ザ・リーサルウェポンズが28日、3rdシングル「押すだけDJ」の8cm&12cmシングルをリリース。“新時代の最終兵器”とも言えようザ・リーサルウェポンズは、80〜90年代のカルチャーを背景にアメリカオハイオ州で製造されたサイボーグジョーと、彼を発明したプロデューサー・アイキッドが放つエンターテインメントユニット。8月に1stシングル「半額タイムセール」でメジャーデビューし、9月には2ndシングル「特攻!成人式」、そして本作と、3カ月連続リリースを重ねる。9月11日には世界初の『ストリートファイターII』のステージ背景でYouTube Liveを開催。同時視聴約4,000人が大熱狂し、圧巻の存在感を示した。前後編で構成する本インタビュー、今年電撃メジャーデビューをはたし話題を呼んでいるザ・リーサルウェポンズの実態に迫るべく、サイボーグジョー(Vo)とアイキッド(Gt/Key)に話を聞いた。【取材=平吉賢治】
ドリームス・カム・トゥルー
――結成のいきさつは?
アイキッド もともとジョーとは居酒屋で知り合った飲み仲間なんです。東京都中野区の都立家政で出会って、仲介人でもある近所の古本屋さんから「PR映像を音楽つきで作ってよ」という話がきて、飲みの席で「はい」って言っちゃったから作って。それで「歌も入れてよ」と言われたんですけど僕は歌う気がなかったので「じゃあジョーでいいや」と。
――それを聞いてジョーさんは?
サイボーグジョー すぐにオーケー! 普通に楽しそうだからと思って曲を聴いたら「レベル高いですね! ワオ!」ってめっちゃ待ちきれなかった感じ!
アイキッド そうだったの?
サイボーグジョー そうだよ! めちゃワクワクしてた!
――ジョーさんがリスペクトするアーティストは?
サイボーグジョー ザ・ブルーハーツ大好き! シンプル、ポジティブエネルギー、ナイス“お尻ふりふりダンスミュージック”だよ。ナイスパンク! ザ・クラッシュ(英バンド)も好きだしパンク大好き。基本的にね!
――都立家政の古書店をテーマにした楽曲「都立家政のブックマート」の制作はどのような雰囲気でしたか。
アイキッド その時は、僕はPVも撮るので僕のスタジオにジョーを呼んで歌ってもらいました。日本語が全然できなかったんですけど通訳を入れてやって当日撮ってみたら、今まで見たことのない動きをして。それで「この子面白いな」と思ったけど日本語が通じなかったので一緒にやるのは無理かなと、この場限りで優しくしておこうと現場も盛り上がって、そのままおしまいになったんです。
――その時は続きを考えていなかった?
アイキッド 翌日、ジョーと店長に「この続きをやろうよ!」って言われたけど「何の続き?」と思って(笑)。結局丁重にお断りをして、そのあともジョーから「なんか一緒にやろう!」ってきたんですけど、こっちはやる気ないし言葉通じないし…それでずっと断ってたけど、1年経って彼は日本語を覚えて日常会話ができたんです。「これだったら」と思いビジネス脳をフル回転させて。
サイボーグジョー 先生はすごいブレインなんだよ!
アイキッド それで消去法などを使って「このジャンルはダメ、パンクスだしニューウェィブみたいなメロディなら歌える」など、彼ができることを選んで。80年代リバイバルが本格的にきているので、奇跡的に合致している要素があって、初めて彼をこっちから誘ったんです。高田馬場の「ゲーセンミカド」で。
――ひょっとしてその時に、ゲーム『ストリートファイターII』にフォーカスした楽曲「昇龍拳が出ない」の着想を?
アイキッド それは20年以上前にありました。その頃に歌っていた替え歌がもとになっているんです。
――ジョーさんも『ストリートファイターII』は好き?
サイボーグジョー 大好き! アメリカ人みんな『ストII』好きだよ!
――『ストII』ではどのキャラクターを選択しますか。
サイボーグジョー キャラねえ…サガットが一番いいな! ガイルは難しい! ケンとリュウも好きだけどサガットはリーチが長いからやりやすい!
――なるほど。『ストII』ではガイルの“ハメ技”などがありましたね。
サイボーグジョー あれな!
