相葉裕樹「不思議」想像もしてなかった今の自分、あがき挑戦し続けた15年
INTERVIEW

相葉裕樹「不思議」想像もしてなかった今の自分、あがき挑戦し続けた15年


記者:木村武雄

撮影:

掲載:20年02月26日

読了時間:約7分

 俳優の相葉裕樹が3月1日から上演されるミュージカル『アナスタシア』に出演する。第70回アカデミー賞で歌曲賞、作曲賞にノミネートされた同名アニメ映画に着想を得て制作。帝政ロシア時代の最後の皇帝・ロマノフ2世およびその一族が殺害されたというニュースが溢れるなか、皇帝の末娘・アナスタシアだけは難を逃れ生き続けたという歴史上の謎「アナスタシア伝説」にもとづく。記憶をなくした主人公・アーニャが自分の過去を取り戻し、愛する家族と自分の心の帰る場所を見つける旅路を描く。相葉は、アーニャとともに旅をする若い詐欺師・ディミトリ役を演じる。2005年に『テニスの王子様』に出演して以降、数々のミュージカル作品に出演してきた相葉だが、今の自分は、当時は想像もしていなかったといい、目の前のことに挑戦し続けてきた15年だったとも語る。積み重ねてきた先にある本作、どういう思いで挑むのか。【取材・撮影=木村武雄】

積み上げてきたものが試される場

――出演が決まった時の心境は。

 光栄に思いました。東急シアターオーブという劇場にこの作品で立てることが本当に嬉しくて、感謝の気持ちでいっぱいです。また新たな挑戦ができるとワクワクしています。私にとっては、役どころも、『アナスタシア』の名曲をシアターオーブで歌えることも挑戦です。日本初演版ということもあってプレッシャーを感じていますが期待に応えたいという思いと、自分自身どこまでできるのか、挑戦の先に何が見えるのかが楽しみです。

――製作発表会見では同じ役を演じられる海宝直人さん、内海啓貴さんと劇中歌「My Petersburg」を歌っていましたが、曲自体はオペラ調で壮大です。

 そうしたなかでも、耳に残りやすいキャッチーなものが多い気がします。流れるようにゆったりとした曲もありますし。「My Petersburg」に関しては歌い上げる感じでした。

――楽曲によって歌い方を変えていますか。

 そうですね。「My Petersburg」はテンポが早い上に、キーも高くて、最後のハモるところではさらに高くなって。毎回、喉を消費するだろうなって(笑)。

――最後のところは高音で見せるところは、ほとんどブレス(息継ぎ)がない状態で入りますね。

 <この街を>の前にブレスはしますが、<この街>の後にブレスをして<を>ともっていかないと声が裏返る心配があるなと(笑)。ここをビシッと決めないとこの曲自体が締まりませんから。

――歌は一つの見せ場でもありますね。

 そうですね。歌だけでなく舞台セットもこだわっているんです。LEDを使用したスクリーンがありセットだけでもストーリーを作ってくれると言いますし、想像を掻き立ててくれると思いますので、とても観やすい舞台になると思います。

――海外で上演されたものを映像で見ましたが、そのLEDがふんだんに使われていて壮大でした。そのセットをそのまま日本に持ってくるイメージですか。

 映像も、セットも、衣装も基本的には全部一緒です。

――海外の戯曲を日本で上演するとなると、楽曲一つとっても歌詞の語呂など難しさがありますね。

 楽曲自体はすごく難しいと思います。自分自身が持っているもの、出来るものをやるしかないという気持ちですが、そのなかでも自分自身がどこまで表現が出来るのかなという意味では、自分自身にも期待しています。

――積み上げてきたものがここで発揮される?

 そうです。これまでいろいろな作品に出演させて頂きましたが、そうした作品を経て今の自分がどう表現できるのか、どこまで出せるのかという未知な部分に対して楽しみがあります。

相葉裕樹

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