GOOD ON THE REEL「クセがすごい」ニューAL「P.S. モノローグ」に迫る
INTERVIEW

GOOD ON THE REEL

「クセがすごい」ニューAL「P.S. モノローグ」に迫る


記者:村上順一

撮影:

掲載:22年09月01日

読了時間:約15分

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 GOOD ON THE REELが8月31日、5th オリジナル・フルアルバム『P.S. モノローグ』をリリース。前作「花歌標本」から約1年3カ月ぶりとなった本作は、中毒性のある1枚に仕上がった。

 収録曲はフジテレビ「+Ultra」TV アニメ『エスタブライフ グレイトエスケープ』のEDテーマである「0」、WEAVERの杉本雄治がアレンジとピアノ、さらにギター演奏で参加した「同じ空の下で」、ライブのような空気感を纏ったハードなダンスチューン「WonderWant」、シンセサウンドがポップさを演出した「ファンファーレ」、シティポップテイストの「シネマスコープ」など全10曲を収録。

 インタビューでは、千野隆尋(Vo)、岡崎広平(Gt)【※崎はたつさき】、宇佐美友啓(Ba)、高橋誠(Dr)の4人に、8月1日にファイナルを迎えた対バンツアー『HAVE A “GOOD” NIGHT vol.101-vol.〇〇〇 ~インタ ーホンが鳴った~』を振り返ってもらい、アルバム『P.S. モノローグ』の制作背景に迫った。(※伊丸岡亮太(Gt)は休養中)【取材・撮影=村上順一】

トークも爆発した対バンツアー

――オリジナルフルアルバムが完成しましたね。

千野隆尋

千野隆尋 先行して「0」をアニメのために書かせていただいて、その流れでアルバム制作に入れました。

岡崎広平 今年の春頃にアルバム制作が始まって、ちょっとスケジュール的にはぎゅっとしていた感じもありました。8月くらいにアルバムを出せたらいいなと思って2マンライブをやりながら、制作を進めていました。

――その対バンツアーはいかがでした?

岡崎広平 対バン相手がいるというのは仲間がいるということなので、打ち上げこそできなかったんですけど、シンプルにめちゃくちゃ楽しかったです。他のバンドのライブを観たのも久しぶりだったので、すごく懐かしさと刺激をもらったツアーでした。バンドの良さには対バンもあるというのを改めて思い出せました。

宇佐美友啓 自分たちのファンだけじゃないという空間も久し振りだったので燃えました。その人たちのリアクションも楽しかったですし、全箇所通していいライブができたと思っています。

千野隆尋 2マンツアーはずっとやりたいと思っていました。僕らは今16年目で、これまでたくさんのバンドに出会ってきたわけですが、自分たちから2マンツアーというのは企画したことがなかったんです。(新型コロナの影響で)飛んでしまった回もあったのですが、最後まで回れたことが嬉しかったです。

――同窓会みたいですね。

千野隆尋 緊張感のある同窓会でした(笑)。

高橋誠 僕は共演者の特権である対バンの演奏をステージ袖から見るのが好きなんです。あと、対バンのドラムセットに座らせてもらったり、楽屋で話したりというのがすごく懐かしくて。本当に同窓会みたいでたくさん喋りました。ここしばらくはメンバーとスタッフくらいしか関わりがなかったので、ライブももちろんなんですけど、トークも爆発したなと思います。メンバーにも話さないようなしょうもない話もしてました(笑)。

『P.S. モノローグ』に込めた想いとは

「P.S. モノローグ」ジャケ写

――楽しさが伝わってきます。さて、ニューアルバムが『P.S. モノローグ』というタイトルになった経緯は?

千野隆尋 本作は広平がかなり頑張ってくれました。歌詞も書いていて、いつもは僕と相談しつつ歌詞も書き換えたりするんですけど、今回はほとんどそういうのがなくて、すごくいい歌詞だなと思いました。今の僕らの等身大を表していると言いますか、現状を吐露しているような共感できる歌詞を書いていたので、モノローグ(独白)という言葉があっているなと思いました。

岡崎広平 僕自身はそういうつもりで歌詞を書いていたわけではないんです。ただひねるというよりストレートに言葉を書きたいと思っていました。それを千野はモノローグという意味合いで捉えてくれたんです。それを4人で共有して曲が出揃った時にどこか劇場で何かを訴えているかのような雰囲気があるよねとなって。

岡崎広平

千野隆尋 ただモノローグだけではよくあるタイトルだなと思いました。独白はけっこう重たい言葉なんですけど、P.S.(追伸)はライトな感じがしたので頭につけて、その重さを緩和しました。手紙は本文で伝えたいことを書くわけじゃないですか? 最後に添えられるP.S.は一番日常感がある文章で、ふとした気づきだったり、その相手にしかわからないことを書く箇所だなと思い、『P.S. モノローグ』というタイトルになりました。

――この組み合わせは新鮮でした。さて、先ほど岡崎さんが対バンツアーで懐かしさもあったと仰っていましたが、3曲目の「ナツメロ」はそのこともリンクしていたり?

