河村隆一「必ず名曲を書こうと思わない」楽曲制作のスタンス
シャンパーニュのアンバサダー就任
河村隆一(撮影=平吉賢治)
河村隆一が24日、東京・恵比寿のシャトーレストラン、ジョエル・ロブションでおこなった『ジョエル・ロブション・シャンパーニュ発表会・試飲会』に登壇し、シャンパーニュのアンバサダー就任。シャンパンのために作曲したオリジナル楽曲について発表した。
ワインやスピリッツの輸入販売をおこなう株式会社ルイRは同日、ジョエル・ロブション・オリジナルのシャンパーニュ4商品およびワイン5商品を世界に先駆けて日本で先行発売。「シャンパーニュ・ラリエ ジョエル・ロブション」は世界一ミシュランの星を持つフレンチの巨匠、ジョエル・ロブションが「最後に愛した」シャンパーニュ。
13年連続ミシュランガイド三つ星に選ばれる「ジョエル・ロブション」のオリジナル・シャンパーニュとワインが新発売となり、ワイン通としても知られる河村がアンバサダーに就任。現在「シャンパーニュ・ラリエ ジョエル・ロブション」のためのオリジナル楽曲を作詞・作曲中。
河村は発表会で、河村のファンであるルイ・ロブションに声をかけられたことから親交が深まり、アンバサダーに就任したという経緯を述べた。
ワインやシャンパーニュが河村にとってどういう存在か、という質問に対し河村は「色々な記念日に『これぞ』というワインを5年か10年かに1回開けます。その瞬間は何にも変えられない時間」そして「ワインは歴史を飲むようなところもある」と、感動と共に絶対に忘れない瞬間がワインにはあるという想いを熱く語った。
楽曲制作について聞かれると河村は、「長くやっているので構えないんです。今日書かないといけないと思ってピアノに向かう、ギターを弾いたら書けます」と語り、一つだけ条件があるとして「必ず名曲を書こうと思わない――今日書けなければ明日書き、そうしているうちに絶対に良い曲が生まれてくる」と、述べた。そして、10曲に1曲良い曲が生まれたらいいなと、自分にプレッシャーを与えずに書くというスタンスを語った。
その話を聞き、「ワインは(制作時に)ピッタリなのでは?」と問われると、「正に、アルバム『Magic Hour』はワインやシャンパンを飲みながら作詞をしていました。特に作詞の方が現実的なエピソードを必要とするのでモチーフやきっかけでもいいのですが、ワインを開けた瞬間のコルクの香りなどから書くこともあります」と、制作背景を語る。
そして「シャンパーニュ・ラリエ ジョエル・ロブション」をイメージした楽曲の制作について河村は、曲の雰囲気は「大きな曲」と表現し、歌詞は逆にラフで日常的な歌詞にするか、歌詞も大きなものにするかと、現在悩んでいる段階だという。
そして、その楽曲はルイ・ロブションと一緒に決めたと語る。河村が取り掛かる2枚組のオリジナルアルバムのラストナンバーを「これが合うんじゃないか?」と、デモの段階で聴いてもらっていたという。その時にはシャンパンのイメージが離れずに書いており、「シャンパンと楽曲のマリアージュを果たしたのではないかと思います」と、述べた。
河村はこの楽曲を「人生の色んなドラマの中でこのシャンパンと共に素敵なディナーがあって、その時にふっと思い出してもらえるような楽曲になったらいいなと思います」と楽曲に込める想いを言葉にした。そこには、ワインのように、何年、何十年経っても「愛してもらえれば最高」という想いがあるという。
自身がボーカリストを務めるLUNA SEAの来年の展望として河村は、コロナ禍をふまえ、「決して後ろに1歩下がったのではなく、逆に半歩前に出たくらいのつもりで僕はいまスタートを待っています。コロナ禍が終わった時に、人より半歩先にスタートダッシュが切れるように準備をしてまいりたいと思います。成功した暁には、おいしいディナーとシャンパンを頂きたいですね」と、前向きなメッセージで締めくくった。【平吉賢治】