GOOD ON THE REEL「唯一無二のバンドに」リスタートに懸ける気概
INTERVIEW

GOOD ON THE REEL「唯一無二のバンドに」リスタートに懸ける気概


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年09月23日

読了時間:約10分

 5人組ロックバンドのGOOD ON THE REELが9月11日、セルフカバーベストアルバム『GOOD ON THE REEL』をリリース。昨年は自主レーベル「lawl records」を立ち上げ、新たな一歩を踏み出した5人。結成15周年を来年に控えそのリスタートを強く感じさせるセルフカバーベストは、過去曲を再レコーディングした意欲作。新曲の「YOU & I」を含む全16曲を収録した。インタビューではアルバムの制作背景から、第2章へと進んだ彼らの意思、展望について話を聞いた。【取材=村上順一】

リスタートという意味を込めて

セルフカバーベストアルバム『GOOD ON THE REEL』ジャケ写

――このタイミングでセルフカバーベストをリリースするのは?

千野隆尋 環境も変わって、ユニバーサルミュージック アーティスツさんとパートナーシップを結んで、色々と広がっていく予感がしています。ここから僕らももっと拓けた活動をしていけると思うので、僕らの第2章、リスタートという意味を込めてベストアルバムを作りました。

――新しいレーベルも昨年立ち上げましたが、lawlで読み方は何て読むんですか。

伊丸岡亮太 これはlol(laughing out loud)を崩して、「ロウル」や「ラウル」と読みます。これは決まった読み方はないのでどちらでも大丈夫です(笑)。

千野隆尋 あと、“w”をひっくり返して“m”にするとIamIにもなって「私は私」という意味もあるんです。

――ダブルミーニングなんですね。さて、今回セルフカバーということで、過去曲を録り直しましたが、再レコーディングしてみて印象的だった曲はどれでしたか。

伊丸岡亮太 僕は「ペトリコール」です。この曲はダンスロック風に変えてみたかったということもあり、ドラムのスネア、キック、クラップが打ち込みなんです。今回それで大変だったのはマコッちゃん(高橋誠)なんです。

高橋誠 キックはサンプリングと言いますか、僕が踏んだキックの音を使用して打ち込んでいるんですけど、その他のパーツは生で叩いています。なので、キックを踏まずに他のパーツを叩くというのが新鮮でした。足を使わないというのはやりづらいんですけど、楽しくやれました。

岡崎広平(※崎は正式にはたつさき) 僕は「ホワイトライン」です。録り直すということになったら、大人っぽいアレンジにすることが多いんですけど、この曲は逆に以前よりも無骨になりました。ボーカルもオリジナルではコーラスも入っているんですけど、敢えて1本にしたんです。

千野隆尋 潔くメインのみなんです。

伊丸岡亮太 その代わり、アコースティックギターのきらびやかな音を入れて、楽器でコーラスの代わりをしていたりもしています。

岡崎広平 歌も1本ということもあってすごく変わった印象がありました。

――高橋さんの印象的だった曲は?

高橋誠 今回初めてアレンジャーさんに入ってもらった曲が何曲かあります。「青い瓶」と「うまくは言えないけれど」と新曲の「YOU & I 」なんですが、初めての経験だったので新鮮でした。

千野隆尋 僕は「向日葵とヒロインと僕」です。オリジナルでは入っていなかったストリングスを、今回新たに生で入れさせて頂きました。それが印象的でしたね。ストリングスが入ったことで世界観がより明確になりましたし、楽曲としても整理できたなと感じていて。後半に向けて広がっていく感じが気に入っています。

宇佐美友啓 印象が変わった曲は「24時間」です。以前から個人的に好きな曲で、今回亮太が作ってきた打ち込みの素材の時点ですごくカッコ良かったんです。ピアノからバンドがオールインしてきた時、拓けた感じがより出ました。それによってオリジナルよりも明るい印象を受けたんですけど、不思議なことに切なさはより増した感覚があるんです。マスタリングでエンジニアさんが2パターン作ってくれるんですけど、どっちが良いか多数決で決めるんです。それで、最初ディレクターさん含め3対3で分かれて。

――キレイに分かれましたね。

宇佐美友啓 そこでそれぞれが、なぜそれを選んだのかをプレゼンしました。僕はより切なさを感じる仕上がりにしたかったので、それを感じたほうを選んだんです。でも、みんなそれぞれ熱い思いがあったので、もう一回シャッフルして選んでみようとなって。そうしたら選んだものが最初と変わってしまったんです。

伊丸岡亮太 でも、その中で宇佐美だけ変わらなかったんです。

宇佐美友啓 それもあって僕が選んだほうを採用してもらえたので、嬉しかったです。

――ブレがなかったんですね。今回、CD収録時間ギリギリまで入っていますけど、選曲はどのようにおこなったんですか。

高橋誠 それぞれがまず入れたい曲を書き出していきました。あと、これとこれは入れるよねと「素晴らしき今日の始まり」など、すでに決まっていた曲も何曲かありました。

千野隆尋 ライブの定番曲はお客さんも喜んでくれるかなと思い「それは彼女の部屋で二人」や「ゴースト」は入れたいなと。他の曲は多数決や熱い1票で決まったりしました。例えば「うまくは言えないけれど」は宇佐美がどうしても入れたいということで、収録が決まった曲なんです。広平ちゃんは「ホワイトライン」だったり。

岡崎広平 「ホワイトライン」は以前のレコーディングが腑に落ちないところがあったので、絶対録り直したいなと思っていました。

――皆さんが提示してきた中で意外性のあった曲はありましたか。

千野隆尋 意外と言いますか、亮太が前から気に入っている曲だと話していた「青い瓶」です。この曲が推されたのはマニアックだなと思ったんですけど、亮太はカラオケで「青い瓶」や「停止線より遥か手前で」をよく歌ってくれるんです。

伊丸岡亮太 その2曲は千野ちゃんが作ってくれた曲で、僕では出てこないメロディラインだったりして、楽しくてカラオケでつい歌ってしまうんです(笑)。

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