菅田将暉が昨年12月31日に放送された第70回NHK紅白歌合戦に初出場。米津玄師が作詞作曲した「まちがいさがし」を熱唱。真っすぐでエネルギー溢れる歌いっぷりに「歌手・菅田将暉」としての凄みを感じるとともに尾崎豊を彷彿とさせるところもあった。

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 歌唱前にこの日審査員で出演した長谷川博己に「若さが格好良さだけでなく、表現すに関するパッションが体からほとばしっている。それを歌で見せてほしい」とし、田中圭には「いろんな才能があって人を惹きつける力もあって同じ役者として尊敬しています」と称えられた。

 期待を受けて菅田はステージに立った。前奏はなくいきなり歌から始まるこの曲は例え歌い慣れていても、紅白という大舞台では空気感も異なる上、司会者から紹介されすぐに歌うという自分のペースで歌い始めることもできず歌うのは難しい。しかし、菅田はなんの戸惑いもみせずにののっけからトップギアで一気にその世界観を広げた。歌い始めた瞬間に「歌手・菅田将暉」に切り替わったようにも感じられた。

 その前日に行われたリハーサルでもそうしたところが見られた。出場者の多くはステージに登場した後、ある程度準備を整える時間がある。菅田の場合は、ステージに登場するとマイクスタンドに立ち、スタッフと軽く話して水を一飲み。白組司会の櫻井翔に紹介されすぐに歌い始めた。登場して歌い始めるまでに1分もかからなかった。慌ただしいなかにあっても菅田はひるむことなく、一気にその世界に入った。

 その菅田は囲み取材で、リハーサルに臨んだ感想を「エンジンがかかってきたところで終わって。本番では最初からエンジンをかけないとな」と語り、改善点を示していた。その言葉の通り、本番では初めからエンジン全開。むしろ、力が入りすぎて途中で声が続かなくなるのではないかと思えたぐらいだった。しかしサビでは大きく伸びやかな歌声を聴かせ、その心配を払拭させた。

 体全身から漲るエネルギーを余すことなく歌にのせる。その太く力強い歌声、そして歌い方は、声質は異なるものの尾崎豊を彷彿とさせるところがあった。まさに圧巻だった。

 昨年はツアーも行うなど歌手活動も充実していた。今回の紅白出場は「歌手・菅田将暉」としての可能性を更に広げるきっかけになるのではないかと、彼の真っすぐな歌声を聴いてそう思った。【木村武雄】

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