藤本隆宏、マルシア、蒼乃夕妃、栗山航、河西智美、荒井美虹、、徳山しずく、山田和也氏

 来年上演35周年を迎えるミュージカル『アニー』(2020年4月25日~5月11日、東京・新国立劇場中劇場ほか)製作発表会見が9日、都内で開かれ、アニー役の荒井美虹(10)、徳山しずく(10)、ウォーバックス役の藤本隆宏、ハニガン役のマルシアらキャスト陣が出席した。

 1924年に米国の新聞で連載が始まった漫画『ザ・リトル・オーファン・アニー』をもとに、1977年にブロードウェイのアルヴィン劇場で誕生。日本では、日本テレビ主催で1986年にスタート。これまでに全国で累計180万人を動員している人気ミュージカルだ。

 主催の日本テレビ・廣瀬健一執行役員は「常に時代と周りの状況に合わせて演出方法も変化している。これが35年にわたってご支持を得ている要因の一つ」、協賛の丸美屋食品・阿部豊太郎社長は「東京オリンピックに負けないような感動を見せられると思う」と期待を寄せた。

 来年で4回目のウォーバックス役を務める藤本は「毎年同じ役に向き合う難しさと楽しさがあります。毎年新鮮で、キャストも違いますし、やりながら子供たち、お客様の反応も違う。なので惰性になりえない。山田(和也)さんの演出も来年で4回目、少しずつ変わってきている。新たなアニーの一員として精いっぱい演じていきたい」と意気込み。

 ハニガン役で2017年以来の復帰となるマルシアは「当時は覚えていません」と笑みを見つつ「思い出すようなハニガンは致しません。新たな気持ちでやりたいし、年齢を重ねてきた、その分芝居は変わるかも。山田さんの演出も変わると聞き思うのはコミュニケーションが大事ということ。当時は100ボルト、今回は1000ボルトで頑張りたい。稽古場でも子供が主役。子供たちのエネルギーが私たちを動かしている」と語った。

 今年に引き続きグレースを演じる蒼乃夕妃。初出演となった今年を振り返り「子供たちのパワーに圧倒されたのと、毎日変わっていく空気が新鮮で、私たち大人はシングルキャストでハードと思っていたが、終わって見たらあっという間で楽しさだけが残っている。キャストもがらりと変わっているので新たな空気になっている。そこで挑みたい」と述べた。

 ルースター役で初出演を果たす栗山航は「アニーと言えば誰でも知っているような公演。それに参加できるのは光栄。選ばれたということは何かしら意味があると思うので僕らしいルースターを演じたい。(来年は)オリンピックイヤーですがそれに負けないぐらい盛り上げたい」と意気込み。

 栗山と同じくリリー役で『アニー』初参加となる河西智美は「まだ実感がない。私は少女役が多くて、悪役と言うか、そういうのは初挑戦。来年新しい一面に出会えるのかなと期待しています。それと同期の野呂佳代がやっていたので私らしいリリーを演じたい」と述べた。

 アニー役を射止めたのは荒井美虹と徳山しずく。荒井は「アニー役が決まって嬉しくてこれからいつどこで誰に観られているかわからないので挨拶に気を付けて生活を送っています」、徳山はオーディションには過去2回挑戦しており、3回目の正直でのアニー役となる。「ダンスが得意なのでダンス審査で最後まで踊り切れたのでそこで自信がつきました」と振り返った。

 4年連続で演出を手掛ける山田和也氏は、「最初にミュージカルを立ち上げるのは大変な仕事。無我夢中でやっていても後に『ああしておけば』と残る。2年目でそれを直しても、3年目もまだ残る。今回は4回目なので今までの集大成。熟されたクオリティの高いアニーになれば。アニーは毎年変わるので新鮮にならざるを得ない。成熟して新鮮なアニーを見てください」と語った。

 この日は、初代演出家の篠崎正光氏もゲスト登壇した。

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