22/7、一歩踏み出すこと【インタビュー後編】
INTERVIEW

22/7

一歩踏み出すこと


記者:木村武雄

撮影:村上順一

掲載:21年02月25日

読了時間:約8分

 22/7(ナナニジ)が24日に、7thシングル「僕が持ってるものなら」をリリース。「紅白ナナオン歌合戦」での白組(神木みかみ、滝川みう、戸田ジュン、柊つぼみ、丸山あかね)から海乃るり、西條和、白沢かなえ、涼花萌へのインタビュー。前編は前作「風は吹いてるか?」(2020年9月30日発売)から本作までの活動を振り返ってもらった。後編では同シングルの表題曲と、白組が歌う「キウイの主張」を聞いた。【取材=木村武雄/撮影=村上順一】

「キウイの主張」

――「キウイの主張」はザ・アイドルという楽曲ですが、どういう印象を持たれていますか。

海乃るり キャラクターがあっての曲なので、すごく嬉しかったです。私はAKB48さんとかSKE48さんがすごく好きなので以前から可愛い曲を歌ってみたいと思っていました。気の抜けたサイダーの「ソフトクリーム落としちゃった」という曲も良いなと思っていたので、そういう曲が歌えてすごく嬉しいです。個々が立つ歌い方や振りなので今から披露するのも楽しみです。振りにはそれぞれにどんなキウイなのかもあるんですよ。私は拗ねるキウイで、白沢さんがセクシーキウイ。涼花さんが可愛いキウイ。西條さんは恥ずかしキウイです。

――それぞれのキャラクターの印象と重なっているんですね。

海乃るり そうです。私は拗ねる歌詞が多いからだと思います(笑)。

――歌ってみてどうでしたか。

海乃るり 歌ってみてもやっぱり嬉しかったです。AKB48さんの「となりのバナナ」っていう曲もすごく好きで、そんな感じの曲になっているので、あの時憧れていた人っぽく自分も近づけてるってすごく嬉しかったですし、音源を聞いてみて個々の声が特徴的ですし、ラップっぽい歌詞もあるので、そこが楽しい曲だなって。自分たちの曲なんですけど、これはいい曲だなって思いました。

海乃るり

海乃るり

――西條さんはどうですか。

西條和 ユニット曲が2作目なんですけど、ことごとく可愛い系の曲に配属されていて、前回が「ソフトクリーム落としちゃった」で、今回も「キウイの主張」で、本当にちょっと勘弁してくださいと思いました(笑)。ただのセリフじゃなくて、若干ラップもあったりするのでそれが恥ずかしくて…。レコーディングは1人で、ブロックごとに分けて録ったんですけど、ため息が止まらなくて。まだライブで披露してないので、歌えるかなって今一番不安なぐらい結構ずっしりきてます…。

――嫌だと言いながらも1つ殻を破ったような感じもありますか。

西條和 メイクさんがいる所でサビのダンスを見たんですけど、メイクさんに眉間にシワが寄ってるよって。サビで「これ(涼花)萌ちゃんやん」って思ったポーズが1個あって、そんなポーズをしたことがなかったので、無理と思いながら振り入れに行って、ギリギリまで無理って思ってたんですけど、なんとかやりました。ちゃんとライブで出来たら一個自分としては頑張ったかなって思えると思う。

西條和

西條和

――白沢さんどうですか?

白沢かなえ あかねちゃんとしては意外な配属です。でも、私自身好きな女の子のタイプが可愛い子なので自分が歌えることが嬉しかったです。

――歌うのに関してはどうですか。前回の時に声が低いから高くするのが大変だったというような話をしていたと思いますが。

白沢かなえ 今回は、高さはそんなに気にならなかったけど、みんな可愛い声の子が多いので、レコーディングの時に「私の声馴染むかな」って不安にはなったんですけど、やっぱキャラクターが先行しているのでキャラが言ってるように言う、歌うというのは私の中で変わらなくて。それで曲を聴いたらみんな可愛い声で台詞っぽく言っていたので、それにすごく助けられたなあって思いました。あかねちゃんとしてはかっこいい曲とかセクシーとかそういう感じだったので、あかねちゃん踊ってるとか考えると、心の内側にあるものを、楽曲を通して出しているのかなって思うことができました。

――涼花さんはどうですか。

涼花萌 みかみちゃんが見た目も中身もふわふわ可愛らしい女の子。ユニットで分ける時は可愛い曲に入れてもらえることが多いので、私自身も可愛い曲が大好きなので、みかみちゃんありがとうっていう気持ちになりました!

――さっき海乃さんがAKBの話をした時うなずいていたけど。

涼花萌 好きな曲の好みとか、衣装とかも似ている事が多くて、私もこの曲は可愛いと思って嬉しかったです。

――歌う時に意識したことは?

