深川麻衣、向き合った怒りの感情「いい経験になりました」
『おもいで写眞』完成報告会見
深川麻衣、高良健吾、香里奈、熊澤尚人監督が14日、都内で映画『おもいで写眞』(1月29日公開)完成報告会見に臨んだ。『パンとバスと2度目のハツコイ』以来2度目の主演となる深川は、公開を控え「早く皆さんの感想を聞きたい」と述べた。
監督・熊澤尚人が「人が生きる豊かさと年を重ねる美しさ」を繊細に紡いだ小説『おもいで写眞』(幻冬舎文庫)の映画化。東京で夢に破れ、祖母の死がきっかけで故郷へと戻った結子は、祖母の残した写真館で“遺影写真”を撮る仕事を始める。人生の先輩たちの話に耳を傾けるうち、それは単なる遺影写真ではなく、色褪せない思い出を写し出す“おもいで写真”へと変わっていく。
主人公でカメラマンの結子を演じる深川麻衣。撮影は19年初夏に富山で実施。「当時は予想もできなかった世の中になり、公開されるのか不安でした。でもこうして公開が決まり、あとは公開を待つのみ。早く感想を聞きたい」
本作は、深川が所属する芸能プロダクション「テンカラット」の25周年企画となる。結子に寄り添う一郎を演じる高良健吾と美咲の香里奈は事務所の先輩。主演映画ともありプレッシャーはあったものの「先輩方と同じ作品でご一緒するのは初めて。得るものがきっと多い作品になるだろうと純粋に楽しみでした」
「先輩でもありお兄ちゃんお姉ちゃんでもある」という2人に挟まれての会見となった深川を、高良は「しっかりしている」、香里奈も「妹的ですが、しっかりしているので頼りにしている」と称えた。
熊澤監督は本作について、若い世代が年配者と交流していく、主人公は2人に助けられながら成長していく姿が一つのテーマであり、主人公が人を許さない気持ちを持っていることがポイントと紹介。そのうえで「感情的になり怒って前に進めなくなる。それが頭で分かっていても消し去れない。主人公はそれで葛藤していて、それを受け入れ成長していけたらという思いで作った」と明かした。
そうした葛藤を抱える主人公と対峙した深川は撮影期間中は「いっぱいいっぱいでした。怒りの感情に向き合いました。いい経験になりました」
深川を近くで見ていた高良は「現場で深川さんが監督にしごかれて、ワンシーンごとに結子に近づいていく姿を見ていました。変化していく深川さんが見られたのは僕自身も貴重な経験でした」
また、香里奈は撮影期間中の思い出写真として、深川との川辺のシーンを挙げた。「素敵な場所で自電車を押しながら撮っている写真。長回しで、カメラと自電車の距離感、タイミングを合わせるのが難しくて大変だった。良いシーンに仕上がった」と振り返った。
改めて深川は「成長物語で、家族愛、人間愛、いろんな愛が詰まっています。ぜひ見て下さい」とアピールした。