新井ひとみ「今できることで楽しませたい」ソロ活動で考えるこれから
INTERVIEW

新井ひとみ

「今できることで楽しませたい」ソロ活動で考えるこれから


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年08月08日

読了時間:約8分

 東京女子流の新井ひとみが8月8日、アナログ盤「恋のミラージュ」をリリース。昨年11月27日に、ソロシングル「デリケートに好きして」でソロデビュー。80年代のアイドルを彷彿とさせるスタイルでの2ndシングルは、中森明菜の代表曲「少女 A」をカバー。3作目ソロ初のオリジナル楽曲「恋のミラージュ」は韓国を拠点に活動する世界で注目を集めるプロデューサーNight TempoがRemixを担当。リズミックなFuture Funkで新井ひとみの新機軸となる1曲に仕上がった。インタビューでは、上半期を振り返ってもらいながら、「恋のミラージュ」の制作背景、アナログレコードの失敗談など話を聞いた。【取材=村上順一】

アニメにハマった上半期

「恋のミラージュ」ジャケ写

――2020年も下半期に突入しましたが、この上半期を振り返るといかがでしたか。

 趣味を増やした半年間だったなと感じています。これまでアニメとか観る機会がなかったんですけど、この期間に沢山観ました。

――どんな作品を観ましたか。

 東京女子流メンバーの山邊未夢から勧めてもらった『東京喰種 トーキョーグール』をきっかけに始まったんです。以前から勧めてもらってはいたんですけど、ちょっと怖くてなかなか観れなかったんです。でも、実写映画を観ていた時に、ふと『東京喰種トーキョーグール』をオススメされていたのを思い出して。観てみたら見事にハマってしまいました。登場人物の金木(研)くんの1000から7を引いていくところが、らしさが出ていて良かったです。

――ちなみに今はどんな作品を観ているんですか。

 アニメでは『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』を観ていて、ドラマでは韓国の『ラブレイン』を観ています。韓国ドラマは『愛の不時着』を観てハマってしまいました。そこから『恋するアプリ Love Alarm』も観たり。

――その広がった趣味は新井さんのこれからの活動にも影響を与えそうですか。

 毎週木曜日に「先生、後ろ向いてて」というネットサイン会番組をやっているんですけど、そこでコスプレをやっているんです。それで、コスプレにも興味を持ち始めたんですけど、アニメを観ていて「こういうコスプレをしてみたいな」とかやってみたいことが増えました。あと、声優さんにも興味が出てきて、このアニメのキャラと、このアニメのキャラは同じ声優さんなんだ、とか知ることが出来ました。改めて声優さんの声は素晴らしいなと思いました。

――すごく見識を広げられた上半期だったんですね。ちなみに新井さんが今極めたいことってありますか。

 この自粛期間中、料理のバリエーションを増やしたくて、いろんな料理に挑戦したり、先ほどお話ししたアニメももっと詳しくなりたいと思うようにもなりました。でも、今自分がやりたいことをまとめて、絞り込んで極めていきたいと思えるものを見つけていきたいと思っているんです。

――料理はどんなものを作られていたんですか。

 料理をするのが元々好きなんですけど、これまでは忙しくて野菜炒めを作ったりする程度で済ませてしまってました…。でも、自粛期間は時間があったのでネットのレシピを見て、以前から作ってみたいと思っていた料理に挑戦したり。お肉系の料理ではササミを使った「ササミ南蛮」とか、普段は作らないような料理にチャレンジしました。

――過去に東京女子流のメンバーに食べてもらったことはありますか。

 以前、女子流マンションというところに一緒に住んでいたことがあって、その時は食べてもらっていました。それ以降は食べてもらったことはないので、また、みんなに食べてもらいたいです。バレンタインでチョコを作って食べてもらうぐらいしか今はないんです。ファンクラブイベントでも、ファンの皆さんに料理を振る舞える日が来たら、やってみたいです。

今できることで、皆さんを楽しませたい

――さて、8月8日に念願のオリジナル曲がリリースされますが、完成してみてどんな気持ちですか。

 「CITY POP on VINYL 2020」で、レコードをもっと色んな人に広めようという活動の一環として私が参加させていただいています。なので、オリジナル曲ではあるんですけど、今回はそこに参加させていただいている、という気持ちが強いです。

 今作はアートワークだったり、Night Tempoさんにリミックスをお願いさせていただいて、オリジナルで歌っているバージョンとまた違った、景色が見える一曲になりました。東京の夜景を見ながら風に吹かれている、リミックスバージョンはそんなイメージを持ちました。なので、風を浴びながらこの曲を聴いて欲しいです。先日、DJイベントでこの曲を初お披露目させていただいたんですけど、リミックスではそういったイベントでもみんなで盛り上がれるようなアレンジになっています。是非、この夏は「恋のミラージュ」をリピートしてもらえたら嬉しいです。

――ジャケ写もこの作品の雰囲気にあったイラストで、これは新井さんですよね?

