Twenty★Twenty

 ジャニーズ事務所所属アーティスト15組75人が集結した期間限定ユニット「Twenty★Twenty」が歌うチャリティーソング「smile」が8月12日にCDリリースされた。新型コロナウイルス感染拡大防止を支援する「Johnny’s Smile Up! Project」の取り組みの一つとして行われたもので、楽曲の収益は医療対策支援などへ寄付される。

 ジャニーズ事務所は、1995年の阪神・淡路大震災の際にも、期間限定ユニット「J-FRIENDS」を結成。2011年の東日本大震災でも、復興支援プロジェクト「Marching J」を発足させ、支援活動を行うなどさまざまな方法で寄り添ってきた。

 Mr.Childrenの櫻井和寿が楽曲提供した「Smile」の歌詞にはどのような思いが込められているのか。

ジャニーズが歌うからこそ生まれた歌詞

 ジャニーズ事務所の公式サイト『Johnny’s net』に掲載された櫻井氏のコメントに、「ジャニーズの皆さんがこの曲を歌ってくれることを前提としたからこそ、書けた歌詞があります」とある。<だけど忘れないで[君の笑顔に逢える]それだけで生きていける僕がいる>という大サビのフレーズだ。

 コンサートで彼らに会うことを、生きがいのひとつとしている人もきっといることだろう。しかし、新型コロナウイルスの影響でコンサートが延期、中止が発表され、その機会は失われている。そんななかで、ファンが感じていだろう想いを、心を込めて歌うジャニーズの面々。ここから、応援するファンとの相思相愛の関係性が垣間見える。会えない日々が続くなかで、彼らが「会いたい」という想いを歌に乗せることで、救われる人もいることだろう。

 さらに、サビの<泣いてたことなんか/忘れるくらいのsmile smile/けりをつけなくちゃね/その悲しみに>は、特に今の状況下が表現されている。きっと彼らにも、辛いことや悲しいことが起こり、涙を流したくなる日だってあるはずだ。しかし、テレビの前ではいつも笑顔を浮かべ、人々に活力を与え続けているジャニーズタレントたち。そんな彼らが歌うからこそ説得力を増すフレーズなのかもしれない。

ベテランから若手へ 歌割りに感じた絆

 「smile」は、KinKi Kidsの堂本剛の歌声からスタート。優しく、温かい声で一気に楽曲の世界観へ惹き込む。続いて、歌唱力に定評があるV6の坂本昌行・井ノ原快彦・長野博がバトンを受け取る。

 剛が歌うAメロ<昨日の暴風雨でゴミが散乱していて/駅前の通りにも爪痕残している>と、同じくKinKi Kids・堂本光一のBメロは同じメロディだが、光一のパートでは<重なった痛みに心が荒んだって/強張った表情もやがて綻んでいく>とあるように、真逆の歌詞が乗せられている。同じメロディながら、対極にある“陰”と“陽”を表現しているKinKi Kids。

 また、V6の坂本ら20th Centuryが歌うパートと、同じくV6の森田剛・三宅健・岡田准一のComing Centuryが歌うパートも、メロディが同じ箇所を割り振られており、聴き込むと歌割りからグループの繋がりのようなものが見えてくるのも面白い。

 そして2番では、今年デビューしたばかりのSixTONESやSnow Manなどフレッシュなメンバーが、ベテラン勢からバトンを受け取る。

 なかでも、NEWS・King & Princeが歌う<ファッション誌の1ページに印をつけて/何度も開いては閉じてを繰り返している>と、ジャニーズWEST・A.B.C-Z・Sexy Zoneが歌う<本当が今/何が欲しくて/必要なものは何なのかを>は、Mr.Childrenの名曲「彩り」の2番にある<憧れにはほど遠くって/手を伸ばしても届かなくて/カタログは付箋したまんま/ゴミ箱へと捨てるのがオチ>にも似たような侘しさを感じさせ、“ミスチル桜井イズム”を感じることができる。

 また、終盤のサビでは、V6坂本・KinKi Kids剛・King & Prince平野紫耀、そして、KinKi Kids光一・KAT-TUN亀梨和也・Hey! Say! JUMP山田涼介の3人ずつが、グループを超えて奏でる歌声も聴きどころだ。

 そして最後は、ベテランから若手までが一体となり、<明日の今頃は/陽気な歌でも歌っていようよ/そう All you need is only smile>と歌う。NEWS増田貴久や関ジャニ∞安田章大、SixTONESのジェシーと京本大我など、各グループの“歌うまメンバー”が入れるフェイクにも注目して聴いて欲しい。

 新型コロナウイルス禍でステイホームが謳われるなか、各グループごとに自宅でYouTubeを撮影するなど、「今できること」を常に考え、ファンを元気づけてきたジャニーズのタレントたち。そんな彼らが歌うこの楽曲は、今後も人々へ「Smile」を与え続けることだろう。【かなぴす】

筆者紹介

かなぴす メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動行っていた。エンタメとファッションが大好き。ツイッターは@kanawink

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)