アイキッド 禁じ手みたいな感じがあったからプレイヤー同士よくケンカになってましたね(笑)。
――アイキッドさんはどのキャラクターを?
アイキッド エドモンド本田です。昇竜拳が出ないんですよ。
――リュウやケンの技、昇竜拳を出すコマンドは難しいですよね。
アイキッド 画面の右にいるときは3回に1回くらい出せるんですけど、左側にいるときは全く出ないです(笑)。家でプレイする時、スーパーファミコンのコントローラーの十字キーは斜め下のボタンがないじゃないですか? どうやって押すんだと(笑)。だから頑張って爪で斜めに押し込んだりして。
――そんな『ストII』のステージ背景でYouTube Liveを9月11日に開催されていましたね。
サイボーグジョー めっちゃたのしかったよぉ! 子供の時ずっとゲームしてたから夢がかなったよ。ドリームス・カム・トゥルー! 僕達が『ストII』のキャラクターになったこのイメージを見たらめっちゃ感動した!
アイキッド そうだね(笑)。
――戦う前からすでにボコボコになっている描写もありますね(笑)。
サイボーグジョー そうそう(笑)。これ、『ストII』とザ・リーサルウェポンズのコラボTシャツの背中にも描いてあるよ! イエァ!
これほど苦労しないでメジャーデビューした人はいない
――1stシングル「半額タイムセール」について、MVでは半額シールが貼られたお惣菜や弁当などを取り合う場面がありますが、実際にスーパーに行くとそういった感じ?
アイキッド 基本、僕が全部歌詞を書いているので僕の体験談なんです(笑)。ジョーはサイボーグだからスーパーには行かないかと(笑)。
――なるほど。値引き商品を狙うのは個人的にも“あるある”でして。本当にバトルになりますよね。
アイキッド この間失敗したんですよ…久しぶりに負けて。売り場に行ったら紫色のネギトロしかなかったんです。「負けたな!」と思って。
――(笑)。楽曲「特攻!成人式」のMVの撮影は大変だったのではないでしょうか。猫も出演していましたし。
サイボーグジョー 着物がきつかった! 猫さんは大丈夫だったよ!
――すると楽曲『Super Cub is No.1』のMV撮影の方が大変だった?
アイキッド あれは本当に一番大変でした…3日連続で撮って公園や公道を15kmくらいバイクで練り走りまして。
サイボーグジョー めっちゃ日焼けしてたよね! まだちょっと焼けてるじゃん(笑)。
アイキッド それで3日目で初めてジョーが合流して、都立家政の閉店しているガソリンスタンドで撮りました。
――その日の撮影はいかがでしたか。
サイボーグジョー 楽しかったよ! 一番簡単だった!
アイキッド ジョーはあのPVに2時間くらいしか参加してないんです(笑)。
サイボーグジョー そうそう。普通に歩いて「ハーイ! イエー!」「OK, バーイ!」って!
アイキッド こっちは12時間くらいやってるのに! 基本このスタンスなんです(笑)。作詞作曲、編曲、PV監督、プロモーションとネゴシエーション、テキストなど…全部僕がやって彼は歌うだけです。
サイボーグジョー (笑)。
アイキッド ジョーはいつの間にかメジャーデビューしたんです。僕が知る限り、これほど苦労しないでメジャーデビューした人はいないと思います(笑)。でも、ちゃんとしてるし頑張ってるなと思います。
――ジョーさんのメジャーデビューした心境は?
サイボーグジョー メジャーデビュー、本当にアンビリーバブル! このバンドを最初からずっと「フォローミー!」って言われて、いつか凄いことになる、先生は自信を持ってる、じゃあフォローしますと! そうしたら…やっぱりやったね!
アイキッド 本当に頑張ったよね(笑)。
サイボーグジョー 頑張ったよ! タイミングが早かったのもアンビリーバブル!
――ザ・リーサルウェポンズの今後の展望や野望を教えてください。
サイボーグジョー ワールドツアー! めっちゃやりたいよ! イエァ!
――アイキッドさん的には?
アイキッド 現状維持です。
後編では都立家政にまつわる秘話、新作の話題、二人のさらなるバックボーンなど、“新時代の最終兵器”にさらに迫る――。
(後編へつづく)
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