岡崎広平 これは僕がティーンエイジャーの頃の想いを書きました。20代、30代になってなかなか会えなくなったね、それぞれの道を進んでいるよね、またどこかですれ違えたらいいねという想いを込めました。でも、今お話していただいたように、対バンツアーもその気持ちとリンクしている部分は確かにあります。

――「ナツメロ」はMVもありますが、どんな感じの映像になりそうですか。

岡崎広平 まだ撮影は始まってないんですけど、古民家とか出てくるようなノスタルジックな映像になりそうです。(取材時)

――公開が楽しみですね。宇佐美さんは「ファンファーレ」を作曲されています。ちょっと曲調がこれまでになかった感じで驚きました。

宇佐美友啓 それぞれのデモを出し合っていく中で選ばれた曲です。これまでこういうテイストの曲は作りたかったけどなかなか出来なくて。最初は今のような曲調ではなかったんです。

宇佐美友啓

――けっこう変わったんですね。

宇佐美友啓 そもそも同期を流さず5人だけで演奏できる曲を作りたいというテーマがありました。ドラムのビートやベースが生のところなど50%くらいは元のアレンジも残っていますが、レコーディングしていく中でドラムの音を打ち込みっぽくしてみようとエンジニアさんから提案があり、それも面白いなと思いました。ギターではなくてシンセでもいいんじゃないかとなり、そこから広平くんが一夜でシンセのサウンドを作ってくれました。

――岡崎さん、すぐにイメージが湧いて。

岡崎広平 いえ、いろいろ悩みましたよ。エレキギターをフィーチャーしたものや、歌詞にパイプオルガンというワードが出てくるので、歌詞とリンクさせパイプオルガンを鳴らしたもの。逆に今風のゴリゴリのシンセを鳴らしたバージョン、エレクトロニカのようなふわふわしたシンセサウンドなど、何パターンか持っていきました。そうしたらエンジニアさんがそれを全部まとめようと提案してくださり、今のファンタジックでカオスな曲になりました。

千野隆尋 エレクトロニカ風のサウンドが歌詞をイメージさせてくれて、曲とリンクしていった感じです。そこから広平が作ってきたサウンドが歌詞とどんどん合ってきました。

高橋誠 ドラムの音色はドラムテックとエンジニアの方と相談しながら作りました。ここまで早いテンポの楽曲は、これまで僕らにはなかったのですが、こういった2ビートの曲は僕は好きなので、レコーディングは凄く楽しかったです。

WEAVER杉本雄治が見守る中でのギターソロにプレッシャー

――「同じ空の下で」はWEAVERの杉本雄治さんが参加されていますね。

千野隆尋 僕が選曲のデモ出しの時に作った曲です。その段階からリフレインするピアノのフレーズがあり、レコーディングすると決まった時にピアノ演奏を誰かに頼みたいなと思いました。あまり壮大にせずバンド感も残しつつ、歌のこともわかってくれる方がいいなと思い、浮かんだのが杉本くんでした。それで個人的に連絡したら快諾してくれました。

――杉本さん、この曲でギターも弾かれているみたいで。

千野隆尋 そうなんです。バッキングギターを弾いていただきました。WEAVERでもちゃんとギターをレコーディングしたことはないと仰っていて、自分のバンドでもやっていないことを僕らのバンドでやってくれたという、すごくレアな音源になりました。

――高橋さんは、杉本さんとはトークが爆発しました?

高橋誠 爆発はしていないんですけど、WEAVERのドラマーの河邉(徹)さんのお話をしました。そうしたら杉本さんがこの前、河邉さんのインスタを見たとのことで、ケーキを作っていたと話してくれました(笑)。

岡崎広平 僕はずっと杉本さんと音楽の話をしていました。この曲をレコーディングする時、杉本くんの目の前でギターソロを弾くことになったのですが、それがめちゃくちゃ緊張しました。

千野隆尋 コントロールルームで僕と杉本くんが並んでいるところで、広平がソロを弾くことになって(笑)。

岡崎広平 その時に「もう少しロックな感じで行ってみましょう!」とリクエストをもらったのですが、こんなにプレッシャーを感じたのは久しぶりでした。

――もしかしてライブでは杉本さん参加の可能性も?

千野隆尋 「一緒に演奏できたらいいですね」というのはレコーディングの時にちょろっと言っていたんですよ。なので、僕としてはどこかで呼びたいなとは思っているのですが、これはどうなるかわからないですね(笑)。

一発録りの雰囲気を残したかった「WonderWant」

――さて、新しい試みだったなと思う曲は?

