真木よう子(右)と上白石萌歌(撮影=木村武雄)

 真木よう子と上白石萌歌が2月5日、都内でNHK・BSプレミアムの特集ドラマ『ファーストラヴ』(2月22日放送)会見に臨んだ。

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 第159回直木賞を受賞した島本理生氏の同名小説をドラマ化。父親を殺した女子大生・環菜(上白石萌歌)のルポを書くために、彼女と向き合うことになった公認心理師の由紀(真木よう子)が真相を突き止めていく物語。

 制作統括の同局・管原浩氏が「色んな思いが詰まっていてそれを120分でどう表現するか悩んだ。それを二人に背負ってもらった」と語った本作では、環菜と由紀のやりとりを中心に繊細な女性心理を描いた。プロデューサー・塩村香里氏が「非常に難しい役だった」と語った環菜役を演じた上白石は脚本をめくりながら「やるせなさが残った」と回想。

 演じているときは「この子を救ってあげたいという気持ちで向き合っていた。今思い出しても自分と役の境目もないぐらい。自分とも役とも向き合った。とても良い時間だったと思います」。役作りのため、法廷を見学したり、「拘置所生活を送る人の日記を読んでみたり、心の悩みについても学んだ」という上白石は「私自身も学びが多かった」。

真木よう子(撮影=木村武雄)

 一方、環菜と向き合う公認心理師の由紀を演じた真木。基本原作は読まないといい「私にとってはゼロがこの脚本。頂いた時に演じたいと思った」とし、その理由を「女性だったらどこかに共感がある物語だと思った」から。「女性が救われていく、次のステップへ導いて行かせる役だったのでぜひ挑戦してみたいと思った」と回想した。

 「誰もが闇は抱えていると思う」という真木が演じる由紀もトラウマから乗り越えた過去がある。役作りでは「由紀の闇に悩むことはなかった」といい「それよりも、本当に環菜さんの心を引き出してあげないといけないというのがあった」と公認心理師として向き合うことに意識を集中させたことを明かした。

 また、上白石を「頑張れと言わなくてもきちんと役に入れて、安定したお芝居をしていた記憶があります。こちらが本当の気持ちがぶつけるとちゃんとキャッチボールで返してくれる。役者としての信頼感はあった」と称えた。

上白石萌歌(撮影=木村武雄)

 一方、上白石は真木との撮影を「面会室のシーンではカメラが回っていない時も距離感は大事にしていた。撮影中は由紀と環菜しかいなかった。だからこそ生まれた空気感だったと思う。2人の間には仕切りがあるけど、最後の面会シーンは仕切りがあることを忘れるぐらいの熱量だった」と振り返り「お芝居しているときは真木さんの目に助けられた。真木さんとじゃなかったら生まれなかった感情がありました」と真木に引き出されたことを明かした。

 『ファーストラヴ』は2月22日午後9時からNHK・BSプレミアムで放送予定。

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