 はい。この髪が風でなびいている感じは楽曲のイメージにもすごくリンクしているな、と感じました。いつもの私はふわっとした感じなんですけど、すごくクールに描いてくださったので、そのイメージに合わせて今回の衣装は黒だったり、ミラージュを意識したイヤリングをつけているんです。

――今回面白いなと思ったのがA面の1曲目にリミックス入っていて、イントロで聴ける声の逆再生風な音もパンチがあっていいなと思いました。

 あれは、たぶんサビの<傷だらけのハートを 癒してほしい>ボーカル部分を使用していると思うんですけど、リミックスならではの手法で面白いですよね。

――ちなみに新井さんは、リミックスって普段から聴きますか。

 東京女子流の楽曲にもリミックスはたくさんあるので、聴いてます。最近はDJイベントにも参加させていただく機会が沢山あったので、自然と聴く機会も増えました。

――東京女子流のリミックス曲で特に気に入っている曲はありますか。

 「頑張って いつだって 信じてる -Royal Mirrorball Mix-」は、青い空の下ではしゃいでる感じがイメージできるリミックスになっていて、特にお気に入りです。

――さて、「恋のミラージュ」のレコーディング、歌唱法などで新しい試みはありますか。

 サビ頭の<傷だらけのハートを>のところなんですけど、地声から裏声になるところは、私はあまりなかったと思います。これまでは地声で歌うことが多かったんですけど、今回はこの楽曲の雰囲気を感じてもらえるような歌い方に挑戦しました。普段は私、力強い歌い方をしてしまうんですけど、今回は軽快さを出したかったので、重すぎず、軽すぎず、ちょうどいい感じに歌えたかなと思います。あと、Bメロではリズムをいつも以上に意識して、皆さんが聴いていて乗りやすいように、歌ってみたので、リズムにも注目して聴いてもらえたら嬉しいです。

――「恋のミラージュ」というタイトルからはどんな印象を持ちましたか。

 なんか、占いみたいだなって(笑)。丸い水晶の中に私がいるような…そんなことを想像しちゃいました。それで、ミラージュという言葉を調べたら、蜃気楼や幻と出てきて納得して。この恋は現実ではなく、蜃気楼のようなもので、とか色々考えてしまいました。

――妄想という意味もあるとのことですよ。ちなみに新井さんは妄想したりしますか。

 妄想するのはすごく好きなんです。夜眠れない時とか、こんなことが起きたらいいなあとか妄想してます(笑)。脳を妄想で満たすといつの間にか寝ちゃってるんです。あと、思い出したんですけど、東京女子流でのインタビュー中に、たまに私意識がどこかに行ってしまう時があるんです…。その時はインタビュー中にソロライブをしていたんです。
 
――妄想の中に入っちゃったんですね(笑)。

 それが、すごく気持ちよくて、歌うみたいに口をパクパクしてしまっていたみたいで…。メンバーから声をかけられて「えっ」って感じで。それは私も初めてのことだったのでビックリしました(笑)。

――メンバーがいるから安心してしまったのかもしれませんね。さて、今作はアナログレコードでのリリースですが、普段からレコードは聴きますか。

 プライベートでは中森明菜さんの曲や、太田貴子さんの「デリケートに好きして」のオリジナル盤をスタッフさんからいただいたので、それらをよく聴いています。それで、自粛期間中にアナログレコードをファンの皆さんと聴きたいなと思って、配信で試聴会をやったんです。その時に7インチのドーナツ盤と12インチのLPを掛ける予定だったんですけど、操作を間違えてしまって針をダメにしてしまったんです。

――やっちゃいましたね。

 そうなんです。あれだけ気をつけていたのに…。1曲目は聴けたんですけど、2曲目で音が出なくなって。これから針の交換をしなければいけないんですけど、ちゃんとできるか、いま不安なんです。

――さて、今回のレコードはカラーヴァイナルで鮮やかなブルーが印象的です。

 実は候補が2つあって、恋というところでピンクにするか、アートワークがカッコ良かったので、それに合わせてスタイリッシュな水色にしようか迷いました。どちらもすごく良い雰囲気でした。でも、恋は叶っていない歌詞だと思ったので、後者になりました。早く実際に手に取って見てみたいです。

――実物を手に取る日が楽しみですね。ところで、この先の展望はどのように考えていますか。

 もう1年の半分以上が終わってしまったんですけど、私は今年掲げた、バズって光る、輝く一年にしたい「Buzz Light Year」というテーマで、まだまだ頑張っていきたいです。みんながどんなことをしたら喜んでくれるのか、自分も楽しみつつも、配信など今できることで、皆さんを楽しませたいと思っています。

――配信は全然抵抗はないですか。

 抵抗は全然ないんですけど、やっぱりちょっと寂しいですね。私のソロの場合、親衛隊の皆さんと一緒に作ってきた感覚があるので。ライブでもコールや合いの手が聞こえないのは、寂しいです。でも、コメント機能があってそこで皆さんが私の名前を呼んでくれたり、コールもしてくれるので、そういった配信ならではの楽しみもあるんです。その中でこれから追及していかなければいけないのは、配信でどのように皆さんを楽しんでもらうことができるのか、配信ならではのことを探していきたいです。

――最後に読者の方へメッセージをお願いします。

 親衛隊の皆さん、いつも応援してくださってありがとうございます。「恋のミラージュ」が8月8日にリリースされます。スタイリッシュでカッコよくて、リミックスもしていただいたので、この夏にどんどんリピートしてください。さらに、アナログ盤とうことで、ジャケ写も存在感があるので、是非おうちのリビングに飾って、私を毎日感じてください!

(おわり)

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