岡崎広平 「WonderWant」です。歌詞もそうなんですけど、楽曲自体が僕らの中では新しいと思います。曲自体は3〜4年前からありました。選曲会にもいつも出ていたんですけど、収録しようというところまでいかなくて。ついに今回やってみようとなった曲なんです。デモの時はサーフロック+ヘヴィメタルみたいなテイストの曲だったのですが、エンジニアの方とお話しして方向性を変えることになりました。デモもなかなかカオスでしたが、よりカオスな楽曲になりましたね。

――もしかして一発録ですか? そういう雰囲気を感じました。

岡崎広平 一発録ではないのですが、その雰囲気は残したいと思っていました。ドラムも編集したりせずに、ギターとかもちょっとずれがあったりするのもあえて残しました。

高橋誠 この曲はとりあえず一回録ってみようと録音したテイクが使われています。何回か録ったんですけど、最初のが良いんじゃないかとなって。

岡崎広平 あと、今まではエフェクトは後から掛けていたんですけど、この曲ではディレイやリバーブなども掛け録りしていて、ギターソロでは千野ちゃんがエフェクターの前に待機して、直感に任せてリアルタイムでつまみをいじってもらって。

千野隆尋 やりましたね。2回しかやらせてもらえなくて(笑)。こんな感じでいいの? と言いながらやったものが採用されました。

――そんな背景があったんですね。歌はいかがでした?

千野隆尋 アルバム全体を通してテイクはかなり少なかったです。それこそ「WonderWant」はほぼ録り直しはしてないです。ただ、コーラスなどのオーバーダビングにすごく時間を掛けました。歌い方としては、「シネマスコープ」ではウィスパーで息を多く含んだ歌い方、「ファンファーレ」では高いレンジの部分をエモくなりすぎないように滑らかに歌ってみたり、「同じ空の下で」は緩やかな波のように歌ってみたりと、艶っぽい歌声は意識してました。これまではエモさを売りにしていた曲が多かった中で、チリチリしている成分をなくして歌うような録り方が多かったです。

――「シネマスコープ」はシティポップ調でアルバムのアクセントになっていますね。

岡崎広平 僕がシティポップ好きなのでそれが出ました。ユーミンさんが特に好きで、その雰囲気を取り入れられたらいいなと思い制作しました。ギターフレーズだとオクターブ奏法が好きなので、それをうまく取り入れることができたかなと思います。

宇佐美友啓 僕はこの曲で今回初めてナイロンの弦を使って弾きました。プライベートでも使ったことがなかったんですけど、ちょっと張ってみようかなと思って家で弾いていたんですけど、これ良さそうだなと思って、レコーディングでも使ってみようと思い、この弦が合う曲は「シネマスコープ」だなと思いました。

――さて、高橋さんの新しい試みは?

高橋誠 新しいというわけではないんですけど、今回ドラムレコーディングでドラムの周りをパーテーションで囲みました。録り音をタイトにしたいという狙いでした。あと、今回ドラムテックをつけずに何曲か自分の持ち機材で録ったんですけど、昔使っていた錆だらけになってしまったスネアを使いました。エンジニアさんに「もっと深い感じのスネアは持ってない?」と聞かれて、錆びているけどこういうスネアがありますと話して、引っ張り出して使ってみたら曲に合ったんです。「当たり前」という曲でこのスネアの音が聴けます。

高橋誠

――その「当たり前」は当たりという言葉がたくさん登場して面白いですね。

千野隆尋 「当たり前」もそうなんですけど、今作では今までとは違う歌詞の書き方をしたなと思っていて、同じ言葉を繰り返す曲が多いんです。もともと規則性のあるものは好きなんですけど、「同じ空の下で」や「Dreamer」がそれで、「0」はちょっと違うんですけど、数え歌の要素が入っていたり。最近新しい音楽を探るようになって、意味はないけどクセになるようなものは、リフレインする言葉にあるなと。TikTokとかもそういう感じがあるなと感じて研究しました。そういうところから影響を受けた部分もあるかも知れないです。

「ダンス」は皮肉も込めたタイトルになった

――9曲目の「ダンス」の歌詞、面白いですね。

千野隆尋 曲調的には僕らっぽさは出ていると思います。仮で書いていた歌詞があって、それが今のような感じだったんですけど、最初は書き直そうかなと思いました。でも、なかなか最初のイメージから逸脱できなくて。神様や死神、命とかそういうものに対して砕けた答えが返ってくるみたいな一種の物語みたいなものがあってもいいかなと思いました。大それたことと砕けたことを同居させた歌詞になりました。

――自分の存在意義を問うような感じもあります。

千野隆尋 自分に価値なんてあるのかなという、自分の中で闇期があったんでしょうね(笑)。

――タイトルの「ダンス」はどういった着想から?

