教科書には載らないような歴史上の人物や出来事をエンターテインメントとして表現する舞台企画『もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ』のスピンオフ『ポンコツ武将列伝~隣の城のアイツ~』が3月11日から15日まで(全10公演)の日程で東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!で上演される。れきしクンこと長谷川ヨシテル氏著書『ポンコツ武将列伝』を原案にオリジナル脚本で描く会話劇。主役の伊達政宗役をジャニーズJr.の冨岡健翔が演じる。今回は、政宗の重臣・成美(しげざね)役の矢部昌暉(DISH//)、政宗のライバル・蒲生氏郷(うじさと)役の株元英彰、そして演出を手掛ける佐野瑞樹にインタビューを実施。本公演に向けた意気込み、そしてシリーズにちなみ、プロフィールに載らない自身の出来事を語ってもらった。【取材・撮影=木村武雄】
三成愛――、佐野瑞樹
――この日が初顔合わせだそうですね。前の取材では笑い声も聞こえてきてだいぶ打ち解けているような気もしますがいかがですか?
株元英彰 まだ探り探りです(笑)。厳密には矢部さんとは前にイベントでご一緒したことがあって、ただその時は出演者も沢山いたのでそんなに話すことはできなくて。矢部さんに対する僕のイメージは、一発ギャグが好きな…。
佐野瑞樹 そうなの!? 芸人さんではなかったら普通は嫌うものだけど(笑)。
矢部昌暉 そうだ! やりましたね。
株元英彰 イベントの時もやっていたし、ムービーの撮影でもやっていた気がする。
佐野瑞樹 それならいいギャグ、ひとつ譲ってもらってもいい?(笑)
矢部昌暉 株元さんはその時に「涙を流せる」という話をされていて、涙の印象が強いです。
株元英彰 おお! よく覚えている!
矢部昌暉 佐野さんは聞いたところによると歴史好きで、確か石田三成が…。
佐野瑞樹 そうそう偏っていますけどね、石田三成が好きです。
矢部昌暉 石田三成の話をさせたら5時間はかかると…(笑)。
佐野瑞樹 今回石田三成の役をやる(田中)稔彦さんへの対応は気を付けないと。気が付いたら2、3時間話していたとならないように(笑)。
株元英彰 「お前の三成って違うんだよ」って(笑)。
――本シリーズ第5弾の『桃山ビート・トライブ~いざや、傾かん~』では三成を演じていました。それはご自分から手を挙げて?
佐野瑞樹 前作(シリーズ第4弾)の『剣豪将軍義輝~星を継ぎし者たちへ~』に(佐藤)アツヒロさんが出られていて見に行ったんですよ。そもそも時代劇をしっかり舞台で見るのも久しぶりでしたし、歴史も好きですからすごく心に響いて、出たいなと思って。それでアツヒロさんとマネージャーさんに伝えたら「歴史好きなの?」と。「めっちゃ好きですよ」と話したらマネージャーさんが繋いでくれて、それで「三成と(豊臣)秀次どっちか入れそうだよ」と。それは「三成でしょ」と。マネージャーからは「三成はヒールだからこっち(秀次)の方がいいでしょ」と言われたけど、「いやいや関係ないでしょ、ぜひ三成を」と(笑)。
――そこまで惹かれる三成の魅力は?
佐野瑞樹 頭の良さです。当時の武将としては現代的な考え方をしていて、義に厚い。そして、効率主義者。間違っていると思えば全て指摘して、それで嫌われてしまって。とは言っても最後まで秀吉のために尽くして。倹約家でもあったし、自分の国の領民には愛されていたし、有能な政治家。島左近に慕われるぐらいですからね。すごい人ですよ。ただ戦馴れしていないこともあって関ケ原で負けて。負けても逃げ続けて、当時の武士ではありえない潔さがなくて。最後まで生きることを考えていた……言い出すと止まらない…(笑)。
株元英彰 三成の全部が好きなんですね(笑)。
佐野瑞樹 そうそう!(笑)
――そんな佐野さんからみた二人の印象は?
佐野瑞樹 会ったばかりですからね。矢部さんは今回最年少ですし、株元さんは独特の芝居をしそうだなという雰囲気を感じます。どんな芝居が出てくるがすごく楽しみです。
――矢部さんは最近の舞台では武将の役が多いですね。
矢部昌暉 そうですね。初舞台が朗読劇で関ケ原の戦い(僕とあいつの関ヶ原)で、井伊直政と大谷吉継の二役でした。
佐野瑞樹 おお! 吉継は石田三成の大親友だ。あの吉継が大親友で、左近が家臣というね。すごいよね(笑)
矢部昌暉、株元英彰 ……(笑)
――私は戦国好きなのでそのすごさは分かりますが…お二人はポカーンと。
株元英彰 ハハハ(笑)
矢部昌暉 ……今稽古中の舞台(イケメン源氏伝 あやかし恋えにし ~義経ノ章~)では源義経の役です。
――武将の振る舞いが身についてきたとかは?
矢部昌暉 まだまだ勉強中の身なので…。