回って今の名前に決まりましたっぽ。他には数字の“810”(ハト)だったり、他にも“ピジョンファクトリー”とかあったんですけど。ご主人様やお嬢様だったらこの名前を聞いたときに、小鳩だとわかってくれると思ったのと、海外の方からも分かりやすい名前にしたかったのもあって、clpuppoに決まったんですっぽ。

――今回このスタイルになった経緯はどんな感じだったんですか。

 具体的に何をやるかを決めて始まったわけではなかったんですっぽ。エイプリルフールにリリースしようと決まってからどんなコンセプトにしようかと考えて、BAND-MAIDではできないことを敢えてやりたいと思いましたっぽ。BAND-MAIDのテーマは世界征服、cluppoだったら何にしようかなと考えて世界平和をテーマにしたいと思って、そこからいろいろ膨らませていきましたっぽ。衣装は世界平和を意識してカラフルにしたんですけど、BAND-MAIDは黒系なので対照的でそれもいいなと思いましたっぽ。

――HIPPIE-POPPOという新たなジャンルが生まれた経緯は?

 曲調はどうしようかと考えたときに、ヒッピーの文化は世界平和というテーマにも繋がるんじゃないかとまず思ったんですっぽ。それは人種差別や男尊女卑をなくそうというムーブメントのもとに生まれた文化だったので、時代背景として70年代だったらご主人様やお嬢様(ファンの呼称)でも通っている方も多いと思ったのと、聴いた時に全くなじみのない音ではないんじゃないか、ということでヒッピー要素を取り入れることにしましたっぽ。そこからCrowというチームにお願いして楽曲を作っていただいて。

――Crowというのは?

 cluppoがハトなので対照的なカラスを名前に冠した制作チームですっぽ。一般的にハトとカラスは敵対する者というイメージなんですけど、平和を求めて手を取り合って仲良くなりましょう、という意味があるんですっぽ。メンバーについては秘密ですっぽ。(笑)

新境地となった歌の表現方法

cluppo

――ヒッピー文化には以前から興味はあったんですか。

 カラフルな衣装にしようと思った時に、70年代は色が溢れている鮮やかなイメージがあったので、ぱっと見にも明るさが分かりやすくていいかなと思いましたっぽ。あとは、ヒッピーに寄り添いすぎず今の感じも取り入れた衣装にしたいなと思って。曲調に関してもそれはありましたっぽ。

――衣装も和を取り入れた感じもあって格好いいですね。一番気にいっているポイントはどこですか。

 BAND-MAIDでは今回のcluppo衣装に施されているようなモールでお花は絶対にないので、そこは新鮮ですごくハッピー感があって気に入っているポイントですっぽ。あと今回はカチューシャがないので、それも結構イメージが変わるんじゃないかなと思っていますっぽ。

――何曲か候補曲があったとのことなんですけど、今回この曲が選ばれたのはどんなところにあったんですか。

 一番ハッピー感があるのがこの曲でしたっぽ。スピード感だったり耳なじみの良さも決めてで、メロディーのポップさもイメージに合うなと思いましたっぽ。

――歌詞にジンジャーエールと固有名詞が入ってるのもポイントかなと思いました。

 それは意識して入れた部分でもあって、歌詞を書くために世界平和についても調べましたっぽ。いつもBAND-MAIDで書いている歌詞は闇要素が強いんですけど、cluppoではハッピーな要素をいっぱい詰め込もうと思って、かわいらしさだったりポップ感が出る言葉を選んで、世界平和というテーマも意識して、タイトルを「PEACE&LOVE」にしましたっぽ。

――どんな調べ方を?

 例えば世界平和について歌っているアーティストの曲だったり。「ウィ・アー・ザ・ワールド」などもあらためて聴いていましたっぽ。その中で自分はどんな要素が好きなのかなとか、ハッピーになれるものというのを考えていく中で、パチパチと元気よく弾けるものにハッピーを感じたので、それならば炭酸とか連想したり。炭酸飲料はあまり飲めないんですけどっぽ(笑)。

――“ハッピー感”というのが大切だったんですね。

 そうなんですっぽ。歌詞に出て来る<いちごミルク>もハッピー感があるなと思って、ハッピーな言葉を比喩するものを色々考えましたっぽ。あと、変化を恐れないで、というメッセージを歌詞に入れているんですけど、啓示しているような言葉はあえて英語にしていますっぽ。日本語で書いたら3行ぐらいになってしまうところを英語でぎゅっと縮めた感じなんですっぽ。