千野隆尋 死生観の中に時代があり、流行りがあり、その流行りも生まれては死んでいくという対比みたいなものがあるんですよね。世の中の流行り廃りは全部作られたものですよ、というのがこの曲で一番伝えたいところなんです。メディアにみんな簡単に踊らされているという、皮肉も込めたタイトルになりました。

――このアルバム『P.S. モノローグ』を総評するとどんな作品になったと思いますか。

千野隆尋 クセがすごい、中毒性のある作品になったなと思います。自分も面白くてついつい聴いてしまうんです。最後まで聴くとまた1曲目の「WonderWant」が聴きたくなると思います。

――ラストを締めくくるのが「0」というのもいいんですよね。

岡崎広平 候補はいくつかあったんですけど、やっぱりこの曲かなと思いました。

千野隆尋 見えなくとも未来はというメッセージで終わっているので、ラストにいいなと思いました。

――最後に9月4日からスタートするツアー『「HAVE A ”GOOD" NIGHT vol.112-119 ~P.S. ダイアローグ~」』への意気込みをお願いします。

高橋誠 ツアーは(伊丸岡)亮太がお休みということで、サポートギターを入れて回るんですけど、まだリハはやっていないのですが、いい曲たちでいいライブになるなと思ったので、楽しみにしていてほしいです。

(おわり)

作品情報

5th オリジナル・フルアルバム「 P.S. モノローグ 」(読み:ピーエス モノローグ)
◆2022年8月31日(水)発売
【UNIVERSAL MUSIC STORE 限定盤】2CD PDCP-1007/8 \4,500円(税抜)4,950円(税込)
DISC2:結成15周年記念ライブ『HAVE A “GOOD” NIGHT vol.100 ~十五夜のうさぎ、何見て跳ねる?~』の LIVE 音源を11曲収録
【通常盤】1CD POCE-12186 3,000円(税抜)3,300円(税込)
発売元:lawl Records/Universal Connect /Universal Music Artists 販売元:ユニバーサルミュージック合同会社

【収録曲】

01.WonderWant 作詞・作曲 岡崎広平
02.ファンファーレ 作詞 千野隆尋 作曲 宇佐美友啓
03.ナツメロ 作詞・作曲 岡崎広平
04.Dreamer 作詞・作曲 千野隆尋
05.シネマスコープ 作詞・作曲 岡崎広平
06.同じ空の下で 作詞・作曲 千野隆尋
07.Fade out 作詞・作曲 岡崎広平
08.当たり前 作詞・作曲 千野隆尋
09.ダンス 作詞・作曲 千野隆尋
10. 0 作詞 千野隆尋 作曲 岡崎広平 ※フジテレビ 「+Ultra」TV アニメ
『エスタブライフ グレイトエスケープ』エンディング・テーマ

【UINVERSAL MUSIC STORE 限定盤】 DISC 2 LIVE CD
『HAVE A “GOOD” NIGHT vol.100 ~十五夜のうさぎ、何見て跳ねる?~』
Live at USEN STUDIO COAST 10.16.2021

01.砂漠
02.交換日記
03.YOU & I
04.素晴らしき今日の始まり
05.サーチライト
06.灯火 07.月祭
08.ハッピーエンド
09.私へ
10.手と手
11.より

LIVE情報

「HAVE A ”GOOD" NIGHT vol.112-119 ~P.S. ダイアローグ~」

2022年9月4日(日)東京・新宿 BLAZE OPEN /START 17:00/18:00
2022年9月17日(土)宮城・仙台 MACANA OPEN /START 17:30/18:00
2022年9月24日(土)愛知・名古屋 CLUB QUATTRO OPEN /START 17:00 /18:00
2022年10月8日(土)新潟・Club Riverst OPEN /START 17:30/18:00
2022年10月22日(土)広島・Second Crutch OPEN /START 17:30/18:00
2022年10月23日(日)福岡・The Voodoo Lounge OPEN /START 17:30/18:00
2022年10月30日(日)神奈川・横浜 BAYSIS OPEN /START 17:30/18:00
2022年11月5日(土)大阪・BIG CAT OPEN /START 17:00/18:00

【チケット情報】
9/4東京・新宿BLAZE

◆ライブチケット 5,000円
◆ライブチケット+アフタートークイベント  6,000円 (取り扱いはU-CONNECTのみ)

*全自由・税込・整理番号付・別途ドリンク代
 3歳以上有料、3歳未満入場不可

9/4東京公演 以外
◆ライブチケット料金: 全自由(税込み) 5,000円

*全自由・税込・整理番号付・別途ドリンク代
 3歳以上有料、3歳未満入場不可

チケット情報詳細はこちら
https://goodonthereel.net/contents/538453

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