赤井英和さんから学んだ「人間観察」
――最初に現地に着いたところの無機質な表情が印象的でした。無言のまま何秒間立ち止まっているシーンですが、あれはああいう指示があった?
ありました。実際に自分が初めての街、周りも知らない人たちばかりという環境で、カメラがいたのは道路の向こうの向こうぐらい。監督もスタッフも遠いところにいて、実際に演技だけでなく私自身も寂しくてなって(笑)。そうした気持ちはきっと明日香もそうだったんだろうなと思いました。監督からは、「どうしたらいいんだろう」というきょろきょろ感は出してほしいなと。「ここに降り立ったけど、ここが待ち合わせ場所だよな、あれ誰もいないぞ、でも私何もしようがない、どうしたらいいんだろう」ということを表現してほしいと。
――共演者とはどうでしたか?
スタッフはフィリピンの方が多かったんですけど、優しくてフレンドリーで、気遣っても下さって。暑かったら水をすぐにくれたり。アミー役を演じたミエル・エスピノーザちゃんもずっと「明日香!」と駆け寄ってくれたり、それが嬉しくて楽しくて、そういうところからも繋がっているんだと思いました。
――岩田さんを演じた赤井さんとの共演はいかがでしたか?
人間観察はすごく大切なんだなと思いました。シーンのなかで明日香が疲れてトラックの荷台で寝てしまうというのがあります。最初は顔を足にうずめるぐらいだったんですけど、赤井さんに「いやいや、そんなんじゃだめだよ。顔を上に向けて口をパカーンと開けないと」と言って頂いて。確かに人間に疲れたらそうなってしまうなと思って。その時に赤井さんはいろんな人のことを見ているんだなと感じて、私も人間観察をしないといけないと思いました。
――花房里枝さんも今回出られていますが、elfin’のメンバーから言われたことは?
「よっ! 主演女優!」と(笑)。何かあるたびに言われますね、花房からなんですけど(笑)。花房自身も舞台を中心に女優としても活動しているので、メンバー間でもお互いに切磋琢磨して頑張っていけたらと思っています。
――今回映画に出られて、花房さんに影響を受けたものはありますか?
正直「悔しい!」というのはあります(笑)。演技の時に、花房が演じていたのが瞳という明日香の友達でちょっとパリピ感があって、でもそういうのも監督の演出に沿って自然に演技できていたので(笑)。でも実際のシーンで花房と演技をしているのではなく、瞳に話している感覚があったので、「あ、すごいな、負けられない!」と思いました。





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