シュワルツェネッガー、“サラ・コナー”と来日「35年来の友」“戦友”の絆
アーノルド・シュワルツェネッガー(72)、リンダ・ハミルトン(63)らが映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』(8日公開)プロモーションのため来日。5日には都内で会見を開いた。1984年公開のシリーズ第1作『ターミネーター』以来の仲だが、2人揃って来日するのは今回が初めて。会見では仲睦まじさと互いにリスペクトする姿が印象的だった。
颯爽とステージに登場した、サラ・コナー役のリンダ。対照的に分厚い胸板を前にどっしりと歩くアーノルド。設けられた椅子に沈むように座ると、水を一口。サムアップを報道陣に見せてから挨拶に臨んだ。
サラ・コナー役のリンダは本シリーズに、1991年公開の『ターミネーター2』以来の復帰を果たす。本作では、最新型ターミネーター・REV-9(ガブリエル)に命を狙われた、人類の命運を握る少女・ダニー(ナタリア)、その少女を守る謎の戦士・グレース(マッケンジー)の攻防が描かれる。
ダニーらの前に現れるのがサラ。REV-9に追われ絶望的な展開のなかで堂々と登場する。ともに来日したマッケンジーはそのシーンが印象的だったとし、サラの圧倒的な存在感に「すごい体験だった」と振り返った。
サラを演じたリンダは63歳。しかし、劇中では歳を感じさせないほどのアクションを披露している。その驚異的な体力と精神力を、ナタリアは水中でREV-9から逃げるシーンを例に挙げ、1日12時間は水の中にいる撮影でそれが1カ月続いた。「私は疲労困憊して死ぬかもしれないぐらいだった。でもリンダさんは『さあ、行くわよ!』と元気。信じられない」。
リンダから絶大な信頼を寄せるアーノルドもまた、リンダに大きな期待と信頼を寄せている。第1作目『T1』の時に「彼女は女性のアクションヒーロー像というとても高い基準を設けた」とし、続く2作目『T2』では更に高めたとした。本作で復帰を提案したのは“生みの親”でもあるジェームズ・キャメロン。ただ知らされたときは「このシリーズでその基準に到達できるのか」という思いもあった。
しかし、いざ撮影が始まるとその想いは一転。「圧倒された。リンダは見事だった。彼女の姿をみているだけで圧倒された。信じられない。水準をはるかに超えたもので、60歳という年齢で見事な普通ではない素晴らしい動きを、筋肉も蓄え武器などもプロのように操り、軍事的なトレーニング全ておこないながら、献身的に先進的に整えて、私たちに素晴らしいインスピレーションを与えてくれた」と称えた。
そして「これはあまり言いたくないけど…」と前置きした上で「彼女は重要な資産となっている。過去にターミネータ作品に出ていなかったのは間違いではないか」と述べた。
そう褒められたリンダは笑顔で「みんなありがとう」と照れていた。
アーノルドは会見の最後、報道陣の「いつまでターミネーターを続けるか」という問いに「私自身は終わりだと思っている。でも、観客がどう思うかだ」と明かした。『T1』制作時、誰もが予想もしていなかったヒット。アーノルドは「B級映画という前評判だったが、編集段階で風向きは変わった。映画は観客が決めるもの。公開されてたくさん観てくれて、そしてそれが次の作品に繋がる」とした。
いわば、“審判”は観客に投げられたわけだが、理想とするものを追い求め自身を追い込む姿勢はアーノルド、リンダの2人、そしてその2人の背中を見た新キャストらから見え隠れする。作品を通して苦楽を共にした仲間は絆が強い。会見終わりに互いに背中に手を添えるアーノルド、リンダの二人からそれはうかがえた。【木村武雄】
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