GOOD ON THE REEL「唯一無二のバンドに」リスタートに懸ける気概
INTERVIEW

GOOD ON THE REEL「唯一無二のバンドに」リスタートに懸ける気概


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年09月23日

読了時間:約10分

表現してこなかった感じの詞に仕上げたい

GOOD ON THE REEL

――「YOU & I」はMBSドラマ特区『コーヒー&バニラ』オープニング主題歌ですが、原作など読まれてから制作されたのでしょうか。

千野隆尋 原作を読んでから取り組みました。

伊丸岡亮太 とにかく、スイート、甘いという印象で。

千野隆尋 少女漫画が原作なんですけど、僕は普段少女漫画をあまり読む機会がなかったので、ちょっと照れくさい感じがありました。男性が女性をひたすら甘やかす、願望を叶えていくというのが少女漫画にはあると思うんですけど、ストーリー展開も含めて衝撃でした。

――この曲を作曲されたのは岡崎さんですが、どう感じましたか。

岡崎広平 僕は全部読んだんですけど、読んでみてとにかくポップさを出したいなと思ったんです。

千野隆尋 僕と亮太も含めて3人で曲を作って出したんですけど、その中で一番ポップで「コーヒー&バニラ」のイメージに合っていたのが広平ちゃんの曲で。

――それぞれこだわったポイントはどこですか。

岡崎広平 イントロのギターのフレーズはすごく好きです。あれをド頭に入れたいというのがあったのでデモの段階から入れてました。

――あの印象的なイントロはディレイを使ってるんですか。

千野隆尋 あれ手弾きなんですよ! 広平ちゃんはこういったフレーズが大好きで、めちゃくちゃ上手いんです。レコーディング中、ブースで見てたんですけど全然ブレないし、ミスをしないんです。エンジニアさんも「職人だね」と言ってましたから。

伊丸岡亮太 もう右手がサイボーグなんです(笑)。

――シーケンスフレーズ職人、カッコいいですね。伊丸岡さんは「YOU & I」のレコーディングいかがでしたか。

伊丸岡亮太 僕は今回かなりスムーズでした。イメージとしてDOPING PANDAさんのような感じでやってみたいなと思って、それで軽快に弾いてみた感じなんです。ちょうどDOPING PANDAさんのライブ映像を観ていてカッコいいなと思って。

――高橋さんはいかがでしたか。

高橋誠 今回、曲が出来てからレコーディングするまでの期間が短かったんです。移動中にずっと「YOU & I」を聴いていたので、イントロのギターが頭に残るんですよ(笑)。あと、この曲は疾走感があると感じてもらえると思うんですけど、BPMは実はそんなに速くないんです。テンポは150ぐらいなんですけど、その微妙なテンポで疾走感を出すというのは、大変だった部分でもあるんです。

――バンドアンサンブルで聴かせる妙みたいな疾走感がありますよね。千野さんは作詞も含めてポイントをお聞きしたいです。

千野隆尋 原作が衝撃的だったということもあって、今回作詞は苦戦しました。今までGOOD ON THE REELで表現してこなかった感じの詞に仕上げたいと思いました。良い感じに僕ららしさと拓けた感じを混ぜられたかなと思います。歌詞には縛り、制約を付けていて、Aメロで<1つ目>、<2つ目>とか、サビで<なんでなんだろう>、<どうしてだろう>と固定することによって、曲のキャッチーな部分をより際出たせたいなと思ったんです。

――最近は詞先はあまりやらないんですか。

千野隆尋 書いてはいるんですけど、最近はフルで歌詞を先に書くことはほとんどないです。言葉のパーツで書き留めたりは今でもしていて、亮太に渡してはいるんです。

伊丸岡亮太 昨年リリースしたミニアルバム『光にまみれて 』に収録されている「モラトリアム」は詞先で曲をつけたので、あることはあるんです。あと、ストックの中には詞先の曲も何曲かあるので、いずれ発表できたらなとは思っています。

――楽しみです。歌の方はいかがでしたか。

千野隆尋 サビが非常に高いんです。最初とメロディが変わったりしたんですけど、歌ってみたら思っていたよりも高くて。地声でもいけるんだけどエモくなってしまう、この曲はポップな曲ということで、エモくならないように裏声をどこで入れるか、現場で考えながらレコーディングしました。あと、普段あまりやらないんですけど、サビでフェイクを入れてみたりしました。

――レアなんですね。

千野隆尋 レアです。なので、<どうしてだろう>のところを注目してもらえると嬉しいです。僕もフェイクは出来るんだぞみたいな(笑)。

――宇佐美さんのこだわったポイントは?

宇佐美友啓 さっきも出たんですけど、テンポ感というところと、休符がけっこうあるのでそこをしっかりとやりたいなと思いました。今回、サビに珍しくキメがあるんですよ。あまりやらないので、みんな、なかなか合わないなと苦戦しました。

――リズム隊で話し合ったりとかしますか。

高橋誠 そんなに話し合ってということはないです。割と現場で合わせていくことが多くて。例えば、キックの位置をずらしても、宇佐美が自然と合わせてくれるんです。

――長年の呼吸があるんですね。

伊丸岡亮太 2人のコンビネーションというところでは、この「YOU & I」は特に出ていると思います。

岡崎広平 グルーヴが出やすい曲だと思うんです。

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