この１年は無駄ではなかった、YURiKA　成長の証「Le zoo」様々な仕掛けも

アニメとリンクしたアニメ盤、思いを詰め込んだアーティスト盤

――そんな考えが反映されているのが本作でもあります。「Le zoo」のＭＶもアニメと重なっている点もあって。

　『BEASTARS』のエンディングテーマですし、私の生粋のおたく心というか（笑）、作品のファンの方にも、私のファンにも、いろんな人にも納得してほしいしという思いがあって、その私の考えを汲み取って下さいました。レゴシが演劇部ということもあるので、そういう作りも組んでくれて。スタッフさんが案を出して下さって、その時点で形が出来上がっていました。

――YURiKAさんの考えを理解しているんですね。アニメのエンディングで出てくる月もＭＶには出てきて、そういう重なっているところはファンの方も、そうでない方も楽しめるポイントですね。

　映像や作品の共通点を、アニメを知らない方にももちろん楽しんで欲しいですが、知っているからこそ体感できる「あ！　これあれだ！」という辻褄が合う感じは、私もファンの一人として嬉しいので、それは大事にしたいと思っています。

【アニメ盤】YURiKA Lezoo

――アニメ盤では『BEASTARS』のエンディングテーマ「Le zoo」に始まり、「眠れる本能」、「マーブル」が収録されています。

　歌詞は全て唐沢美帆さんが書いて下さって、作曲は１曲ずつ異なっていて、全体のサウンドプロデュースはアニメの音楽を担当されている神前暁さんです。その神前さんは「Le zoo」を作曲して下さって。３曲とも曲調が全く違うんですよ！

――様々ですよね。「Le zoo」は、歌詞では多様性など物語の全体を表していて、「眠れる本能」はレゴシの本能的な衝動が描かれていて、曲調はファンクな感じで。

　エンディング曲が複数あるとは事前に聞いていました。順番的にも「Le zoo」「眠れる本能」「マーブル」というのは分かっていて、複数あるから曲調も幅広くなるんだろうなとは予想していましたが、思った以上に違うなと（笑）。『BEASTARS』は葛藤やキャラクターそれぞれに悩みを抱えながら物語が進んでいくので、本能的なちょっと怖い怪しい雰囲気も作品の魅力だと思うんです。それを「眠れる本能」で表現できたらいいなと思いました。曲もかっこいいですし、歌っていて楽しいです。

――「マーブル」はバイオリンなども入って優しい歌ですね。

　私はコーラスがすごく好きで、サビや間奏に入ってくるコーラスもやらせて頂きました。歌っていて浄化されるような気持になるんですよ（笑）。歌詞の一人称が「僕」なんですけど、私はハルの優しさをイメージして歌っています。イメージソングではないけど、それぞれに思いが寄せられるというか。聴いてくれる方も推し曲は違うと思います。

【アーティスト盤】YURiKA Lezoo

――アーティスト盤はいかがですか？

　アーティスト盤のカップリングはアニメ盤と違ってアニメ作品とは異なる曲、どちらかというと自分が表現したいものを収録できるということでしたので、コンセプトとして、アッパーな曲、それと聴いてくれる人にエールを送る応援歌にしたいと思いました。

――「baby baby flow」は90年代、00年代のロックという印象がありますね。

　こうした曲調は好きで歌いやすかったです。ここまでロックロックしている曲はこれまでなかったし、作曲も黒須克彦さん、作詞はUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんで２人とも豪華！　渋谷WWWでのワンマンライブで初披露しましたが、皆どこで覚えたの？　というぐらい盛り上がってくれて（笑）。この1年でのもどかしさから抜けて「これから頑張っていくぞ！」ということを歌いたいということをディレクターさんに伝えて、そこから田淵さんが歌詞を書いて下さったんですが、思っていることをそのまま歌詞で表現されていて嬉しかったですし、「すごい！」と思って（笑）。曲自体もめちゃくちゃかっこよくて、ライブで盛り上がるような掛け声のあるパートもあるし、歌っていて気持ちが良くて。初めて聴いた時から「絶対にライブで盛り上がる！」と確信していたので、早く歌いたいと思っていました！

――さて１年の準備期間を経ていよいよ羽ばたきます。今後どういう活動を？

　やっとリリースできるので嬉しいです！　全然表情が違う５曲を通して学んだこともあるし、「もっとできるな」と手応えも感じています。なので、いつかツアーをしていろんな人に歌を届けにいきたい、もちろんアニメの曲もたくさん歌っていきたいです！

YURiKA

（おわり）