涼花萌 ラップ調のところはすごい難しくて、「ああ、どうしよう」って思ってたんですけど、ちょうどこの時メンバーの倉岡水巴ちゃんとラップバトルにハマってる時期だったので、ノリノリで歌えました。恥ずかしかったんですけど、気持ちはあがってました。ラップやんって(笑)。

「僕が持ってるものなら」

――それでは表題曲について伺います。作曲をOzaShin、編曲を野中“まさ”雄一さんがされていますが、曲に対する想いを聞かせてください。

海乃るり ナナニジにも珍しい3拍子っぽい曲調で、また違ったなナナニジを見せられるかなと思える楽曲でした。前作、前々作と勢いのある曲調だったので、あっこういう曲で来るんだなって言うふうに私も思えました。ファンの方も思っていただけたら嬉しいです。この曲はちょっと暗めの歌詞ではあるんですけど、心が今つらいなって思ってる時期とかに寄り添える楽曲になったんじゃないかなと。声もみんなの声がすごく調和してるなって完成を聞いて思ったので、すごく嬉しいなと思っています。

――秋元先生は、皆さんのその状況とか、社会とかを反映させた歌詞が多いと思いますが、ナナニジを置き換えた時にどう受け止めましたか。

海乃るり 秋元さんからグループの色を見て歌詞を書いてらっしゃるというのは何となく聞いたことがあったので、こう見られてるんだというのは毎回感じます。なのでこれを頂いた時、苦しそうに見えているのかなとか考えました。あと、前作今作と食べ物系の曲が結構増えているので、勝手になんですけど、お腹すいていらっしゃるのかなとか(笑)。つまり秋元さんの気分をなんとなく想像するのは歌詞を見てが多いです。

――西條さんは?

西條和 個人的にはゆったりした曲が好きだったりするので、歌いやすかったです。レコーディング終わった後も、声が曲に合ってたねっていろんな方に言っていただけたので、嬉しいなと思いました。特に歌い出しを歌わせてもらっているので、ライブではすごく緊張するんですけど。歌うことだけで、この曲が1番好きかな。

――これまでに声が合っていると言われたことあった?

西條和 初めてでした。自分の声は好きじゃなかったので、だいたい歌割りが一緒の人の声に紛れたらいいなって思いながらやってたぐらいだったので、終わった後にレコーディングスタジオの方とか、あのスタッフさんとかにも言っていただけたので嬉しいなあと思いました。

――歌ってる内容についてはどうですか?歌詞とか。

西條和 22/7らしく優しさを精一杯歌ってはいるんですけど、不器用さも残っているというのが私たちならではの曲だなって思いました。

――白沢さんは。

白沢かなえ 誰かが泣いたりした時に、どうやっていいかいつも分からなくて。抱きしめるみたいなのも自分がしていいのかとすごく考えちゃって。結果、何もできずに後ろから見ることが多くて。今度はそれに対して何もできないなとかすごく思っちゃう。すごく共感できて、何かしてあげたいと思っているのに何もできないし、何をしたらいいか分からないけど、何か与えてあげたいっていう葛藤してる気持ちが歌詞に全部書いてあるので、すごい共感しました。

――その中で一歩踏み出すためにはどうしたらいいですか?

白沢かなえ 現代技術に頼ると何もできないんですけど、あとで一言、LINEを入れるくらいになっちゃうかも。それもあんまり踏み込み過ぎない内容の方が良いのかなとか考えちゃったりして。寄り添う優しい言葉をかけてあげたいけど、ありがた迷惑になったらどうしようと思ってしまって踏み込めないんです。相手が苦しいときでも自分のことを受け入れてくれないないじゃないかと自分の保身に走っちゃうところは嫌だなって思います。

白沢かなえ

白沢かなえ

――涼花さんはどうですか。

涼花萌 初めて聞いたときに、すごくゆったりのんびりしてて、目を閉じたらこの曲の世界観に入っていっちゃいそうな曲やなって思いました。歌詞をよく聴いてたら、考えさせられる歌詞やなと思って。持ってへんというけど、最後は愛しかないって言ってて、私は何よりも愛情とか、その気持ちがあれば、どう動いたとか結果がどうとか関係なくその気持ちが嬉しいって思う人なので、何もあげてないって思ってるけど、その愛がいいんやでって。

――白沢さんに言っているみたいですね。

涼花萌 かなえるは私が極上にしんどかった時に、家に帰ってから、何がしんどかったとか優しく聞いてくれて、どう声を掛けたら私が傷つかへんとか考えて言ってくれてるんやなって言うのが伝わって、かなえるがどうしようって思ってるところも含めて優しさを感じています。

――言葉だけじゃなくて、その言葉の裏にある想いも大事ですね。

涼花萌 全部の行動にこの言い回しだったら傷つかへんかなとか、凄く分かります。

――想いが溢れてるってことですもんね。もしかしたら言葉でなくても伝わるかもしれないですね。

白沢かなえ 私はなんか意図せず人を傷つけてしまっているだろうなあと思うことがすごく多くで普段からそういう考えになってしまっているから、本当にしんどい時とかって気をつけないと言葉を発しちゃだめだと思っています。だから何を言ってあげたらいいのか、本当にずっと分からなくて、萌ちゃんに相談することも多くて、私が悩んでることとかも、そうやって思ってくれてるだけで嬉しいから、そのまま伝えたらいいと思うよとかアドバイスをくれるので、その言葉ですごい楽になって、すごい助けられてます。

――涼花さんのどん底の時っていつのとき? まだキャラクターがもらえていなかったとき?

涼花萌 去年の「ムズイ」ツアーが、「何もしてあげられない」が初の11人でのツアーやったのにそれが延期になり、アニメも出ずっていうのがしんどくて、もう無理かなって思ったときでした。でも、そのタイミングで自粛が始まって自分の中で整理できました。

――それがなかったらズルズルといっていたかもしれない?

涼花萌 そうなっていたかもしれないです。

涼花萌

涼花萌

――最後に海乃さん。歌詞にちなみ自分があげられるものはなんですか?

海乃るり 仲間意識が強いか分からないけど、大切と思ってあっちも受け入れてくれるなら、私はその人に献身的にずっと支えられる。だから献身を与えられると思います。何がなんでも傷つけないように努力すると思います。

(おわり)

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