崎山蒼志、ジェットコースター的な楽曲「賭ケグルイ双」主題歌に迫る
INTERVIEW

崎山蒼志

ジェットコースター的な楽曲「賭ケグルイ双」主題歌に迫る


記者:村上順一

撮影:

掲載:21年04月02日

読了時間:約5分

 シンガーソングライターの崎山蒼志が3月31日、新曲「逆行」を配信リリース。同曲はAmazon Prime Videoで独占配信中のドラマ「賭ケグルイ双(ツイン)」の主題歌に起用されている。月刊「ガンガンJOKER」(スクウェア・エニックス刊)で連載中の、河本ほむら原作、尚村透作画の人気漫画『賭ケグルイ』は、2018年1月に実写ドラマ化され、2019年春には「賭ケグルイ season2」の放送、続く2019年5月には完全オリジナルストーリーによる『映画 賭ケグルイ』が公開された人気作品。今作は、読者によるキャラクター人気コンテストでNo.1に輝いた早乙女芽亜里を主人公にした「賭ケグルイ双(ツイン)」の実写ドラマ化。

 崎山蒼志は若干18歳のシンガーソングライター。2018年5月インターネット番組の出演をきっかけに世の中に認知され始め、7月に「夏至」と「五月雨」を配信リリース、12月5日にはファースト・アルバム『いつかみた国』をリリース。2021年1月27日にアルバム『find fuse in youth』でメジャー・デビューした。今作「逆行」は「ジェットコースター的な作品」と語る崎山。スピード感があり、ドラマ「賭ケグルイ双」のスリリングな一面を表現した一曲に仕上がった。インタビューでは、同曲は「賭ケグルイ双」のどんなところにインスピレーションを受けたのか、話を聞いた。【取材=村上順一】

J-ROCKの要素が色濃く出た

――「賭ケグルイ双」のどんなところをフォーカスして、「逆行」を制作しましたか。

 その作品の雰囲気を捉えつつ歌詞を書いていきました。『賭ケグルイ』の原作、映画、もちろん今回の『賭ケグルイ双』も観させていただいて、森川葵さん演じるキャラクター早乙女芽亜里の表情の変化、賭けている時の雰囲気、頼り甲斐があるんですけど、少し抜けているようなところ、そして弱さもあるところにインスピレーションを受けました。

――楽曲制作はどのような手順で進んで行ったのでしょうか。

 今回はちょっとしたバックトラック、エレキギターとアコギと歌という感じで僕がデモを作っていきました。どちらかと言えば最初のデモはアコギよりもエレキギターの方が割合は多かったと思います。それを元に今作をアレンジしていただいたakkinさんと構築していきました。イントロのアンプにプラグインするアイデアもakkinさんが考えて下さったんですけど、それを聴いて僕もこれ良いなと思って。

――ライブが始まるような臨場感がありますよね。楽曲制作はスムーズに進んだんですか。

 曲の大枠が出来たのは早かったんですけど、細かいところを何回か書き直しました。この「逆行」は、頭のサビが終わったあとの間奏から出来て、歌の<幸せじゃなくて>というところがコードと同時に出てきたんです。そのなかで悩んだのは構成でした。ドラムをどう入れようかとか、歌詞もそうですし、AメロBメロも違うものにしてみたりしたんですけど、結局前のものに戻ってきたり、細かいところを悩みました。

――今回、崎山さんのどんな音楽性の部分がこの曲に出ていると思いますか。

 今作は今までの曲の中でも一番BPMが速いんです。220を超えているんですけど、作品を観てテンポが速い曲がいいなと思ったからなんです。音楽面でいうと僕が中学生の頃に触れていたJ-ROCKの要素が色濃く出たと思います。その中にコンテンポラリージャズなどで聴けるようなコードを使ったりしているのが、この曲の特徴かなと思います。

――縦がキッチリとあるリズムの上で泳ぐようなボーカルが崎山さんのオリジナリティを感じるのですが、これは意識的に?

 はい、リズムというのはすごく意識しています。自分の中にビートがあって曲を作って行くことが多いです。そのなかでオケと歌が分離して考えている節があります。今回の「逆行」はそれがすごく際立った曲になったという印象もあります。逆にバラードとか、ゆっくりな曲だと歌とオケが一緒になって行く感覚が自分にはあります。

――その感覚面白いですね!「逆行」というタイトルはどのように辿り着いたんですか。

 『賭ケグルイ』のイメージから歌詞を書いて行く中で、歌詞を書き終え、レコーディングも終わってからタイトルどうしようかと考えました。そこから、色々考えたんですけどどれも中々しっくり来ない中、「逆行」という言葉が急に浮かんで、漢字の形とか曲にすごくあっているなと思ったんです。曲のスピードも速くて、足を掬われるようなイメージもあって、それらがバシッと自分の中でハマりました。なので、タイトルに深い意味合いがあるというよりもフィーリングが優先された感じなんです。自分の中でこういったパターンはあまりないので、『賭ケグルイ双』という作品があったからかもしれないです。

――言葉もそうですが、ジャケット写真もインパクトあります。

 実際に物として作っていただいたオブジェが使われたこのジャケット写真を見た時、すごく嬉しかったです。楽曲を何倍にも拡張していただいているような感覚があります。

悔しかったこととは?

崎山蒼志

――さて、『賭ケグルイ双』はギャンブルをテーマとした作品なのですが、崎山さんから見たギャンブルのイメージは?

 何かを賭けるということは、そこに勝敗がある。勝敗があることで目がギラっとして、そこに対する闘志みたいなもの、常にヒリヒリするものがあるなと思いました。

――ちなみにやってみたいギャンブルはありますか。

 自分は音楽をやっていて、それは人生を賭けているところもあると思うんです。なので、改めて賭けてみたいギャンブルはないかもしれないです。

――ギャンブルなど勝敗があるものって、負けるとすごく悔しいと思うんですけど、崎山さんがこれまでで一番悔しかった出来事は?

 思い浮かんだのは『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)が主催する10代が参加できる『未確認フェスティバル』に中学1年生の時に出演したときです。その時は3次審査まで行くことが出来たんですけど、それがすごく印象に残っていて。その次の年に違う曲で勝負したんですけど、それもダメでした…。それはめちゃくちゃ悔しかったです。今思うと自分はそこに賭けていた部分があったんだと思います。

――歌詞にも幸せという言葉が出てきますが、一番嬉しかった、幸せを感じる瞬間は?

 家族とか友だち、親しい人たちと喋っている時はすごく幸せかなと思います。あと、音楽をやっている時はいつも幸せです。作っている段階から、曲を書き終えた時が満たされている感じがあります。自分が納得が行くものが出来たとき、もちろん苦悩している部分もあるんですけど、それも含めて達成感もありますし、嬉しい、楽しいといった感情が生まれます。

――最後にこの曲がどのようにリスナーに届いたら嬉しいですか。

 『賭ケグルイ双』を観てくださった方が、この曲を少しでも良いなと思って頂けたら幸いですし、そこから興味を持っていただいて、一曲丸々聴いてもらえたら嬉しいです。ジェットコースター的な作品になっていると思うので、「こう来るのか!」みたいなところも楽しんでもらえるのが一番かなと思います。

(おわり)

「賭ケグルイ双」はAmazon Prime Videoにて独占配信中。

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