立花綾香「新しい自分に出会えた」挫折を経て新たに発信する音楽の向こう側
INTERVIEW

立花綾香「新しい自分に出会えた」挫折を経て新たに発信する音楽の向こう側


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:19年11月24日

読了時間:約12分

「まずは会って初めまして」と言いたい気持ち

――8月21日に福岡ヤフオク!ドームで国歌独唱をされていましたが、いかがでしたか?

 場所的に広い所で歌うという点に緊張しました。それまでこんなに緊張したことはなかったというくらい。前日にスタジオに入って練習して「このキーで歌う」と決めていたので、そこは気をつけていました。メロディの高低差が凄いから難しくて。みんなから「くれぐれも高いところから入るなよ」と言われて、そのプレッシャーは大きかったです。

――約2万人が集まるなかでの見事な歌唱というのは素晴らしいと思います。これまでのご活躍として、音楽ユニット(K)NoW_NAMEのボーカルとしてアニメ『Fairygone』テーマソングを歌唱というのもありますね。

 これはいまも放送しているアニメ『Fairygone』で歌っていて、(K)NoW_NAMEというユニット自体がアニメに沿うアーティスト、アニメありきのユニットなんです。だからアニメを観てライブに来てくださるお客さんもいて、凄くありがたいなと思います。特に女性のお客さんが来てくれるのが凄く嬉しくて。

――同性にも支持されるというのは嬉しいことかと思います。

 嬉しいです! Twitterで「(K)NoW_NAMEの立花さんと同じ髪型にしてみました」というのを見た時はメチャメチャ嬉しかったです。

――(K)NoW_NAMEでの活動は大きなアクションだったのですね。さて、本作についてですが、改めてメジャーデビューした心境は?

 もともとはメジャーデビューしたいと思って上京してきて、いまとは違うチームでやっていたんです。そのなかでだんだんとメジャーデビューに対するこだわりがなくなっていったんです。自分が本当にやりたいのは、デビューしてどうこうというよりは、自分が作った曲を聴いてほしいというのが大きくて。前のチームでは自分の曲を作っていなかったんです。それで「メジャーデビューってこういうことなんだな」と思ったんです。となると、私がやりたいのは自分で曲を作って発信していって、お客さんを増やしていくほうがメインだなと思って。

――以前のチームでは自分では曲は作らず、それがメジャーデビューへ進む道だと思っていたと。

 そうです。だから「じゃあメジャーデビューはしなくてもいいや」と、その時は思ったんです。チームとお別れして新たに一人で活動を初めて、自分で曲を作って。お客さんも少しずつ増えていったなかで、今回のチームは私の曲ありきでやってくれるんです。そのなかで今後の活動において一度メジャーデビューというのを視野に入れてもっと広げて行こうという、ちゃんとした意味があってのメジャーデビューだと思うんです。だから「やった! メジャーデビュー!」というよりは、ひとつのきっかけというか、新たな自分になれる機会だなと思っているんです。ここからだという気合より、また新しく始められるという爽やかな気持ちのほうが多いです。

――その根源にあるのは、ご自身で曲を作って、それを発信していく姿勢ですね。

 もともとは自分が作っていた曲が、自分の感情が多くて。辛かったり苦しかったりした時に作った曲が多かったんですけど、このチームになってから「人に対する曲」というのを作れるようになったのが大きくて。

――そこは大きな変化だった?

 そこはメチャメチャ変わりました。色んな人から「こんな曲を作ってみたら?」とか「こんな心境だったらこんな景色を入れてみたら?」とか、いままで自分が思わなかったアドバイスが頂けるようになって。それでいままで作ってきた楽曲とはガラッと変わったというのもありまして。ポジティブで前向きで、少しでも誰かに寄り添えたら嬉しいなという曲が増えました。その意味も込めて『HELLO』というタイトルにしたんです。いままでの自分を昇華しつつ、浄化させつつ。新しい自分に出会えたなというのは凄く大きいです。

――1曲目「最初はハロー」は正にそういった曲?

 いまネットが普及しているなかで、ライブとかで「Twitterで見たことあります」とか「ネットで名前は知ってます」と言われることが多くて。今回はアーティスト写真は白なんですけど、いままでは黒が多かったんです。強い印象の写真を題材にしていたので、「怖い人だと思っていました」と言われることが多くて。

――確かにお会いするまでの印象として、そういった部分は若干ありました。

 「話しかけちゃいけないのかな」みたいな(笑)。意外と自分はそういう風には思っていなくて。人見知りなのはあるんですけど、話しかけて頂ければちゃんと応えるし。自分像と他の人からの印象のギャップがけっこうあって。今回は新しい自分というのがあるので、まずは曲を聴いて頂いて、会って初めましてと言いたいなという気持ちを込めた曲です。

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