――<偏見とか邪魔しないで>というフレーズがあるんですけど、生活していく中で偏見を感じることも多いんですか。

 自身が身近で思うということより、大きい視点にはなりますが、国際問題だったり人種差別というのはすごく難しい問題で、そういうのがない世界が素敵だよ、というのをこのフレーズに込めましたっぽ。

――すごく強いメッセージが込められているんですね。さて、レコーディングはいかがでしたか。

 いつもの小鳩ミクはありつつも、BAND-MAIDの小鳩ミクとは違うことにも挑戦したいというのがまずあったんですっぽ。BAND-MAIDと同じボイストレーナーの先生とお話しして、歌い方について一緒に考えましたっぽ。Aメロは今まで自分ではやったことがない、力を抜いたアンニュイな感じを表現してみましたっぽ。喉の感じを変えて絞るような歌い方は新しい挑戦で練習しましたっぽ。サビではアイドル要素を取り入れた歌い方、後半の強くなっていくところは“小鳩らしさ”を全面に出していますっぽ。

――セクションによって声を使い分けているんですね。

 BAND-MAIDの時は曲やSAIKIの歌い方によってコーラスで声色を変えるというのは結構やっていたんですけど、BAND-MAIDでの小鳩ソロヴォーカル曲の時はよりシンプルにというのがあって、今回みたいにセクション毎にこだわったのは初めてでしたっぽ。今回の曲をKANAMIに聴いてもらったら「小鳩っぽくない」と(良い意味で)言ってもらえて、新しい小鳩ミクを見せたかったのですごく嬉しかったですっぽ。

挑戦するということを突き詰めていきたい

――ゼマイティス(楽器ブランド)からシグネイチャーギターのA24MF-FP “Flappy Pigeon”が発売されましたが、今回使われているんですか。

 レコーディングはCrowの方に弾いていただいたんですけど、MVではcluppoがギターを弾いている姿が見れますっぽ。でも今回はシグネイチャーギターは使ってないんですっぽ…。あのギターは小鳩ミクモデルということでBAND-MAIDで使っていますっぽ。

――MVの見所は?

 MVではゼマイティスのギターを5本くらい使いましたっぽ。BAND-MAIDだとサウンドの関係でなかなかホロウボディのギターは使えなかったりするんですけど 、cluppoだからこそそういったギターも使えると思って。ゼマイティスにはこんなカラーのギターもあるんだよ、というのを知っていただけるようなMVになりましたっぽ。あと、今回そんなに得意ではないんですけどダンスにも挑戦しましたっぽ。ちょっとした振り付けがあれば、みんながハッピーになれるんじゃないかなと思ってやってみましたっぽ。

――振り付けを考えてくださった先生から何かいい言葉言ってもらえましたか。

 「覚えるのが早い」と言っていただけましたっぽ。今回ちょっと踊ってみて新鮮な気持ちになりましたし、新人みたいな感覚もあって、BAND-MAIDでは味わえない緊張感がありましたっぽ。あとバンドでは5人いるから安心感もあるんですけど、ソロだと本当に一人なので照れくささもすごくあって。そして今までにないぐらい顔のアップシーンが多くて、ちょっと恥ずかしくて最初直視できなかったんですっぽ(笑)。

――ちなみに人生で一番緊張した瞬間というのはいつでしたか。

 今回のソロ活動も初めてのことなのですごく緊張したんですけど、BAND-MAIDで初めてお給仕(ライブの呼称)をした時が一番緊張しましたっぽ。あとは今までよりも大きな会場でやるときはいつも緊張しますっぽ。

――新しいことに挑戦する時なんですね。最後にcluppoとしての展望を教えてください。

 まだこの先、ソロプロジェクトがどのようになっていくのか決まっていないんですけど、cluppoは世界平和に向けて飛び続けていきたい願望はありますっぽ。今回は現代のテイストも取り入れたアレンジになっているんですけど、もっと70年代や80年代の雰囲気を感じられる音楽もcluppoとしては面白いかなと思ってますっぽ。今年の目標としてチャレンジすることを掲げていたんですけど、“挑戦”というものをさらに突き詰めていきたいなと思っていますっぽ。

(おわり)

作品情報

2021年4月1日(木) 配信(DL販売・サブスク)
・cluppo「PEACE&LOVE」配信リンク一覧
LinkFire https://lnk.to/_PEACEandLOVE

・cluppo Official Site
https://www.cluppo.tokyo/

▽Profile

cluppo (読み:くるっぽ)
BAND-MAIDを作り出した小鳩ミクのソロ・プロジェクト。
生み出した新たな音楽ジャンルは「HIPPIE-POPPO(ヒッピーポッポ)」。
古き良き70年代をcluppoが再解釈し、ラブリーでピースフルなミュージックを奏でる。

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