Kitri「チーム一丸となって作り上げた」三部作で見せた第一章の集大成
INTERVIEW

Kitri

「チーム一丸となって作り上げた」三部作で見せた第一章の集大成


記者:村上順一

撮影:

掲載:20年01月30日

読了時間:約15分

 ピアノ連弾ボーカルユニット・Kitri(キトリ)が1月29日、1stフルアルバム『Kitrist』をリリース。昨年『Primo』でメジャーデビューを果たし、7月には2ndEP『Secondo』をリリース。今作はその2枚の集大成、第1章を締めくくる1枚となった。アルバム全体で楽しめる作品で2人の挑戦やKitriらしさを追求した1枚だ。インタビューではアルバム制作背景に迫った。【取材=村上順一】

違うカラーを見せられるような曲を作りたい

『Kitrist』ジャケ写

――フルアルバムが完成した今の心境はいかがですか。

Mona 皆さんのおかげなんですけど、フルアルバムを私達でも作れる、私達の頭の中にあったものが、色んな方の力を借りて形にするというのが、嬉しいことなんだなと実感できました。まだデビューさせていただいて1年なんですけど、2人だけでは何も始まらなかったところを皆さんに広げて頂いていることを常々感じています。

Hina フルアルバムとなると曲数も多いですし、完成してすごく達成感を感じました。昨年リリースしたEP『Primo』と『Secondo』、今作『Kitrist』で第1章を締めくくると言いますか、3部作というのを念頭に作っていたので、その集大成をお見せ出来るんだなと思うと、すごく感慨深いです。あっという間の1年でした。

――このアルバムを聴かせていただいて『Primo』+『Secondo』=『Kitrist』という式が浮かび上がってました。Kitristという単語はファンの方たちの呼称でもあるんですよね。

Hina はい。私達のことを応援してくださる方をはじめ、スタッフさんや私達のことを広めてくださるメディアの方々も含んでいます。

――良い言葉ですよね。この言葉が出てきたきっかけは?

Mona スタッフさんからの提案でした。私達もこの言葉を聞いたときに「絶対これが良い」と思いました。Kitriチーム内でも、これしかないとなりましたから。なので、アルバムが完成する前からこのタイトルにしたいと決めていました。

――覚えやすくて良い言葉ですよね。さて、今作はずっと聴いていても飽きない、何周も聴ける、アルバム全体で一つの作品といった印象を私は受けました。

Mona ありがとうございます。すごく嬉しいです。2人の(ピアノ)連弾とハーモニーなんですけど、違うカラーを見せられるような曲を作りたいと思っていて、アルバム全体を見たときにKitriのカラーが見えてくるような、11曲がグラデーションになって聴けるようなアルバムにしたいと思っていました。

――11曲というのはこだわりがあったんですか。

Mona 入れたい曲を入れたら11曲になったという感じで、11という数字にこだわったわけではないんです。ただ、1曲目の「overture」は制作途中では何も考えていなかったんですけど、2人のハーモニーをただただ聴いてもらえる、このアルバムの幕開けになるような曲があってもいいのかな、と思い収録した経緯があります。

――「overture」は聴いた瞬間にワールド・ミュージックのような、多国籍でオリエンタルな雰囲気もあって、Kitriの音楽性の幅を感じさせてくれました。

Mona 網守将平さんという作曲家の方がアレンジしてくださったんですけど、ピアノ連弾だけでは表現できない世界観、広大でみずみずしさを想像させる曲に仕上がりました。

Hina アレンジを最初聴かせていただいたときに、「こんな風になるんだ」と驚きました。ピアノやコーラスも試行錯誤してアレンジしてくださっていて、すごく大好きな1曲になりました。水の底から何かが湧き上がってきて、それが弾けるようなイメージが湧きました。すごく空想が広がる曲でアルバムのオープニングに相応しい曲になったなと感じています。

――歌詞からイメージを受けてしまうこともあるのですが、音から無限のイメージが広がっていくことを実感させてくれました。歌詞といえば、今回「青空カケル」という曲はお2人で作詞されたみたいですね。

Mona そうなんです。この曲は1人で黙々というよりは2人で和気あいあいと作りたいと思いまして、2人で並んで「あーでもない、こーでもない」と言いながら作詞しました。今まではそういった作り方はしていなくて、どちらかが先に書いたものにあとから弄ることはあったんですけど、2人並んで同時に書いたのは初めてのことでした。

――「青空カケル」というタイトルはどちらの案で?

Mona このタイトルはKitristを考えてくれたスタッフさんからの案でした。私達が悩んでいてなかなか決まらないときに、パッと良いアイデアをいつもくれるんです。

Hina 私達も何十個も考えたんですけど、なかなか良いのがなくて…。

――スタッフさん、大活躍ですね(笑)。他にも考えてもらったタイトルはあるんですか。

Mona 今作では「さよなら、涙目」や「別世界」もスタッフさんからのアイデアです。なので、すごくチームで作り上げた1枚になりました。

――チーム一丸となった作品なんですね。2人での作詞はスムーズでしたか。

Mona 時間は掛かりました。メッセージ性を気にしすぎてしまって、何か一つ強いメッセージを言わなければ、と考えすぎてしまって...。何も浮かばなくなってしまった瞬間もありました。でもこの曲は何かを伝えるのではなく、もっと気楽にメロディとハーモニーと言葉が一緒になって、そよ風のように入ってくる曲があっても良いんじゃないかなと思いました。

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